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TOP50第4戦旧吉野川閉幕&「奇蹟のモグラチャター誕生」の巻
恐るべき破壊力を見せつけた奇蹟のモグラチャター。
連日の5キロ越えで3位入賞。
久々の「フンガー持ち(試合限定解除)」をする事が出来た。


トップ50第4戦灼熱の旧吉野川戦が終了した。結果は3位入賞、前回旭川戦は確実に取れたお立ち台を落とす悔しいシングル入賞だったが、今回は更に悔しい優勝できる可能性の高い試合を落とした3位だった。このウルトラフィネス全盛時代に「3日間ハードベイトオンリーのパワーゲームで優勝する」と言う夢と理想を追い求め、珍しく熱くなりすぎ、最終日、水門閉鎖によって状況が激変した事を理解しながらも強引な展開を押し通し過ぎてしまった。しかし、結果的にこの試合は昨年の遠賀川戦に続き、再びハードベイトでライトリグと互角に3日間戦える可能性を立証した価値ある3位でもあったと思う。遠賀川戦の「ワスプ55」スピンクランキング、そして今回の「モグラチャター」、共にキッカーをハードベイトで数本入れたと言うものではなく、全日程、「3日間、ほぼ全てのバスをハードベイト1本で釣り続ける事が出来る」と言う事実に大きな自信と確信を得た試合だった。トーナメントプロ=船団、セコいライトリグばかりという誤ったイメージが強い現在だが、そのイメージを払拭させるような刺激的で夢のある試合ができた事が何より嬉しい。

3日間、ハードベイトだけで戦い抜く。言うは易し行うは難し。
しかし、現代の日本のトップカテゴリーで、しかも超メジャーフィールドで、ハードベイトのみで結果を残せた価値は大きい。

今回のプリプラではここでも書いたように、台風後の影響で正直非常にイージーな状況だった。そのため様々なパターンを試す事が出来たのだが、試合で考えられるパターンは大きく分けて3つ。
1つは最も手堅く最も人気が出るであろうサマーパターンの代表、「橋げたパターン」
2つ目はこれまた真夏の旧吉の代表的パターン、レイダウンやウォーターレタス、グラスマットの「パンチングフィリップ&パンチパターン」
3つ目がほぼ全域に広がる琵琶湖に似たカナダ藻やヒョロっとしたエビ藻のような藻?を狙う「ウィードフラットパターン」である。

プリプラではもう一つのプロトシャロークランクもテストしていたが、ウィードフラットでの効果は高く、バスの存在はすぐに確認できた。

プリプラではこの3つのパターンで簡単にバスが釣れていたが、「橋げたパターン」は最も解りやすく強烈ながら、ライトリグの名手が揃うTOP50で私が釣り勝てる可能性は低い上、半分船団状態での延々タコ粘りは性に合わない。
2つ目のヘビーカバーパターンは得意とする所だが、良いカバーなどTOP50クラスのプロならば誰でも解るし、攻め方もワンパターンになりがちで、バッティング、引き運的な要素が強く、メインパターンとしてはチョロ過ぎた。故に最初から狙っていたのが3つ目の「ウィードフラットパターン」である。

しかし、プリプラからウィードフラットでの数、型共に最強だったのが隠し玉「奇蹟のモグラチャター」だった。

プリプラでは今明かすと、やはり流れの強い本流筋の各橋げたに近い良質のウィードにバスが溜まっていたが、この岸沿いのウィードは誰もが目で見て解るため、プレッシャーに弱い。そこでかつて琵琶湖で何度も表彰台に上った「フラットエリアの垂直ヒョロエビ藻パターン」を試してみる事にした。具体的には2〜2.5mのウィードのアウトサイドエッジの沖にサンドバー状に広がるフラットで、よくよく見るとヒョロっとした背の高いエビ藻状のウィードの柱が点在するエリアだ。主戦場は本流三つ合い堰から藍住大橋までのボディーウォーター絡みのフラット。いままで旧吉野川では春しか試合がなかったので、自信があったわけではないが、こういったエリアにプロトのIK-200Wを投げると明らかに単なるウィードのアウトサイドエッジのいるバスより大きな50cmクラスが出た。

高梁川TSRに続き、旧吉野川でも巨大ストラクチャー近くのフラットエリア2〜3mに、異次元のバスがいる事を気づかせてくれたのはIK-200Wワインドリップだった。

キッカケは前週にIK350Wで良い思いをした高梁川のイメージが残っており、各橋げた回りのフラットで適当にIK200Wを引きまくると、高梁川同様、あっさりと50アップが連打してくれたのである。しかし、さすがに台風直後の濁りがあっての結果と思い、何か他にこの2m前後のフラットに散らばるバスを平常水位、平常の透明度状態で拾っていく方法はないかと考えた。いや、正確には既にこの時、このエリアに散らばるバスを確実に釣る自信があった。何故ならこの時既に私は高梁川取材で偶然、「奇蹟のモグラチャター」に出会っていたからだ

8月頭のTSR高梁川取材、この時初めてモグラチャターが持つ奇跡のコンビネーションに気がつく事になる。
とんでもないモノに出会ってしまった気分だった。

結果的に試合では初日のジャバシャッドジグヘッドの900gのバス1本を除いた15本中14本のバスを、モグラジグを改造した「奇蹟のモグラチャター」一本でウェイイン。2日目には朝2時間であっさり5500gを揃え、決勝に備え全エリアをチェックに回り、流すほどの余裕だった。決勝は水門が閉鎖され流れが止まり、私の勝負エリアに大量の切れ藻が浮遊滞留し、巻き物を引くには最悪の条件に苦しんだが、それでも最後まで勝負し続け、この日もリミット全てをモグラチャターでウェイインする事が出来た。まさに3日間、「奇蹟のモグラチャター」の秘めたるポテンシャルに賭けた試合だった。

偶然が同時に3つ重なり生まれた奇蹟のモグラチャター。
モス・ブレードと名付けたブレードとアイにキモあり。
ジャバシャッドISプラスのロックカット法にもキモあり。
そして「モグラジグ」でなければならない理由あり。
まさに偶然の3重奏?

