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妖艶な輝き
こんにちは、ルアーデザイナーの長井です。

ここ最近、開発室での目まぐるしい仕事が続いていますが、10月に入り今年も残り3ヶ月を切りました。

目の前の新製品開発もそうですが、色々と試してみたいことが次から次ぎへと湯水のように湧き出てくるためでしょうか、一日一日が短く感じる今日この頃です。

10月といえばアオリイカシーズン真っ只中ですね。

えっ!バス釣り関係の話をしないのかっ!?

とお叱りを受けそうですが、まあ~最後まで読んでください。

私もこのシーズンになると美味しいアオリイカを求めて大海原へ出撃します。


餌木


私の好きなスタイルはショアからのエギング、シチュエーション的には潮の流れのやや速いエリアで餌木を流れに乗せてアオリイカを狙うドリフト釣法が好きです。

エギングを始めて9年程経ちますが、バス釣りと同じく未だに飽きることなく毎年釣行しているのは、食べて美味しいのはもちろんの事ですが、エギングにはバス釣りと根本的に違う部分に魅了されている自分がいるからでしょう。

それは、今現在アオリイカをルアーで狙うには、餌木を使って釣る方法しか存在しないということです。

車やバイクレースに例えるなら厳しいレギュレーションみたいなものでしょうか、エンジンは何馬力以下ではないとダメだとか、各部品の車両規定を統一しなければならないなど、規制を設ける事によって皆で知恵を振り絞り、0.001秒でも速く走るにはどうしたら良いかと規制の範囲内で車体を改造していく。

エギングに厳しい規制がある訳ではないのですが、アオリイカをルアーで釣るには餌木しか存在しないというちょっとした制約みたいなものがある為に、釣行意欲が駆り立てられるのです。

制約があるからこそ餌木を改造したりして、千変万化する海の状況に対応させていくのです。

エギングに限った事ではないですが、特に海ではその日の潮の状況を注意深く観察する必要があります。

そして風向き、地形、水深を読み、ベイトの有無、水色の観察など五感をフルに研ぎ澄ます。

状況変化の激しい海で、その時に最も相応しい餌木をセレクトしていかなければなりません。

餌木のサイズ、カラーに重さ、今アオリイカの求めているアクションをリールとロッドとラインの捌きで餌木に生命を宿らせる。

この餌木のみでアオリイカを狙うという、バス釣りとは対照的な部分に魅力を感じているからこそ、今日まで続いている理由なのかもしれません。

イカを釣る為の餌木が日本で発祥して300年近く経っているにもかかわらず、未だに餌木に代わる物が存在しません。

もう進化することのない完成された釣法なのでしょうか......

アワビを貼った餌木

さて、餌木の簡単な改造でアワビなどの貝シートを餌木に貼る方法があります。

餌木に貝シートを貼ると貼られていない部分との明暗差が生まれ、餌木のアクションと相まってより視覚的変化が起こり、アオリイカにアピールするのでしょう。

好奇心旺盛なアオリイカは大変目が良く、その発達した目で獲物を見定め、胴長の1.5倍ほど伸縮する触腕を器用に使い小魚やエビを捕らえます。

アオリイカの目は色の識別はできないらしいので、白と黒の明暗で物が見えている感じでしょうか。

アワビなどの貝の輝きを利用した漁具は古くから利用されており、魚種を問わず集魚効果があるようです。

この漁具に使われている貝は色々種類があるのですが、共通して言える事、それは水または海水に浸して時間が経過したものが一番妖艶な輝きを発すると言うことです。

早速実験してみました。


夜光貝  乾燥時

10分水に浸した物

ニュージーランドアワビ  乾燥時   

10分水に浸した物


ご覧頂けたでしょうか、乾燥時の物は全体的に白っぽいのに対し、水に浸した物は模様が明確に現れ、全体的に発色が良くなっています。

水に浸した貝の発色と同じ効果を得る方法に、透明のマニキュアや貝シート専用のコーティング剤を塗る方法もあります。

イマカツルアーの中で、貝シートを使用したインナープレートや内貼りタイプは、特殊なラミネートフィルムを貝シート表面に施し、水に浸した貝の発色をそのまま再現しています。

特殊ラミネートを施したシェルシート

この天然素材の魅惑的に発色したルアーを、カラーローテーションの一つに組み込んではいかがでしょうか。




それではみなさん良い釣りを

 

 

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