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クランクベイトあれこれの巻。

マッドペッパーマグナム。
絶対外せない私の定番クランク。

マッドペッパーと並び外せないBスイッチャー。
双方ともトーナメントで勝てるクランク。

最近、HPでは書いてないが、ルアーニュースのほうではやたらクランクの記事を書いてる。この記事を読む前にルアーニュースを呼んでもらっていたほうが解りやすいと思うが、基本的に同じ内容の記事は書きたくないのでご了承を。
クランクベイトは数あるルアーの中でも、これほどまでにサイズからカラー、そしてリップの種類にボディー形状、そしてアクションまでもが多岐に亘るルアーはない。そしていいと呼ばれる動きやタイプがクランクほど大きく割れてしまうルアーも珍しい。それだけ歴史が古く、広大なアメリカでも生まれた土地土地によってきわめて強いローカル性を持つのが
クランクベイトだ。
今ではそのほとんどのタイプといって良いほどの数多くのクランクが日本に輸入されているが、困ったことにいったいどういった状況で、どんなフィールドから生まれてきたのかの説明が乏しく、本当に1つずつ買って試して見ないと解からないっていうのが現状である。正直言って買っても買ってもきりがないほど、多種多様なクランクが存在する。

ここ最近はほとんどこういったローカル性の高いクランクや、アメリカで話題になったクランクなんかを集めて試すのが趣味のようになってしまったが、こと、現実の釣りにおいてそういったクランクが丸一日活躍できる場面は少ない。クランクで釣る事は出来るが、それ以上に他のルアーで釣ることのほうが容易いので、絶対クランクでなければならない場面って言うのが余りない。特に琵琶湖に行かなくなってからその傾向が強い。琵琶湖ではディープダイバーは絶対に主戦力のひとつで、琵琶湖の過去の試合でもマッドペッパーマグナムは私の最多勝利貢献ルアーである。

このクランクベイトに関しては、いろんなプロ連中と話をしても本当に意見が分かれる。しかもクランクに関してはことのほか「好み」や「アメリカンな雰囲気」そしてそのときの「流行」が大きく影響し、現実的になにが日本のフィールドで優れたクランクなのか判別する基準が難しい。
恐ろしくぶっちゃけた話、ものすごく偏った個人的好みでは私は「マッドペッパーマグナム」、「B−スイッチャー」以外は
ほとんど特定の湖でしかタックルボックスに入らない。というか試合でこれ以外のクランクが貢献したのは03年の桧原湖優勝の「ソニーB」くらいになる。ピンスポット的な釣り方では「クレイジークレイドル」もボックスに忍ばせるが、これは私の中ではスピナーベイトの代わりに使うトリック的なクランクになっている。
フラットシャッド社ソニーB、
桧原湖のスタンプエリアで勝利へのキッカーを掴んだ。
正直言って、これでは余りにつまんないので、クランクを買い漁ってはいろいろ試しているがまだ結論めいた確信へとはたどり着かないでいる。いいクランクたる要素はかなり理解してきたが、まだマッドペッパーのように絶対にこれははずせない領域には踏み込めていない。一番自分が今必要としているのは、1年中、どこの湖でも状況に関わらず普通に気持ちよく使えて、ボックスから常に外せない純和風(日本食的なって意味)クランクベイトなのである。今のところこの条件に当てはまるルアーは意外と少ない。もっと詳しくはルアーニュースのイーターの記事を読んでください。結論は出てません。

だからこの記事に関してはあくまで途中経過であって、今後気が変わっていくか自分でもわからないのでご了承を。
とりあえず現時点で私が熱心に投げて何かを得たいと思っているクランク数点を紹介しておこう。

一軍登録ほぼ確定か?デビットフィリッツのDT−16
まず、現時点でかなりの長期間一軍入りを果たしており、このまま行ってしまいそうな気配濃厚なのがラパラのDTシリーズ。とくに「DT−4DT−16」は相当気に入っている。動きはアメクラに比べはっきり言ってショボイ。でも使っていて結局これは残っている。理由は皆も一度使ってみて考えて頂戴。

次に純和風というわけではないが、日本製ではモードクランク「ワイルドハンチ」がかなり一軍登録されて長い。
既に一軍登録済み。シャロークランクではなく
ディープクランクを出したところがさすが。
日本のどのフィールドでも普通に使えてしまうところが
ハンチのよさだ。
割と普通なのだが、その普通さが実に日本のフィールドに広くマッチしている。ルアーニュースで書いた「サイズ」「ディープダイバー」「2.5m」がキモというキーワードを見事に満たしているのも、モリゾーが日本各地で引きまくった上での結論なんだろう。もう少し逆風で飛んで欲しいが、一番実戦向きクランクだ。