しかし、いったいなぜに今更「チャターベイト」なのか。「チャターベイト」は5年ほど前、アメリカでトーナメントを席巻し爆発的人気を博した事は有名で、その翌年、日本にも鳴り物入りで輸入され、メディアでも散々持て囃された。私もそのバイブレーションジグの新鮮さと機構の目新しさに一時、非常に興味を持って使い込んだ話題のルアーだった。
しかし、アメリカでの爆発的人気と実績とは裏腹に、日本でチャターベイトは意外にも全くと言っていい程、ブレイクする事はなかった。様々なコピーメーカーが物珍しさから類似品を次々とマーケットに送り込んだが、逆にそれが粗悪なチャターベイトの氾濫を招き、結局、1年後にはワゴンセールで見切り販売筆頭株となる運命をたどる。私自身、最初は興味津々でこのルアーを研究し、フージーにトーナメントで使えるようにエコ仕様に改造した「モグラチャター」を作ってもらったが、今だから言えるが、特にチャターベイトだから爆発的に釣れると言う印象は結局、得られる事はなかった。実際、チャターブームは陽の目を見ることなく、トーナメントで噂になる事もなかった。そして話題も日に日に薄れ、マーケットから忘れ去られ、静かに消えていくことになる。

そして3年ほどの月日がたち、誰もがその存在を忘れかけていた頃、先のTOP50旭川ダム戦で、突然、チャターモグラが再び注目を浴びる事になる。イマカツスタッフの阿部進吾が2日目、トップウエイトとなる5キロオーバーをモグラチャターで釣り、4位入賞したのである。

全てはここから始まった。今回の旧吉野川戦では多くの選手がチャターベイトを投入していた。しかし、ピーカン灼熱の3日間、ただそれだけでバスを釣り続けたのは奇蹟のモグラチャターだけだった。そこに奇蹟の本当の意味がある。

誰もがチャターでビッグウェイトと言う事実に驚きを隠せなかったが、実際にはその日は晴天の中、突然の瞬間的豪雨があり、そのタイミングでの一時的なフィーバー状態での連続ヒットということもあり、誰もが偶発的なラッキー程度にしか思わなかったかもしれない。私自身も驚いたものの、さほどチャターに再び興味を持つ程の事でもなかった。しかし、実際にはこの時、「奇蹟のモグラチャター」はその誕生の兆しを確実に見せていたのだ。

そしてそれから3週間後、私は高梁川の取材の折、遂に「奇蹟のモグラチャター」と出会う事になる。偶然なのか、狙ってそうなったのか、この時、「このモグラチャターだけはなんでか凄い釣れるんですよ」、そう言って岡山の地元アングラーから渡された、たった1個の、お世辞にも美しい作りとは言えない手作りのモグラチャターとの出会いが私の中でのチャターベイトの概念を大きく変える事になる。

TSR高梁川取材で出会った奇蹟のモグラチャター。
この満面の笑顔が全てを語っている。
余りの凄まじさに、誌面、映像公開を最後まで迷ったほどだった。

その一投目、全く予期せず試しに投げた何もないカバーの沖。その中層から突然、50アップがまるでワープして来たかのようにもんどり打ってスッ飛んで来たのである。その衝撃はまさに9年前、サメ浦ダム直前プラでビッグバドのヒートンを弄繰り回して投げた、その一投目にでた58cmと全く同じ感覚、同じ戦慄を覚えるものだった。とにかく、両者に共通する特徴は、「完全な中層で、一見、何もない所から突如デカバスが浮上し迷いなくひったくる」事だった。浮きあがってきたバスは、ボートの目の前であろうが、全く視界に入った人間を気にしてはいない。ヤツの目には9年前のバドの時と同じく、そのルアー以外眼中にないように見えた。すなわち、「奇蹟のモグラチャター」は中層のバスを水面直下まで浮上させる力、「レイズアップ」能力が桁違いなのである。前回の高梁川も今回の旧吉野川もそうだったが、バイトの瞬間の70%が目で確認できるのがこの「奇蹟のモグラチャター」の最大の戦慄であり、今まで見てきた如何なるチャターベイトとも、明らかに一線を画すものだった。

今回は3日間TSR密着取材を敢行した。
このシーンはまさに水面ギリギリまでレイズアップさせたバスがモグラチャターをひったくった瞬間である。

では一体「奇蹟のモグラチャター」の正体は何なのか。続きは今週金曜日11日発売のルアーニュースクラブに詳しく書いている。ここではその発売後、改めて詳しく解説しよう。


第3戦までの成績では、さすがに投票お願いしますと言える状況にありませんでしたが、今回の3位入賞で年間ランキングは28位から9位にジャンプアップ。
ほぼ確実にエリート5選出圏内に入りました。

昨年のリベンジを必ず果たしたく、何とぞ皆様の投票によってエリート5出場権を獲得させてください。
よろしくお願いします。

美しく整備されつつある旧吉野川スロープ。
地元北島町、そして漁協の皆さんの協力があって素晴らしいバスフィッシングフィールドが維持されている。
マナーとルールを守って、この素晴らしい環境を
みんなで守っていきましょう!

 

 

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