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K.imae Today's Tips 458 『GRAND COBRA 611XMH T1100G-C33』

グランドコブラ開発回顧録3回目。

昨年のショーで展示してたモデルも実は相当いい感じ思ってた。

細身で肉厚ローテーパーのレギュラースロー。

アンドロイドにアベンタ、スイムベイト、1/2ozフットボールや
ヘビーカバーのジグ&テキサス、無理すりゃ3/8ozチャターにクランク、ソルソニまで。

まあ、ショー出した時点で普通はGOです。

ところがショー明けの15年春、大渡ダムでの取材で状況は一変した…。

そう、バスロイドとギルロイドの誕生がネックになった。




















2015年はビッグベイトがさらに巨大化した年だった。

約40gのアベンタ、約60gのアンドロイドに対し、
15年生まれのバスロイドは90gオーバー、
ギルロイドでも80gを軽く超える。

そのことに不安を感じ、大渡ダムのロケで、バスロイドを
一日、力任せにフルキャストし続けるテストをしてみた。

不安は的中、2日目、グランドコブラはキャストのインパクトの瞬間、
破裂するかのように3分割に折れてしまった…。

あくまで「折ること」を意識した力任せのオーバーヘッドだったが、
80g越えのビッグベイトが野池でも当たり前に使うようになった2015年、
ここで15年版グランドコブラの開発を白紙に戻し、
一からやり直したのは正解だったと今は思う。

だが、更なる重量級、80gオーバーへの対応はグランドコブラの軽快さと
汎用性を失わせ、一時は完全にコンセプト自体が頓挫への道を歩むことになる。


















それから半年は本当にコンセプト断念の寸前まで頓挫してしまった。

さらにトン数落とした中弾性の肉厚ローテーパーにすれば酷い先重りで
持った瞬間がっかりする竿に、肉薄ハイテーパーに転換すれば軽く感じるが
ロデオRR611XHと同じようなビグベ竿に…。

しかし、15年秋口、時代の進歩とさまざまな試行錯誤が遂に
その解決の突破口を開いてくれた。

半年の挫折後、初めてそれを使ったのが秋のロドリグラビア陸取材。

大遠投したスイムベイトで、2度とも掛け損ねたかと思ったバイトが、
2度とも完璧に掛かっていた。

あとでフッキングの瞬間の写真を見せてもらった時、
ロッド全体の力が無駄なく美しく伝わっている理想のベントカーブに心躍った。

自分の予想以上にトルクが発揮されていた。
ロッドが仕事をしてくれていたのだ。

















このロドリオカッパリ取材の2尾は、15年の釣りの中でも
極めて嬉しい記憶に残る2尾になった。

ロッドの突破口が見えたこと、スイムテストのつもりでヒシモパッチの
中に投げたスイムベイトの予想以上の威力にびっくりしたこと。

どこよりもいち早く試した「T1100G-C33」がこの
コンセプトを突破する最大の鍵だとわかった瞬間だった。


つづく~

 

 

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