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リバイバル
こんにちは、ルアーデザイナーの長井です。

今年の11月は、例年に比べ気温が高いようで朝夕過ごしやすいと思っていた矢先に、また急に気温が下がりはじめ、布団から出るのが辛い今日この頃です。

ここ最近のラボでは、来年早々に発売予定のリップライザー130GEKIASAのプロトサンプルを製作する毎日で、その他同時進行に数アイテム、そのおかげで連日連夜、帰宅するのは午前様。

来年2月に発売目標とすると、タイムリミットも今月迄、ぶっちゃけてヤバイ状態です。

プロトサンプルは膨大な数に登り、とうとう9号機に突入。


リップライザー130GEKIASA  破壊と再生
理想のアクションが出来ずに、ブチキレて壊したプロトサンプルの数々、
ではなく、ウェイトボールのリサイクルの為の破壊です。


なぜ、こんなに苦戦しているのかと言うと、過去に存在しないシャロー特化型クランキングミノーだから一筋縄にいかないのです。

帯に短しタスキに長し、あちらを立てればこちらが立たず状態とでも言っておきましょうか、この機能を付加しようとすれば、こっちの機能は丸潰れの繰り返し。

幾つかの機能を複合させることは容易なことではなく、数ミリ単位刻みのウェイト位置設定に始まり、リップの取り付け位置、角度、形状に長さ、ラインを結ぶアイの位置との兼ね合いに、幾通りにも組み合わせが存在し、リップライザー130GEKIASAは、シャロー特化型クランキングミノーと言うこともあり、非常にシビアなセッティングになっているのです。

シャローに特化した、即ち水中に余り潜らないミノーという物なのですが、水中に潜行させるためのリップを単純に小さくすれば、潜行深度の浅いミノーは簡単にできます。

しかし、ミノーというスリムなボディは元々水中抵抗が少ないうえに、さらにリップを小さくすれば、ルアーの引き感は皆無になるため、リップライザー130GEKIASAのコンセプトに関して言えばNGになってしまう。

引き感を残すには、ある程度のリップ面積は必要不可欠、でも潜行深度は抑えたい......


ヴァイパーデザイン・ライザーミノー 
「このミノー、アクション凄いんです!」ってもう作っていませんが......
            

私は15年程前に、リップライザー130GEKIASAと同じようなコンセプトのミノーを手掛けたことがあったので、GEKIASAの話が舞い込んだ時には、直感でリップ形状から内部に設置するウェイト位置までイメージは出来ていた。

実際に、リップライザー130のボディを使い、ライザーミノーと同じような仕様で作り、泳がせたところ、中々良いアクションはするし潜行深度も申し分ないと思っていた。

ところが、リップライザー130GEKIASAコンセプトである2点が、クリアー出来ていないという事で泣く泣くボツに。

どうやら求めているアクションが微妙に違うらしく、これではNGとダメ出しを食らう事7回目、通常ここまでの過程で不可能なのであれば、ボディ形状を根本的に見直す必要があるのだが、もう一度、原点に戻り、ある部分を見直す事によって、8号機にしてようやく仮OKが出た。

そして、8号機のある箇所を改善したのが9号機なのです。


ライザーミノーとGEKIASAゼロ号機


このブログが掲載される頃には9号機の結果が来るかな?

それでは皆さん良い釣りを

 

 

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