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GUNSLINGER誕生秘話の巻
ショー明け間もない今週はさすがに全く釣りにはいけていない。ということで、今回は昨年12月、ルアーニュースクラブに掲載した記事の中から少し改訂して第3代電撃襲名・ガンスリンジャーの誕生のキッカケを公開しよう。
(2005年12月、ルアーニュースクラブ掲載分より改訂)

ガンスリンジャーはリアクションのロッド。
低活性下での攻めの切り札といえるロッドだ。

・・・ということで、先週の某ロドリに続いて今週はルアーマガジン巻頭取材だったのだが、場所は発売まで暫く内緒。でも誰もが知ってるメジャー中のメジャー(早明浦ダム)である。内容は今月末の発売を待って欲しい。この取材は同時にDVD撮影も行っており、その模様は3月には新たな企画で全て公開できると思う。とにかく、今回の取材で見て欲しいのはなんと言っても、ルアニューでは既に紹介している05テムジンの正式発表なのだが、その中でも初代ガニングシャフトから、正式に3代目の電撃を襲名することになるテムジン最高傑作「GUNSLINGER(ガンスリンジャー)」である。実はこのロッドの誕生のキッカケは正に運命的な再会があった。

ルアマガ表紙になったガンスリ豚モグラの早明浦バス。
この2日間の模様は3月末にはDVD新企画にて盛りだくさんで公開。
2004年、秋の気配が濃くなった10月、7年ぶりにラリーニクソンと再会しともに菅野ダムで釣りをする機会に恵まれた。そこでラリーが魅せてくれたテクニックは正直言って「一昔前の」、今や「クラシック」とも呼べる一見、普通に見えるラバージグの釣りだった。ティンバーがらみの中層でジグをしゃくっては落とし、そのメリハリでリアクションバイトを取って瞬間的にフッキングする。ジグの泳ぐ層と食わす場所、タイミングを理解しなければ、普通のキャスティングジグフィッシングだ。

しかし、ラリーがこともなげに行っていたそれは正に私が昔、「電撃アワセ」としてトーナメントシーンを一斉風靡した懐かしの?ロッドワーク、そして一切の間を取らずに掛ける「のけぞり神速フッキング」そのものだったのである。アワセた瞬間のラリーのタコ踊り?が実に懐かしく新鮮に見えてしまった。詳しくはルアマガDVDやポパイビデオでラリーの釣りを再確認して欲しいが、今は見るのも恥ずかしい??幻の「今江克隆・ザ・シークレット」の初代電撃フッキングそのものである。

このルアマガDVDはマジで必見です!
このラリーの釣り自体は正直言ってさほど新しい発見や驚くべきものではなかったが、私は敢えてその1/2ozのラバージグにビッグトレーラーをつけて中層をホッピングし電撃で合わすラリーの釣りを「フラッピンジグ」とネーミングしたため、フラッピンと言う言葉、そしてチャンクの流行のきっかけとなった。
しかし、本当に私がラリーから衝撃を受けたのは、あのマジで初日は全くと言っていいほど釣れなかったターン全盛の晩秋の菅野ダムでラリーが、ライトリグではなく起死回生の電撃ジグで取材を成功させた事実だった。

3度目の来日となったラリー、
来日のたび、日本のバスシーンに必ず衝撃を与えてくれた。
ルアマガDVDを見れば解るが、初日ラリーは余りの釣れなさに予想外にもスピニング中心の釣りにハマってしまった。2日目も昼過ぎまで30cmを越えるバスはほとんど釣れず、関係者全員が顔に縦線入りマクリだった。おそらくラリー自体にもぶっつけで来た湖が強烈な冷え込み、ターン全開でヒントも掴めず迷いに迷っていたように思う。私が腰の手術を決意したほどの激痛に襲われた記録的冷え込みの朝だった。

実際、ラリーが日本に来てスピニングでチビバスでは絵にもならない。最後の最後、撮影時間ガラスと2時間を切ったとき、私は意を決して「ラリー、もしアメリカだったらこの最悪の状況でラリーさんが一番コンフィデンスを持つ釣りって何ですか?それを日本の皆に見せてください。」と言ってみた。さすがにラリーが一方ならぬバスプロだと思い知らされたのがこの後だった。状況の厳しさからかなり強張った表情だったラリーがニヤッとしながら、ごそごそと執拗に私のボックスを探り選んだのはプロトのモグラ20gとプラスティックチャンク。そして立ち木周辺の4〜8mの中層〜ボトムを軽くしゃくり上げては落とす「フラッピング・ジグ」がラリーのファイナル・コンフィデンスだったのだ。

