リップライザー依然絶好調キープ中の巻
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日本シリーズ出場を賭けたクライマックスシリーズは残念な結果に終わってしまったが、阪神の選手の皆さんには1年間本当にご苦労様でした。歳の近い矢野選手の、今もどの選手にも劣らない眼光鋭い勝負に賭ける気迫には、いつも自分自身が励まされる思いがする。 若手が頑張らなければその業界には未来がないのだが、ベテランと呼ばれる選手達がその残された選手生命を必死に燃やす姿には、いまだ若手を寄せ付けないオーラのようなものを感じる。 この気迫を維持することがどれほど苦しいものか、自分も身をもって感じてきただけに共感する部分が多い。特に野球が好きだったわけではないが、私にとって阪神の選手達との出会いや交流、そして彼らの試合を欠かさず見ることは、また違った意味で熱い人生への刺激となっていると思う。 さて、今年は2回のメキシコ遠征、そしてその黒帯DVDやTSR・CRONICLESを通じ、日本の全フィールドでフローティングミノーのオールシーズンにおける強力な威力が始めて本当に認識された年だったのではないだろうか。イマカツウェブサイトの読者投稿コーナーラブフィッシュは、現在の一般アングラーのフィッシングトレンドが極めて如実に現れるのだが、こと リップライザーに関しては昨年のイマカツクランクや、一昨年前のジャバロンブームを凌ぐほどコンスタントな投稿が相次いでいる。 しかも嬉しいことにフィールドが野池からリザーバー、そして琵琶湖にいたるまで、偏りが全くといって良いほどないことが特徴だ。また、優れたフローティングミノーは本来、ただまっすぐ巻いて止めるだけで最高のパフォーマンスを発揮することも一般のアングラーが認識し始めてきたことも大きい。激しくジャークしたり、止めることを意識するがあまり初心者には特に難しい印象があった「ジャークベイト」だったが、本当に良くできたジャークベイトはグリグリ巻いて、ピタッとハンドルを止めるだけの繰り返しだけで、シャロークランク以上に簡単にバスを誘うことができる。しかもそのシルエットとの弱さに反する110mmと言う大きさが、弱い存在なのに強いアピール力という相反したミノーならではの強さを持っている。 この110mmという大きさは一見大きいように見えるが、110mmの大きさと後方重心がゆえに持つ超遠投力は、バスの警戒心を小さなルアーに変える以上に解いてしまう魔力があるように思う。最近ルアーを開発してきて思うことは、単にルアーの大きさや小ささがバスのスレ具合に対応するのではなく、飛距離やシルエット、出す波動の強弱によって、必ずしも小さなルアーがスレた場所に強いわけではなく、「その大きさでなければ出せないベストな何か」がルアーの能力において非常に重要な意味を持つように感じている。 現在、リップライザーはダイビングタイプも含め、60、70、130と様々なサイズを作ってテストしているが、図面を単純にサイズダウンし作ったものは全くといって良いほど、いい結果が出せていない。それぞれの大きさにそれぞれの動きがミックスされなければ、リップライザー110に並ぶ性能は出せないようだ。それが現在工場でも一番頭を悩ませている部分である。ただ、「ミノー」という比較的春限定だったジャンルが今年、春夏秋冬を問わず注目されたことは、日本のフィールドへのミノー系ルアーの適応ポテンシャルの高さが理解されてきたからに他ならない。 ちなみに、また詳しく解説しようと思うが、サスペンドジャークベイトとフローティングジャークベイトとは、私が解説してきた「巻物」としては全く異質なものだと考えたほうが良い。水温が10度以上なら圧倒的にハイフローティングが強い。逆にキャスト後のフロロラインの「たるみの重さとルアーの浮力の吊り合い」状態を利用する「ライザー」テクニックを理解している人ならば、ハイフローティングミノーを数秒程度ならサスペンドさせながら頭を左右へ自発的に「もがかせる」ことなどいとも簡単にできるはずだ。絶対に必要なものではあるが、本当にサスペンド系が活躍する時期は短いのだ。これからの12月上旬まで、バスは「見切り」が鋭くなる。バスに見切らせないルアーのスピードとライブ感、それはハイフローティングジャークベイトや、秋に強いクランクベイトのようなファーストムービングと呼ばれるカテゴリーが活躍する時期だ。是非、リップライザー110をクランクのようにフィーディグシャローでガンガン何も考えずに引きまくってみて欲しい。 PS,逆にギリギリ動く最低速度でゆっくり一定を保って、軽くシェイクしながら水面直下をフラフラさせるテクニックも最近にわかにクローズアップ中!LET’S TRY!! SOON! |
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