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史上最悪、地獄取材を奇跡の克服!の巻
既に2台がスタック中・・・
ランクルさえ牽引しなければ脱出できず・・・最悪。

いやはやメジャーレイクでの毎月連載取材は辛い。ホンマに辛い。ただでさえハードターンでどこもかしこも絶不調の厳しいこの時期に、レンタルボートやチャプターが盛んなメジャーレイクで、VTR込み、カラーグラビア14ページ以上を成功させる事は、ある意味、試合級の集中力と気力を要する頭の痛い難関だ。

しかしそれにしても今回ほど過去最悪の地獄級と思った取材は経験がない。まず最初の事件は当日、早朝4時半に出発、予定通り現地に7時半頃到着したのはいいのだが、コンビニで朝食を買おうと財布を探すが見当たらない。その瞬間、全身の血がサーッと貧血のように下がるのを感じた。なんと、家の玄関にカバンを丸ごと置き忘れてきたのである…。まあ、お金だけなら何とかなるが、私の場合、どうしても毎日飲まなければならない薬があり、これが2日間ないとマジでヤバいのである。
意を決して湖を目前にUターン、朝のラッシュに巻き込まれ家に着いたのは既に10時半。再び出直して再度、湖に着いたのが午後1時前といった信じられない悲惨さだった…。

今回は初めての湖。
チャプターも開催されているが、ウエイトアベレージは低い。
今秋はどこの湖も減水が酷く、ターンも例年以上にきつい感じがする。
しかし、この地獄状態は翌日、さらに最悪な事態となって我々一行を窮地に追い込むことになる。湖は見るも無残な大減水&泡まみれの激烈ターンオーバー。しかもスロープは減水によってドロドロ。ジャビルが下ろせる限界ギリギリ水位まで後30cm…。水位の減水に細心の気を配りながら、地元アングラーの助けを借りて、まさにギリギリの勝負でボートを出す。

カバンを丸ごと忘れる大失態、
おまけに北の強風、大減水、泡だらけのターン。
「こりゃアカンわ・・・」とギブアップ寸前だったが・・・結果は!!
しかし、まさか僅かこの3時間後、信じられない程の豪雨と落雷が突如襲ってくるとは誰も予想もできなかった。スロープは一瞬にして歩くことすら困難な泥の地獄へ、そして救助に駆けつけてきてくれた人までが次々と蟻地獄のようなスタック地獄に襲われるとは…。豪雨落雷の中、ランクル2連結でのトレーラーランチングを一か八かで試みるも、あえなくトレーラーのタイヤは泥沼に完全轟沈、ランクルさえスタック脱出に四苦八苦するハメに…。もう絶体絶命、ズブズブと沈みこむトレーラー、トランサムから浸水しボートも撃沈かと思われたが、そこはこれでも23年のキャリアを持つプロ。幾度もこんな修羅場は経験している。そこで逆にこのドロドロの泥濘を逆手に取るウルトラCを決行することに。

あっという間に雨で溝が掘れていく有様・・・。
空のトレーラですら陸上に上げることが難しかった。
イチかバチか、ジャビルのバッテリーやエレキを全て取り外し、逆に一番ドロドロで緩やかな斜面の水際の場所を選び浮かせておく。次にランクルを足場のいい位置にトレーラーを付けて待機、そのトレーラー最後尾に牽引用ロングロープをつなぎ直接ボートの船首に無結ぶ。そして一気にランクルを発進させ、ジャビルに泥のスロープ上を走らせたのである。そして何とかジャビルはバウを45度に上げた状態でともかく上陸。
次にトレーラーの最後部ゴムローラーをボートキールに当てた状態で、トレーラーウインチロープを装着。1人がハンドでウインチを回し、テコの要領で3人がかりで陸上でジャビル14フィート、4サイクル30馬力付を陸上でトレーラーにランディングさせる事に成功した。ホントまさに逆転の発想、そして地元のアングラーの方々の献身的な協力による奇跡的ランチングだった。
まあしかし、何とか窮地は脱出できたものの、改めて天候の急変による自然の恐ろしさを痛感した。雨がぱらぱらと降り出し、放水による減水が始まった午前11時に取材中止を決断したが、そこから僅か15分後には事態は急変してしまった。天然のスロープはよほどの経験とランチング技術がない限り、本当に慎重にならなければならない。「大丈夫やろ…」と言う根拠のない自信だけでは、絶対に舐めてはいけない。今回は事なきを得たが、くれぐれも地元の方々に迷惑を掛けないように肝に銘じておきたい。

今回は実質6時間の釣りだったが、いい湧き水のフラットを見つけたことが功を奏した。
ターンのときは全ては水質の良し悪しで決まる。
さてさて、今回の取材は本当に地獄だった。初日は実釣り僅か3時間半、2日目も実質、2時間も釣りをすることができなかった。しかし、逆にこの逆境に追い込まれた短時間決戦が、なんとしても成功させてやると言う気力、集中力をマックスまで高めてくれたことも事実だった。湖の状況はお世辞にも良いとは言えず、メタンガス噴出しまくり、ターンによるこげ茶色の水が充満し、普通に2日間やっても結果が出るとは思えないほど厳しかった。ましてや今回の湖はそのポテンシャル自体、もともと決して高い場所でもない。でも不思議なことだが、自分は逆境に追い込まれた時、背水の陣に追い込まれた時にこそ何故か、その真逆の結果になることがある。

この子は前座君。
インチモジャオ(ヘアリーホグ)が短時間にスコアを綺麗にまとめてくれた。
これは奇跡ではないか?そう思えるほどの結果を出したのは、またしても「バクラトスイマー」だった。今回は3.5mのフラットでの出来事だったが、このルアーの50アップ率はもはや疑いようもない真実だと思う。そして、最後の窮地を僅か2時間で14ページを飾るに相応しい結果にしてくれたのはプロスタッフ達から一番完成を急かされている「インチモジャオ」だった。厳しい取材だったが、それだけにこの逆境にも応えてくれた来期向け新作の威力に、改めて確信を持てた価値ある取材でもあった。

結局、今回の主役はまたしてもバクラトスイマー&ワイスタ
ターンの中でも恐るべき50アップ捕獲率!!

 

 

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