スーパーキラービルを使いこなす。ムービー芦田川編の巻
いよいよ間もなくスーパーキラービルが市場に並ぶので、今回は実釣編です。今回のムービーで見て欲しいのは、如何に障害物だらけの難所で必殺のロングビルを根掛りさせずにきっちりと通してくるかという点。
芦田川水呑橋周辺の水深は平均で1〜1.5mと極めて浅く、しかも複雑なリップラップ(ゴロタ石)が沖にいっぱい入っている。普通に鉄板やクランクを引いても潜りすぎると一発で岩に喰われる。せいぜい引けてもバイブレーション速巻きか深度の浅いシャロークランクになる。しかし、ハイシーズンならこれでいいのだが水温が低い冬季〜早春では、とてもバスは活性的にスピードの速いものや浮き上がってしまうものには付いていけない。 特に単調で早いものほど釣るのが難しくなる。ポイントは喰い気以上にリアクションを誘発できるものが絶対に強い。そして口もあんまり開いてくれないので、しっかり止めれて、触れたら掛かるトリプルフックが複数ついたプラグのほうが断然有利になるのだ。ワームだと当たりだけのすっぽ抜けがやたら多くなるのがこの時期の特徴である。すなわち、プラグをワームのようにスローに使え、ワーム並みの自然な動きにリアクションの要素を持つサスペンドプラグ系は非常に理にかなった選択なのである。
ところがスーパーキラービルは簡単なロッド操作で、ルアーを意図的に浮かして回避することが可能な特殊能力を持っているのである。 その特殊能力とは、ボディーがジョイントとエラストマーテールのおかげで大きくしなることによって、簡単に一発目のトゥイッチからルアーが横滑り(ダート)することにある。 普通のロングビルは姿勢が45度浮きが多く、リップも大きいがゆえに軽い力で大きく一発目のトゥイッチからダートを決めるのは極めて難しい。2〜3回目のトゥイッチでまず姿勢を崩して、4回目以降にダートする感じがほとんど。すなわち、姿勢の「崩し」をロッドで決めてやらなければロングビルのダートは難しいのだ。これがロングビルダートが難しいといわれる最大の理由だ。これを解決し、簡単にダートを決めれるように工夫したのがスースレの背子玉や、尻下がりの姿勢でサスペンドするタイプだ。しかし、尻下がりの姿勢はダートは切れるものの、その姿勢から障害物を越えた直後、テールフックが引っ掛かりやすい泣き所がある。スースレにしてもさすがに一発目から横飛びダートは難しい。
同時に、トゥイッチを軽く続けている限り、スーパーキラビルはそれ以上潜らず、連続ダートによって浮上させることが出来るのだ。この性質を利用したのがスーパーキラービルのスーパーテクニックなのである。
ポイントは何かにルアーが当たる感触が伝わったらすぐルアーをそこで止めること。それ以上無理に巻いたらリップスタック、すなわち岩に食い込んでしまうからだ。ゴリッときたらまず止めて、軽い連続トゥイッチ3〜4発でルアーを浮かせ岩を回避。岩を抜けてなんにも当たらない感触になったらまたポーズ。今度はもう一度、ロッドワークかリーリングでまたゴリッとリップが当たるまで慎重にルアーを潜らせる。これを慎重に神経を集中して沈みリップラップをベタベタに舐めるように繰り返すのだ。 普通のロングビルだと一回目のトゥイッチで更に突っ込んで岩にスタックしてしまいがちなのだが、スーパーキラービルは一回目から即、回避行動に出ることが出来る。しかもテールフックが真っ直ぐなので回避直後の引っ掛かりも少ない。これがスーパーキラービルにしか出来ない必殺の「リップラップ殺し」なのである。
但し、せっかく完璧に沖の岩を回避したのに、ほっとしてルアーを回収に入った時、すぐ足元で根がかってしまって泣きそうになることがあるので要注意。また、いい加減に気を抜いて雑にやるとどんなルアーでも結果は同じ。ここが釣果の分かれ目であることも間違いない。マスターしている人とマスターしていない人とで大きな差が出る、それがこういった部分なのだ。
スーパーキラービル[ 芦田川編 ] |
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