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テムジン“KALEIDO”年内デビュー確定か??の巻
いよいよデザインも確定したカレイド・スーパースタリオン
最終モデルはプロトより遥かにEDGYに進化している。



さて、今回のスウェーデン釣行では、もう一つの目的にテムジンKALEIDOの最終テストも兼ねていたのだが、この釣行を経てカレイド・スーパースタリオン71H(仮称)とスーパーコブラ66M(仮称)が完成、スーパースタリオン(仮称)に関しては、少量だが年内デビューも十分有り得る段階に入った。

グリップ周りも完成。
カレイドでは用途に合わせ、2種類のグリップを採用。
レボ・エリとのデザインマッチングも考えて組み上げた。
やはり私のロッドにはアンバサダーが似合う。

ワイスタがメキシコで200尾近い50アップ・60アップの洗礼を受けて初めて本当に納得のいくテスト終了となったように、今回も最後は海外で、最低でも60cm以上のバスと同等、それ以上のパワーを持つ魚とスーパースタリオン(仮称)を対峙させたかったと言うのもホンネのトコロ。既にスーパースタリオンは国内では55〜60cmクラスなら何本も相手にしており、全く不安は感じないが、世界の怪物級淡水ゲームフィッシュのパワーはホント、想像を絶する。アマゾンに行って以来、コイツら怪物を十分に相手に出来る世界基準が自分の中のパワーロッドの基本スタンスになった。日本では全体にスリムで、強く軽いことが優秀なロッドの基準になるが、海外ではまず、重いルアー、太いラインが使え、タフであることが最低の基準であり、最大の信頼になる。それゆえ今もビックリするくらいバットが太く強靭な「ビッグテーパー」を使うアングラーが非常に多いことに驚かされる。しかも意外なほどに短くて太い、およそ日本では「売れない」筆頭のような6~66フィートまでのヘビーアクションが圧倒的に多い。

激荒れだったフィリピンでは10mディープのヘビキャロロッドとしても最高に使い勝手、感度がよかったスーパースタリオン。
既にこのフィリピンでほぼ、スーパースタリオンは完成していた。

そして海外で共通していることは、ワイルドな場所へ行くほどハードジャークの上手い下手がガタイの小さい日本人にとって致命的な結果の差となってくる。このジャーキングと言うのも、日本のプロと呼ばれるアングラーがDVDなどで見せている華麗な?ジャーキングやトゥイッチングとはおよそ全く別物で、むしろソルトアングラーのジギングのジャークの方がそれに近いかもしれない。ロッドとラインとルアーを一直線上においてスラックを出さず、リーリングと同時進行で強烈にロッドを引き込むように3回ほど連続でショートジャークし、力でスライドさせる。リッピングとも呼ばれるこのパワージャークは強烈に水を捻るので、集魚効果とルアーのサイズ以上のアピール力を発生させることが出来るのだ。日本人のリストではなかなかこれが上手くできない。まして40g〜100g前後のビッグルアーを普通に丸一日ぶっ続けで使う海外では、軽くて丈夫でパワーのある日本人向けの優れたタックルがどうしても必要性を痛切に感じてしまう。

エスフラットも海外では優れた「ジャークベイト」として評価が高かった。
カレイドで本気で使い込めば1日でこの状態。

そんな経験から肉厚で太いトルクを重視し、特にプラグに特化して設計したのが「アマゾンフリップ・バリスタ」で、さらにそこにパンチングやジグヘッドスイムベイトまでのボトム操作感と感度を失わないように、ビッグテーパー、別名メガホンテーパーにして再度設計したのが「ワイルドスタリオン」である。しかし、この2本とも日本では琵琶湖、池原以外は確かにオーバーパワーとも言えるスペックで、オカッパリの一本やトーナメント用となるともっと軽くて感度がよく、それでいて丈夫な、あらゆる状況で様々なルアーに対応できるウエイト幅と環境汎用性をも持ち合わせたロッドが欲しくなるのは当然の帰結だ。

アマゾンのピーコックバス。ナベが釣ったこの程度のサイズでもスタリオンのシングルガイドをふっ飛ばし、
ロッドもろとも水中まで持っていくパワーがある。
ジャークの上手い下手で天と地ほどの結果の差が・・・。

