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カウントダウン
こんにちは、ルアーデザイナーの長井です。


マグナムギルソニックDSF 1.3オンス(上)
マグナムギルソニックS 1.6オンス(下)

                       
早いもので2017年は残すところあと数日となり、今年、最後のNEWアイテムとして、マグナムギルソニックシンキングとデッドスローフローティング仕様のマグナムギルソニックDSFが出荷されました。

先行発売されたフローティング仕様であるマグナムギルソニックの開発と平行で、フローティングマグナムギルソニックより深いレンジを攻められる、ダイビングマグナムギルソニックの開発も進めていました。

開発当初、フローティング仕様のマグナムギルソニックを3メートル以上潜行できないかと試行錯誤していたのですが、比較的安易に潜行させられるダイビングクランクベイトと違い、潜行板であるリップも無ければ、潜行に大切なボディ厚も無い扁平なリップレスクランクベイトのボディでは、十分な潜行深度は得られませんでした。

フローティングのリップレスクランクベイトを3メートル以上潜行させるには、現在のボディサイズ105ミリから大幅に大きくする必要があり、今以上大きくする事はウェイトもかさみ、タックルなどの制約が発生するために現実的で無いと判断しました。


ボディを110ミリにサイズアップ(下)しても
3メーターには届かず・・・


そこで、リップレスクランクベイトと言えばシンキングは必要不可欠であり、圧倒的な飛距離で広範囲に、そして一定のレンジをスピーディーにサーチ出来るシンキングを開発する事にしたのです。

105ミリというサイズをシンキングにした場合に発生するマイナス要因として、いくつか予想していた一つに、ウェイト増量によるアクションのキレの無さ、キビキビとしたアクションの低下がありました。

試作してみると予想通り、フローティング仕様のギルソニックのようなキビキビとしたアクションが全くなく、リーリングし始めてからのアクションレスポンスが非常に悪いと同時に、手元に伝わるバイブレーションが弱いものでした。

原因はメインウェイトが重くなったことにより、ロールアクションのピッチ幅が抑えられ、また背ビレに受ける左右からの水の抵抗で、追い討ちをかけるようにロールアクションのピッチ幅が弱くなったことによるバイブレーション低下でした。

水流抵抗になっていた背ビレを排除する事でハイピッチローリングアクションが発生し、メインウェイトを新たに最適化したことにより、スローリトリーブで水深4メートルレンジをトレースしても、トルクのある明確なバイブレーションが手元に伝わるマグナムギルソニックシンキングが誕生したのです。


デザイン上、少しでも背ビレを残そうとギリギリまで小さくしたタイプも作りましたが、シンキングに関しては、背ビレは無い方がアクションレスポンスが非常に良かったのです。


また、特に拘ったところがフォール時の安定した姿勢とボトム着底時にルアーがボトムで立つこと、リップレスクランクベイトで多用されるリフト&フォールに対応したもので、フォール時の一切乱れない安定した水中姿勢は必見です。


スイムアクション、フォールアクションの中核を担う低重心固定ウェイト。


金属、グラス等のあらゆる素材のラトルボールを試した結果、
ある金属素材だけにバスが好反応。


そして、ボトム着底時に倒れないと言うことは、アクションの素早い立ち上がりを意味していて、ボトムでルアーが寝てしまうとそれだけルアーアクションのロスが生じてしまい、根掛かりのリスクも増えてしまいます。


フロントフックをダブルフックに交換すると
スナッグレス効果が更に高まります。


シンキングリップレスクランクベイトを使用する上で、無闇矢鱈にキャストしていても良い釣果につながりません。

使用している場所の水深を把握する事が大切で、魚探を使って水深を正確に知ると言うことも大切なのですが、魚探は基本的にボートの真下の水深しか表示していません。

ですから、まずそのルアーが一秒間に何十センチ沈むのかを知り、キャストしたら着水と同時にカウントダウンをするのです。

1,2,3・・・

例えば、1秒間に50センチ沈むルアーを使う場合、ルアーが着水してから5カウントでボトムにルアーが着底すれば、水深は2.5メーターなのだなと把握する事が出来ます。

障害物の少ない場所であれば、ボトムに一度着底させてからリトリーブしても構いませんが、障害物の多い場所やボトムにルアーを着けるとバスが嫌がる時、或いはバスがボトムから少し浮いているような状況であれば、キャストして3~4カウントしてからリトリーブし始め、障害物に接触しなければ、次のキャストで4~5カウントして巻き始めてと言うように、カウントする事でトレースするレンジの精度を上げて行くことが出来、ルアーが障害物に接触するかしないかのレンジを素早く把握する事が出来るのです。


カウントダウン? 正確にはカウントアップ!
これをするかしないかで釣果に差が!!


そして、フローティング仕様のマグナムギルソニックをウェイトチューニングし、数々のバスを手にしていたコアなアングラーが発端となり、サスペンドチューンをしたマグナムギルソニックを発売してとの要望に応えたのがマグナムギルソニックDSF。




完全なサスペンド仕様ではなく、デッドスローフローティングに設定していることで、障害物の多いエリアではノーマルで障害物を躱し、活性の低いバスにじっくり見せたい場合は、わずか0.3グラム前後のウェイトを追加するだけでサスペンド仕様にもなり、アングラー側の選択肢は増えて釣果に結びつきます。

このマグナムギルソニックシンキングとDSFを駆使すれば厳冬期も乗り切れる!?




それでは皆さん良いお年を            

 

 

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