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THE SECRET OF THE“SUPER BLADE”
もう一つの切り札「スーパーブレード」が遂に最終戦でその秘めた威力を遺憾なく発揮してくれた。
その威力は時としてモグラチャターに勝るとも劣らない。



明日からまた長野県オープンクラシックに出発する。しかし、今季は事実上のプレーオフ、2011年最強決定戦となるエリート5を最終標的にしているので、今回のOPクラシックの練習はせず休養とした。最終戦のハプニングで勝利と達成感への飢餓状態にある今、闘争心を極限まで研ぎ澄ましてその時を迎えたい。


今季は最強決定戦、クライマックスエリート5に残りの全体力と精神力を全てつぎ込む。


さて、最終戦北浦水系で2日目に今大会最高ウエイト、決勝でもトップウェイトを記録したその立役者は紛れもなくジンクスミニ・スーパーブレイド3/8oz(ZM-SB)に他ならない。今回はこのルアーなくして、この奇跡的な結果は生まれなかったと断言しても良いと思う。

今回使用したのはゴールド一色。
公式練習では鮎カラーも同様に良かったが、濁りが強まったためこのカラーに絞った。

「奇跡のライズアップ」を持つ「中層非接触系」のモグチャを開発して以来、同時にその弱点であるバスを「浮かせられない状況」にも対応できる「フルコンタクト系」巻き物の開発は自分にとって重要な課題だった。その中で極秘裏に2年以上開発を続けて来たのがモグラチャターPFTと同じ、0.2mmの超極薄高弾性高比重の特殊鋼ブレードを持つ「スーパーブレード」である。
当初は秋から初春にかけての低水温気に、リザーバーの10m前後の立ち木トップ6~8mにサスペンドするバスを絡め取るシークレットベイトとして開発を進めて来たものである。今年の正月に放映された阪神選手達とのザ・ヒットTV特番で、厳冬の窮地を救うビッグフィッシュを仕留めたのがこれで、スタジオ解説でスーパーブレードに触れた事を覚えている人もいるだろう。DVD「間違いだらけのベイトフィネス」でも七川ダムでの真冬の実釣で一部その片鱗を見せている。


今年の正月、元阪神の矢野捕手とのTV特番で大ピンチを救ってくれたのがジンクススーパーブレード。
この時は14mの立ち木トップ8mをスローローリングした。


実はこの大型ディープスピナーベイト開発の過程で亜流として生まれて来たのがZM-SBだった。しかし、スーパーブレードに関しては特にここまで大袈裟な宣伝や解説一度もしていない。それはこのスーパーブレードが、時として奇跡のモグチャをも超えるポテンシャルを持つ「危険な武器」だと強く認識していたからに他ならない。他のTOP50選手に今季だけでも試合で使われたくない気持ちが、Fマーク仕様の発売を遅らせ、商売上の成功以上に自身の試合上利益を優先させてしまった。それほどコイツは時として危険な武器だった。

もともとは超ディープ攻略用に開発していたZINXスーパーブレード3/4oz。
これを元にZINXMINI・スーパーブレードが生まれた。
超ディープ用はようやく先日完成。

JM-SBの特徴は極薄ブレードの立ち上がりと高回転にあると思われがちだが、最大の武器は高回転なのに「浮き上がりにくい事」、そして同時に「ボトム感度が破格に良い事」にある。試しに1m程度のフラットで、3/8ozの一般的スピナーベイトをリールの回転を一定に保って、底ベタベタに接触させながら足元まで引いて見よう。現実的には1mの水深でさえ、リトリーブの速度を一切変えず、スピナーベイトを底から浮かせないように足元まで引くのは極めて難しい。確かに1/2ozなら可能だが、1m程度なら今度はボトムへの接触が激しく極めて不自然になる。可能な範囲で軽いスピナーベイトを使うのがキモで、ZM-SBはそれをストレスなく実行できる唯一のスピナーベイトだった。

公式練習ではブレードをノーマルジンクス3/8ozのブレードと変えても試してみた。振動と引き抵抗感は解り易く、一見いい感じだが、浮き上がり易くボトムが解りにくくなった。
結果的に今回はスーパーブレードの方が断トツに釣れた。
その差は明らかだった。

今回は1.5m前後のブレイクではノーマルのまま、1〜1.3mラインのフラットでは自然に安定してボトムヒットさせれるよう、そして可能な限り低速で引けるよう、リアブレードの下方半分を指で反らし、写真の様にフラットにチューニングしていた。


