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歩出夏門行 烈士暮年 壮心不已
いよいよ月末からリリースが始まるもうひとつのベルリネッタ「アベンタクローラーWD」。
万能型のベルとは真逆の特化型玄人向けモデルである。



長野県野尻湖のプリプラを終え、その帰路に石川県のドリームレイクでルアーのテストを行いようやく帰阪したのもつかの間、山積みの仕事と取材をこなしようやく一息つくことが出来た。
帰路、ドリームレイクまでわざわざ立ち寄ったのは、どうしても最終製品版が仕上がったアベンタクローラーの羽根セッティング2種の比較をしたかったから。


シロヒトリの舞う野尻湖では白いフェザーは明らかに効果があった。
しかし、結論的にアライブにもアベンタにも採用しなかった。理由はまた後日。


ベルリネッタのシングルボディー機種「アベンタクローラーWD(Walking Dead)」は、特殊能力特化型。ベルリネッタは汎用性が高く、ワドバギ並みの低速巻きからバズベイトのような高速巻きまで誰でも安定して巻き切れるのが特徴だが、アベンタWDはその名の通り、「超超低速激焦らし専用」モデルである。

あくまで長さ約10mの社内プールテストだが、某四国香川のクリーパーマニアから頂いた超超低速専用チューンドクリーパーが最低限の「モガキ」を維持しながら正確に1m移動するのに平均5秒〜5.3秒なのに対し、アベンタWDは平均6.5秒、MAXで7秒をかける事ができた。ベルリネッタはスカートを取れば3秒、ホグバスター(改)も3秒程度である。実際にこの1m区間での1秒差はかなりの差であり、40mも投げればその差はもっと大きくなる。


香川県は何故かクローラーベイトマニアが多い。
アベンタは某マニアから頂いたチューンドクリーパーより遥かに低速で動くことがまずは最重要課題だった。


こちらの超超低速性能に関しては物理的に大型シングルボディーでないと実現は不可能で、同じクローラーベイトでもジョイントタイプと性格は正反対に近い。ただ、ボディーを大型化すればするほど超超低速性能は上がるが、フッキングは酷く悪くなる。また、超スローに特化すればするほど、逆に少しでも速く雑に巻くとアッという間にひっくり返ることが多くなる。アベンタは出来るだけ通常のロッドで扱いやすい限界サイズの範疇(ボディー長130mm)で、「中低速」まではなんとかブレイクせず粘ってくれるのも特徴の一つである。


3月には既に仕上がっていたアベンタだが、土壇場で羽根の選択に悩みに悩んでいた。


まあ、イラチの人には向きませんが、ここ一番、ここから誘い出す!!って釣りにアベンタは最強の武器になります。実はプリプラ期間中、あの、あの、野尻湖のいつもアソコにおられる超有名な当確4キロ楽超のロクマル様を、あろう事かフックアップさせ水面上に躍らせるまではイカせたツワモノですから…。ランディング出来ていれば今頃スモールの50アップ2キロオーバーとラージの60アップ4キロオーバーを両手に持ってここに出ている筈でしたが…。


アベンタはプリスポーンから完成品をテストをしていたが、なかなか状況が厳しかった。
しかし、野尻湖のロクマル様が最後の確信を与えてくれた。


と言う事で話が戻って何故にドリームレイクなのかと言いますと、その野尻湖名物のロクマル様の顎に傷を刻んだアベンタの羽根セッティングが、自分が「こっち!」と信じていたセッティングとは別のもうひとつの通称B型君だったため。
さすがに野尻湖でアベンタに出たのはその一回だけだったが、その超天才ロクマル様の一回が優秀なA型さんではなく一癖あるB型君だったから迷ったのである。
月末初荷を控えているアベンタだけに、もうこうなりゃドリームレイクでバスに聞くしかない!と言う事で急遽、遠征延長。果たしてペレット育ちのドリームバス達がワイルド極まりないフルサイズのビッグクローラーベイトに襲い掛かる勇気があるのか?と言う疑問もあったが、その心配は全く杞憂だった。


水温はなんと19度と低かったが、このサイズをアベンタで十数匹ゲット。
釣り比べなければ解らないことは多い。


まあ、バス本来の本能とは凄いものである。バスはやはりバスだった。この春、未曾有の大人気連日満員御礼となったドリームレイクは、バスのサイズこそやや落ちていたが、それでもアベンタは群れの中からビッグサイズを選んで見事に水面を割らせてくれた。そして数十匹のバスたちが選んだ結論は明らかに癖のある「B型君」だったのである。人の目にはA型さんの方が優秀で魅力的人材だったのだが…。
そして、最後にアベンタWDはドリームレイク開業史上始まって以来の伝説を刻む事に。まあ、知りたい人は現場で聞いてください…。本物以上にホンモノに見えたのか、マジでビビリましたので…。


ドリームレイクは今回も夢のレイクでした。
さすがにビッグクローラーベイトではと思ったが、アベンタの超超低速焦らしに激怒りバイト多発。


と言う事で、羽根の最終セッティングは土壇場でB型君の決定、今月末に初荷が出荷されることになりました。このアベンタWD、ベルリネッタと共用量産することで、最低速度同様、価格もクラス最低?価格でリリースできそうです。ご期待ください!


ルアーらしいルアー。コレで釣ったらカッコいいと思うのはワシだけ??


最後に、イマカツファンの皆様にこの場を借りて、ご報告です。
既にご存知の方もおられるかも知れませんが、先月末をもって株式会社イマカツの副社長として10年間、共に(株)イマカツ、及びプロスタッフを支えてきた盟友・藤木氏が退社、独立する事となりました。
これまでのイマカツ製品の企画開発において、長年共に歩んだ藤木氏の存在は極めて大きく、その功績を思うほどに氏の退社は残念でなりません。
しかし、烈士暮年 壮心不已、今後は同い年の友人として、そして良きライバルとして、バスフィッシングの明るい未来を築くために共に切磋琢磨していく所存です。
近々、(株)イマカツは現体制を一新し、新たなスタートを切る予定です。皆様の暖かいご支援、ご支持ほど、これからもよろしくお願い申し上げます。

株式会社イマカツ 代表取締役 今江 克隆

 

 

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