始まりはこれから。
ラリーが選んだTG20&プラスティックチャンク。
「水を蹴る」の意でラリーは「フラッピン」という言葉
を口にしていた。
そしてそのジグを使って見せたラリーのフッキングこそ紛れもなく、私の伝家の宝刀、懐かしの「電撃フックセッター」そのものだったのだ。この時、ラリーは釣ったバス以上にフッキング直後のバラシを多発させていた。それは今回、湖の状況を事前に全く知らされなかったため、ラリーが持ち込んだロッドがこの電撃アワセにはマッチしていなかったのかもしれない。

瞬間的に「食い気」ではなく本能の「条件反射」で不本意ながらジグを口にしたサスペンドバスは、一瞬で我に返ってジグを離してしまう。賢い上に低活性で食欲をなくしたサスペンドバスにはティップがソフトでフッキングパワーを吸収してしまう僅かなスラックのマージンが仇になってしまったのだ。もしラリーが始めからこの事態を知っていて適応できるロッドを持ってきていたら、ラリーが手にしたバスはDVDの倍近くにはなったはずだ。それだけこの「電撃フックセット」は独自のロッドアクションが明暗を大きく左右する。
ラリーとの再会は私自身、最近はトンと使わなくなった電撃との再会でもあったのだ。全身で電撃を連発するラリーの姿が、50オーバーのオヤジとは思えないほどカッコよく見えたのである

ラリー快心の笑顔。
最後にパターンをつかんだ。
そして同時にこの再会は新電撃フックセッター「ガンスリンジャー」に着手する大きなきっかけともなった。知っての通りこの時まで私は秋のターンオーバーが最も苦手だった。幾度も苦渋を呑んだ試合は殆んどがこの時期なのだ。
奇しくもこのDVDでラリーが語った晩秋リザーバーの攻略に関する「神の言葉」に対し、私はラリーにこう返事している。
「もう、これからは一番苦手だったこの時期のリザーバーで、三瀬谷ダム戦のような失敗をすることはなくなったと思う。」
そしてその言葉通り、同じ状況、同じ時期に開催されたエリート5でガンスリンジャーとモグラジグ&チャンクは私の勝利に大きく貢献することになる。

電撃アワセは私の歴史ともいえる対ビッグフィッシュ技だ。
20数年前、私がバス釣りに憧れ、この釣りを始めるきっかけとなった一枚の写真、それは銀色に輝くスキーターに乗り、片手を挙げて微笑んでいる若き日のラリーニクソンだった。ラリーとの何か特別な縁を感じないではいられない出来事だった。

ガンスリと共に劇的に復活した電撃豚モグラ。
これぞフラッピンジグの究極。
エリートの制覇によって、「ガンスリンジャー610(殺し屋)」は最高の形で最終テストをクリアし完成した。初代ガニングシャフト正式継承者として、ガンスリンジャーのグリップには再び初代電撃フックセッターの証、「フォアハンドダブル」を採用し、全てのガイドも強烈無比な瞬間的斬撃に耐えるべく超軽量オールWフットチタンガイドに強化した。素材面でも初代ボロンに匹敵する強靭さと剛性、そして同時に軽さとキレを実現させている。特にこだわったコルクの固定式フォアハンドWグリップの長さと形状は、06年F・ショーセミナーでその秘密を明かしたように、「電撃アワセ」において極めて大きな意味を持つ。この事実は正に目から鱗だった。

この昔からある固定式Wハンドフォアのカタチには
知られざる大きな大きな秘密が存在する。
私的には「パウンド」を得意とする「グラップラー」のキングがスタリオンなら、その対極に位置する究極の「ストライカー」、それが元祖・打撃(リアクション)の真髄・「ガンスリンジャー」なのだ。
かなり古くなるが、このルアマガDVDラリーニクソン・イン・菅野ダムは一見の価値あるビデオだと思う。特に秋のリザーバーが苦手な人は必見と言っておこう。満月の話やペーハーショックなど、目から鱗のラリートークが聞けるはずだ。(ちなみに字幕スーパーです。)


ガンスリ豚モグラに来るバスは高確率でデカイ。
琵琶湖の3キロアップも数秒で瞬殺できるパワー。

もうすぐピュアからショップに配られるDVDカタログでも電撃怒涛の炸裂!
真冬のリアクションジグの威力は凄い。

 

 

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