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春アラチャ、「跳ねエビ」釣法解説
今週は急遽決定したコラボ企画でてんやわんやの大忙しに…
久しぶりに色塗り職人と化しました…。



いよいよシーズン開幕秒読み状態となった今日この頃、先週のフィッシングショーでの反響もあってか早くもちらほらとアライブチャターでの釣果を耳にし始めるようになった。そこで、今回は2月頭の管理釣り場テストで明らかになったアライブチャターの春テクについて少し紹介しよう。


ドリームレイクでも滅多に釣れない50cmクラスを釣ったのも「跳ねエビ釣法」。
この釣り方はヤバいかも。


今年すでに2回目となった金沢のドリームランドテスト釣行の目的は、現在すでに出荷されているアライブチャターの派生モデルのテストだったのだが、正直なところあまり自信はなかった。というのも春、特に2〜5月のチャターベイト系は3月のプリの僅かな一時期を除いてはイマイチ、効果的なシーズンではない印象があるからだ。


春に強い「ややこしいボトム用チャター」が弱千鳥、スローローリングモデルのウィングドラゴン。
この春のイチオシコンボは武士道4インチ。小南式「鉤爪」ブレードチューンが最強。


派手な動きで波動が強く、巻く速度も結構速いチャター系は、まだスローモードの早春のバスや、スポーンを意識した神経質なテリトリアンなバス達にも敬遠されることも多い。
何より、この時期特有の体当たりバイトでのシングルフックルアーはフッキング確率が悪い。本来ならこの時期はシャロークランクやフラットサイド等がアメリカでは主流の時期なのだが、クランクのリップが機能するウッド系カバーが少ない上に同じエリアに何人もの釣り人が入れ替わり立ち代わり入ってくる日本では、これらのクランクが本気で活躍できるスポットがあまりにも少ない。


小南「鉤爪」チューン。ウィドラ&武士道4にこのチューンを施すと…
ボトムクロール最強チャターになります。


むしろ近年の日本では固体減少により回遊性の強まったバスを、プレッシャーの低いのんべんだらりとした薄いウィードのフラットやブレイクショルダーから、呼び寄せる力があって尚、フィネスに食わせる力、掛かる確率の高いルアーが必要となっている。ゆえに日本の早春には、SPミノーやSPシャッドがド定番であり、その上級者応用技としてジグヘッドのローリング系スイミングワームが鉄板メソッドとして定着している。
しかし、これらの釣り方ももはや今はあまりにも使われすぎた感があるため、これ以外になんかないものかね?と昔からこの時期攻略の「新手駒」には悩んでいた。しかし、今回の管理釣り場テストで大きなヒントを見つけたかもしれない。


ブレードプラグの威力は未知数だ。先に新しい釣り方見つけた者勝ち。


そのヒントが実はショー&WEBで公開した動画の中にある。まあ、予想はしていたがアライブチャターは低水温でも非常に有効なルアーのひとつであることは間違いなさそうだ。極めてゆっくり浅い場所を引ける上に、集魚パワーは抜群だが同時にトリガー効果、カモフラ効果も高い。何よりチャターのフッキングの問題はまったく無用だった。テストでは当然アライブ以外のルアーも試したが、さすがにドノーシャッドはアライブに匹敵するほどつれたが、サイズでは圧倒的にアライブに軍配が上がった。


今回のテストでアラミニは激飛びのファーストシンキングタイプが最強だった。
マジ飛びすぎ…その理由はまた後日。


ただ、こう書いてしまうとアライブをただ巻くだけで圧倒的な釣果が出たように思うかもしれないが、アライブがなぜ最強だったかという理由は、「釣り続けられたこと」にあった。
いろいろなルアーを試してみたが、面白いことに状況(気温15度の小雨)がよかったこともあり、新規ルアー投入直後はSPシャッド(ドノーSP)でもSPミノー(ダルドやポンパー)でも春の定番的釣り方をすればバタバタとアライブに引けをとらないくらい釣れる。しかし、そのファーストコンタクトが終わってしまうと、本当に嘘のようにバイトは止まってしまうのだ。もうどんなに頑張っても30cm程度の小バスがたまに釣れる程度。


ワンパターンの攻め方ではすぐにバイトが終わるのは管理釣り場も同じだ。
釣り方の工夫にドリームレイクは最高の練習場になった。


ところがアライブとの他のプラグの差がついたのは、ファーストコンタクトが終わってからの釣れ方だった。まずビッグアライブでドリームレイク最大サイズをひとしきり釣った後、今度はアライブミニ70を投入。ゆっくりとしたただ巻きで再び入れ食いが始まるが、それもじきに終了。
しかし、アライブの威力を実感したのはここからだった。まずは只巻きから軽いトウィッチを入れることでまたバイトが始まる。しかし数匹でそれが終わった後、今度はリフト&フォールでポンパーのようにポンパってみるとまた数尾釣れる。次にクイックチェンジャー3.5gを装着しレンジを変えてボトムすれすれをズル引くように巻くと更にまた釣れだす。


アライブ90はDSS(デッドスローシンキング)に5gのクイックチェンジャーがお勧め。
DSSだとボディーが着底時、少し立ち気味になってエビっぽさが増す。


ここまで30尾ほど釣ったところで、さすがにもうバイトはなくなってしまったが、最後に今度はアライブミニをボトムにつけて少しリアクションの要素を加えてみた。
アライブをボトムにステイさせた後、クイックにリールを2〜3回転巻いては止めてカーブフォールさせる方法を試してみた。
アライブは駆動部が薄い金属ブレードのため、他のいかなるプラグより立ち上がりの速さはダントツだ。そこでメタルバイブのショートリフトのようにリールハンドル数回転でブルブルっと3反復?ほど振動させて超ショートリフトし、フワッとカーブフォール&着底させてみたところこれがダイナマイト大当たり。まさに「跳ねエビ釣法」である。


アラチャ90SSには、このエビちゃんチューンが効果的。
0・8mmワイヤーにワームストッパーを瞬間止めして少し曲げるだけ。


ファーストコンタクトを上回るほどの怒涛の入れ食いが再び始まってしまった。ほとんどのバイトがショートフォール後、着底数秒後にワームさながら「コンッ」とくるワームバイトが続いた。まるでメタルバイブとスモラバのカーブフォールを合わせたような釣り方だったが、足元のボトムでその動きを確認して納得がいった。まさにその動きとシルエットはミノーではなく、びっくりして跳ね上がりフワッと落ちるエビそのものに見えたからだ。
鋭く早いバイブレーションの立ち上がりに相反するラバーフックゆえの自然なフォールに管理釣り場のバスはまともにリアクションバイトしてきたのだ。


こんな感じに脚?生やします。その心は?


確かに昨年夏、動かさず水面に浮かせているだけでラバーフックを吸い込んでいくバスが何本もいた。アライブチャターを使いこなす肝はプラスティックの固体ではなく、軟体のラバージグの延長にあるプラグとして思考を柔軟にさまざまなつり方を試してみると面白いだろう。


その心は、ルアーが倒れずステイでエビそっくり。
SSモデルは1〜1.5m以内のシャローで使いやすい簡単チューンです。


管理釣り場とはいえ、真冬から早春にかけてのバスの本能を剥き出しにさせる力は本物だと確信するには十分なテストでした。
そしてつい先日、既に某誌取材でこのアライブ「跳ねエビ」パターン、予想通りの結果が出ていることも合わせて報告しておきます。


 

 

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