薄いスーパーブレードはモグチャ同様、指でアールを調整が可能。
今回はノーマルとややフラットに戻したスーパーブレードの2種類を水深50cmの差で使い分けた。


今回の北浦水系戦の断トツTOPウェイトの鍵は、1〜1.5mフラットやブレイクに散在するオダの残骸、砂利底、乱杭などをSBのヘッドに接触する感触を頼りにボトムベタベタを長距離に亘って延々スローローローリングする事にあった。狙ったエリアは鹿行大橋上流の禁止エリア金上ワンド周辺を除く風の当たるショアに近い1〜1.5mフラット全域で、昔の様なシークレットオダではなく、誰もが目で見て解る昔からあるオダ跡周辺の杭回りである。実際にはオダはほとんど流されて個体としては存在せず、その一部が杭に引っ掛かって散在する様な感じで、魚探で探すような規模はなく、ボトムを集中して舐めるように引いて初めて存在が解る程度のショボイものである。故に毎日ラッシュがかかる場所が違ったのも、この水系のバスがワカサギに付いて頻繁に移動を繰り返している証明だった。昔の様にシークレットオダを数探せば勝てるイージーな北浦水系でない事は、TOP50プロなら既に誰でも知っている事実である。


一時は釣れなくなり、釣り人が激減した北浦だったが、今回は朝から全盛期並みのファンが観戦に訪れた。
北浦は面白さを増して新たに復活した言っても良いだろう。


ZM-SBの最大の武器は、その浮き上がりにくさを最大限活用し、ボトムスレスレをフルコンタクトで舐めるように引ける事にある。フルコンタクトする事で、時折ブレードの回転が止まる抜け感があるが、これがいい意味での「接触千鳥」の代用となり、同時に極薄ブレードの立ち上がりの良さがそのランダムさを活かしてくれる。ZM-SBは、抵抗感が少なく、最初は普通のスピナーベイトと比べ違和感があるかもしれない。しかし、かつて琵琶湖で多くのプロがスピナーベイトを引きまくる赤野井沖船団で、私一人が当時無名だった「デプスBカスタム」を使いブッチギリウエイトを出し優勝した事を覚えているだろうか。当時、デプスBカスタムの評価は「引き感が悪い」「振動が少ない」と言うものだったが、それ故、ウィードの硬さを鋭く感知し、より水平に長距離を集中しスローローリング出来たのである。その後のデプスBカスタムの実績と人気はご存じの通りだ。

2日連続トップウエイトをマークした瞬間。
スーパーブレードは本当に凄かった。
(決してコンサートではありません・・・)

パワーのあるスピナーベイトが確かに良い時も多々ある。しかし、特に日本の異常なプレッシャーの中でのメジャーレイクトーナメントでは、ナチュラルでインパクト弱いベイトライクなスピナーベイトを何度も通す事でしか反応しないバスがいる事も確かなのだ。今回の北浦水系戦の様に、日本の超実力者が必死で釣っても僅か1キロ半で上位と言う異常にタフな状態では、他に真似できない唯一無二の性能を持つルアーが、超プレッシャーでも無関係に圧倒的結果を出す事は「奇跡のチャター」でも既に証明済みの事実だ。


水温が10度下がらなければ、スケブロで試合が成立していたかもしれない。
浮かせて喰い上げさせる中層のスケブロ&モグチャ、
その対極がフルコンタクト、ボトムのスーパーブレードなのだ。


ただ、今回の試合はタフが故にフルコンタクト後のバイトがほとんどで、それが原因か2日目はZM-SBで実に5尾もの800〜1200gのバスをジャンプやデッキ際でバラしている。
バイトの9割がトレーラーフックにかかっており、ボート内にランディングしたバスもほとんどが自動的にフックオフしていた。その対策として決勝ではルアーのロストリスクを代償に、初めてトレーラーフックをメインフックと同じほど大きなものに変更した。これが幸いし決勝はノーミスで再びTOPウェイトをマーク出来たが、決め手となった2尾目の約50cm のキッカーはまさにトレーラーフック薄皮一枚、神に祈りながらのランディングだった。そして、微かなブレードバイトがある事に2日目後半気が付き、決勝ではブレードバイト後のクイックフォローにセクシーアンクル4インチ、2.7gダウンショットをベイトフィネス(STINGRAY&KTF/REVO・BCF7LB)で使い、2日目には釣れなかった貴重なキーパーサイズ3尾をフォローし、入れ替にも成功している。

下が2日目、上が決勝のトレーラーフック。
ゴム管式は着水でフック角度が変になり戻らないので私は使わない。
このストッパーフリー式が経験的にはベスト。
トレーラーフックは100%つけている。

今回の準優勝、そして奇跡とも言える逆転ベスト5入りは、このジンクスミニ・スーパーブレードの存在なくしては成しえなかった事だけは本当の事実である。百聞は一見にしかず、その全てはDVD「黒帯リアルファイトII」で、自分の目で見て確かめて欲しい。

 

 

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