しかし、バリスタ、ワイスタ級の「重厚な粘りとトルク」を出そうとすると、どうしてもロッドは中弾性〜低弾性カーボンの「肉厚巻き」になり、製法上、筋肉(カーボン繊維)に接着剤の役割を果たす脂肪(樹脂)をつけることになる。ワイスタはビッグテーパーを採用することでブランクの重心を手前に持ってきており、これによって肉厚の重量感を軽減し、同時にメガホン効果で感度を助けている。こう言った工夫と技術が伴わないと、単なる肉厚ロッドは確かにトルクフルだが、重くダルい、感度も悪いロッドになることは避けられない宿命なのである。

ロッドを真っ直ぐに伸ばしてしまうほどの突進パワー。
60cmがもはや珍しくなくなった現在、ロッドに求められる要素も変わった。

しかし、ビッグテーパーは「ワイスタ級の長さ」があってこそバランスよく実現できるのが、7フィートまでのロッドでは何度も試したが、異様に寸詰まりの不恰好なロッドになってしまい、同時に「片手で丁寧に操作する」には重すぎて、ビッグテーパーだけでは簡単に解決できる問題ではなかった。この問題を解決する唯一にして最高無比の方法、それこそが4WX・カレイド4軸カーボンの存在だった。メインクロスに中弾性の低レジンピュアカーボンを使い、その外郭、「しなやかさ」を司る90度と180度方向には伸びのあるトルクフルな低弾性〜中弾性のカーボン繊維の靭帯を、「ネジレ」と「潰れ方向」へは45度と135度の高弾性カーボンの靭帯をクロス状に全身を締め上げていく。しなやかな筋肉だけではパワーは出ない。それを支える骨格とフレキシブルな靭帯が備わってこそ、始めて野生動物のような筋肉はその性能を100%発揮することが出来る。粘りとトルクのある内転筋(メインシャフト)を、脂肪を排した弾性の違うカーボン繊維(クワトロクロス)で4方向から均一にメッシュ状に全身を締め上げていく。この方法は、理論的にも物理的にも、そして実戦的にも、明らかに従来とは別格の効果を得られる画期的な製法と素材だった。その製法上の難しさと採算の問題を除いては…。

上がカレイド、下がヘラクレス。カレイドは弾性の違うカーボン繊維の組み合わせで、ヘラクレスに比べ緊密。
そのため全身に巻くことが可能になるが、ハッキリ言ってコスト度外視・・・単に私のワガママで無理やり採用した。

カレイドは新型グリップデザインも含め、今年の2月ごろから極秘裏に本格テストに入ったのだが、なによりもバスロッド初の4軸カーボンを全身に纏ったカレイド・スーパースタリオン(仮称)は、その軽さはもとより、一見柔軟でありながらクリスピー、クリスピーなようでトルクフル、そして強靭な粘りと対負荷能力をも兼ね備えていた。おまけに脂肪が少ない分、感度を損なわない。採算を度外視しても、一度知ってしまった以上、到底この素材を無視してロッド開発を続けることなど出来るはずがなかった。

最後まで異弾性4軸全身武装に拘った為、ずいぶん菊さんには迷惑をかけた。
その分、紛れもなく史上最高のコンバットスティックが誕生することは間違いない。

このカレイドのサンプリングの際に面白い「エピソード」がある。通常、ロッドアクションを確認するため、「室内」でティップを天井に当てて曲げてみる。この時、「これはいい感じの曲がり、しなやかさ具合だな…」と感じたロッドでも、実際にフィールドで使ってみると思いのほかに柔らか過ぎてパワー不足を感じてしまい、シマッタと思うことが案外多い。遠慮がちに曲げてみるショップの中や室内と違い、実際のフィールドではアタリが来た途端、力みもあって想像以上に強い力がロッドにはかかるものなのだ。よってロッド選びのコツは熟練者なら室内で相当の力を入れて曲げてみるのもいいのだが、これは店にとってはムンクの叫び級に恐怖の瞬間でもあるので、実際は軽く曲げて「少し希望より堅めかな」と思うくらいを選ぶ方が正解の事が多いものだ。