もう一つは吉田ヒデオがうるさいくらいに力説してやまない「ラトリンファットラップ」。こいつはもう廃盤で入手に四苦八苦した。ヒデオはこのプラモデルが絶対のようで、ファットラップにはバルサ製、ラトル入り、グラスフィニッシュモデルと
結構多岐に亘る。しかもこれが全て動きが微妙に違う。
ヒデオ溺愛のラトリンファットラップ。
廃盤で入手困難。
バルサ製とは動きが違う。
私は昔、バルサ派だったのだが・・・・。
決してワイド系ではなく、むしろ控えめなウォブルだが、ラトリンファットラップだけはバルサ製に比べやや動きがもたつくように大きい。ヒデオはこれが「カスオダ」一つまでリップで判別できるところが良いという。
私もファットラップ、シャッドラップは学生時代から散々お世話になったので、もう一度この真髄を調査中である。
グラスファットラップ:アメリカで大ヒットしたという
スケルトンの最新ファットラップ。
動きはラトリンラップと同じだが、ラトル音が違うのと、
リップ裏に「アイルランド」の刻印がなくなった。
なんでアイルランドなのかも不思議?
ちなみに最近、プラ製シャッドラップは某神戸方面のショップで280円でワゴンになっていた。これは絶対に買いです!!並みのシャッドよりはるかにいいルアーだ。

そしてここ最近、超注目しているのがこのクランク。クランクというよりはこいつはちょっと違う気がするのだが、昨年、
大森君がバスマスタークラシックで勝ったときに使ったことで有名になったバグリーのBB2の復刻オリジナル「OBB2」
これがOBB2。
これは一軍当確!久々に唸りました。
これには唸らされた。
カバークランクとしても優秀な超浮力を持ったスクエアリップタイプなのだが、こいつはカバークランクよりもむしろ、トップクランクとして日本で大活躍できる可能性を秘めた数少ないアメリカンクランクだと思う。おっソロしいほど回転の速いローリング系ウォブリングで、不細工なまでに太いボディーとデカいケツで、潜りたくても潜れないって感じのとても魅力的な動きをする。トップ〜サブサーフェイスで使うのなら、日本のあらゆるレイクで威力を発揮できるはずだ。これは完全に一軍入り当確!!
不思議なことにバグリーやラパラは時代によって同じ品番ながら動きが劇的に変わる。OKB1とKB1など全く違う動きだし、OBB2とBB2も全然違う。この動きの変化の背景が知りたいところです。
OKB1とクレイジークレイドル。
一度ヘビーカバーで使ってみて欲しいヘビーカバークランク。その回避力は驚くほど高い。
立ち木やレイダウンにピッチングで入れて使います
(黒帯外伝参考)。
こうやっていろいろ調べていると、03〜04年前半は間違いなくアメリカの影響でフラットサイド&基盤リップブームが
起き、日本でもありとあらゆるフラットサイドが出てきた。しかし今は、あの流行は何だったの?ってくらいフラットサイドブームは沈静化。代わって出てきたのが「S字」ブーム。これは純国産だけどね。そしてフラットサイドブームほどではないが、次なる気配を静かに見せるアメクラはどうもOBB2に発端をなすファット&スタウトなクランクのようだ。
昨年後半から既に入荷が始まっているリッククランの5000円プラグ、「グランドファーザー」もこのジャンルのプラグだ。
リッククランモデル・サンダーシャッドグランドファーザー。
5000円以上の破格値クランク。
スクエアリップとラウンドがあるが、
私個人的には絶対ラウンドがお勧め。
そして遂に先日、これまたOBB2の流れを汲むと見られる、フラットシャッド社(名前までフラットなのに何故ファット???)から基盤リップ搭載の「JP−1」が登場した。
フラットシャッド社のファットなプラグ。JP−1。
基盤リップ&超浮力でOBB2に迫るか?
どんなプラグかはまだこれからだが、超浮力、高回転型リップ搭載から見ても明らかにトップレンジを意識した造りになっている。やっぱり日本もアメリカも「流行」ってのはあるんですなあ・・・。果たしてこれらのプラグが本当に日本で効果的かどうかは、これからです。何せOBB2以外は3000円〜6000円とバカ高いから、買うのに勇気が要ります。

このデカファット・アメリカンクランクの原点となった1つが「ヘドン・ビッグヘッド」。昔はどこでも売っていたのだが、最近では入手困難を極めるレアモノプラグ。動きは今でも現役です。今見るとかなりオシャレ?なクランクです。
ヘドン・ビッグヘッド。
こんな昔から元祖ビッグファットクランクは存在した。
ヘドンは本当に凄いメーカーです。

日本製でのトップクランクはリップが立っていて全く潜らないタイプが多いが、今回のトップクランクは潜らないではなく、潜りにくいクランクといったほうが正しい。潜れないほどの高い浮力を潜らせたときの水押しの強さこそが、何らかの特定条件下でとんでもない威力を発揮するのだろう。一番大切なのはこういったクランクが生まれてきた発祥の地を知ることである。それはまた後日・・・。

最後に日本製でもこれらのクランクに似た特性の物を発見した。最近、アイバーソンからもらった謎のクランク「風鈴」。ディープクランクかと思いきや、これまた意外や意外のトップクランク。まさに潜りたいけど潜れない〜である。まるでバドみたいな動き。しかもロック系根掛りに圧倒的に強い。参考までに。
純日本製トップクランク「風鈴」、
一見ディープダイバー、されど狙いは
トップ〜サブサーフェイス。

さて今回はクランクについて書いたが、私は特にクランクマニアな訳でもないのであしからず。あくまで自分で試した所見です。しかし、クランクの歴史はアメリカに有り、その歴史に裏付けられたキモを理解して初めて日本独特の個性が生まれてくると思う。

やっぱり最終的な目的は日本のトーナメントでもガンガン使えて勝てるクランク。トーナメントという最も厳しい環境でも
信頼して投げ続けられる、常時一軍登録可能なクランクを探してみたい。道のりは遠そう…。

 

 

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