ロッドはフィールドで試してみないとなかなか希望の硬さ、柔らかさが判別しにくい。驚いたことにカレイドはその感覚誤差が逆に出る。

しかし、このカレイドに関して一番驚いたことは、私が最初のスーパースタリオン(仮称)プロトを手にしたとき、天井に当てて思いっきり(私は仕事なので想像以上の負荷で思いっき曲げる)当てたところ、「ちょっと柔すぎるなこれは…」と非力に感じ、このプロトは経験上NGだなと思ってしまった。ところが、実際にこれをバクラトスイマーで使ってみたところ、本当に驚いたのだが、ワイスタ、最低でもガンスリクラスのパワーが必要と思っていたバクラトが何の問題もなく、微塵のフッキングの不安も感じさせることなく次々と50アップの堅い上顎を見事に貫き続けた。しかも乗りは抜群。これはワイスタでないと無理だろうと思っていたハドルストン8インチ(120gオーバー)を使っても、多少のオーバーウエイトは感じるが何の問題もなく50アップのバスをあっさり何の不安もなく仕留めてしまった(DVD参照)。

3月初旬、旧吉野川にテストしたときは絶対柔らか過ぎと思ったサンプルですら、バクラトに何の不安も覚えなかった。まるでソリッドのような粘りがある。

見かけの軽さ、柔軟性からは想像も出来ない太く分厚いトルクと、相反するシャープなレスポンス、そしてタフネス。それは今までのカーボンやボロン素材では体験したことのなかった感覚だった。何よりその違いが明確に体感できるレベルだったことが驚きだった。少し大袈裟に言えば「チューブラーの軽さと感度とキレを持ち、フルソリッドのような全身トルク感を併せ持つ」とでも言うべきか。そして何よりその軽さは今回のスウェーデン釣行でもビッグベイトを朝の8時から夜の8時まで3日間ぶっ続けで投げ倒しても全く負担を感じることがなかった。スウェーデンの屈強極まりないプロガイドたちがこぞってどうやったら買えるんだ、インターネットで買えるのかとしつこく聞いてくるほど注目を集めていた程だ。性能はもちろんだが、万華鏡(カレイドスコープ)のように深く怪しく光り輝くカーボンブラックの妖艶さがお洒落なヨーロッパ人には衝撃的だったようで、太陽にかざしては溜息をついていた。このカレイドのもう一つの魅力は、よけいな装飾で飾ることなく、シンプルでいながら、ブランク全身が千変万化するような独特の輝きと美しさにもある。素地そのものが持つ機能美に、余計な飾りやくどい解説は必要としない。

カレイドのベリー部分。メインの中弾性カーボンを4方向に弾性の異なった靭帯で緊密に締め上げる。
その輝きは今まで見たこともない、飾る必要のない機能美だ。

高弾性を纏った「初代テムジン」がHOMOLOGEの名の通り、超高速バックストレッチを得意とするレーシングマシンのような存在とすれば、「クロスファイアー」は複雑きわまる峠道を果敢に攻める高速コーナリング性能を特化したチューンドマシンのような存在。とすれば、「カレイド」は一見、ドライバーの技量を特に問わず、時速200kmのアウトバーンから峠道、そして街中まで、誰もが安全快適に走れるドイツ車的存在かもしれない。しかし、ひとたび戦闘状態に入るとその中身は500PSを越えるスーパーカーやビッグSUVにも匹敵する、羊の皮をかぶった狼のような存在でもある。初代テムジンの切れとスピード、クロスファイアーの吸い付くようなコーナリング性能、その双方を併せ持ち、同時に荒野を走破する4WD-SUVのような余裕のトルクとタフさも備える。これこそが私や菊さんを虜にしてしまった4軸クロス(4WX)製法の最大の魅力なのだ。

オカッパリでも主役、ビッグベイトでも主役、トーナメントでも主役になれる奇跡の7フィート、「ミラクルセブン」。
最終デザイン、シリーズ名 ラインナップ、価格、発売時期まで今回は発売ギリギリまで極秘です・・・。

 

 

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