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亀山ダム・幻のビッグフィッシュパターン公開の巻

台風11号直撃の激ニゴリ&大増水&ゴミまみれが
全てを奪っていきました・・・(阿部ちゃんからも・・・)

KTF超高速艇で50番スタートながら、折木沢最上流には2着!!でも、沢村さんもろともボウズでした・・・・。

今年の自分の釣りの傾向として、トーナメント、プライベートを問わず「枠外の釣り方」を意識的にしている。枠外の釣り方とは、特に非常にプレッシャーが高いメジャーな湖で釣りをする場合、多くの釣り人がするであろう最も釣れる確率の
高い釣り方を最後までしないで、敢えて誰もしない確率のほうが高い釣りを釣れると信じて集中してやることである。
この方法はリスクも高いが、自分の想定外の結果が出ることもあり、意外な発見や未知の可能性に気付くことができる。最近は情報伝達が正確で早く、人と同じことをしていたのではいつかそこに埋没してしまう。リスクを恐れず、「想定外、枠外」の釣り方にチャレンジしてみること、そこから必ず新しい驚愕の進化が生まれてくるはずだ。(でもやっぱり試合では避けたほうがいいかも・・・)

と言うことで今回、台風のおかげですべて帳消しになってしまったが、私が勝負パターンとしてやりきる覚悟でいたシークレットは「キッカーイーター」のポンプリトリーブである。ちなみに53cmを含め、ビッグフィッシュを連発させていたのも
実はイーターである。この方法は普通はプリの王道パターンだ。まさか真夏にこのパターンを試すこと自体、普通ではないだろう。しかし、思い込みがそうさせているだけで、考えてみればこのイーターは実に理にかなった方法だったかもしれない。

亀山ダム唯一?のいい思い出・・・
狙い通りだっただけに感動した。
今回の台風までの亀山は水温30度オーバー、アオコまみれ、3m近い減水で更に毎日20cm近く減り続けていた。もうこうなると簡単に読めるのはアオコの層の厚みが2m前後、サーモクラインも2m前後で一致、完璧に強減水傾向なのでいいバスほど水量豊富で変化の少ないディープを必ず意識する。2m以内のシャローは何か酸素補給の条件が無い限り、ギルっ子好きのチョロくて元気なヤングボーイは多くなるが、よほどでない限りデカいのは難しい。しかもボトムは底質と水質が悪く、流れも無いので酸欠。こうなるとおのずと結論は水通しのいい場所、すなわち「岩盤」「立ち木」。でも岩盤は誰でもわかる。一番狙うべきものは亀山なら間違いなく、無数にある立ち木が鍵になる。それもこれから減水で
水面に見え始める「今はギリギリ見えない立ち木」、しかも出来るだけ「流れの当たるアウトサイドの立ち木」が絶対だ。
これって旭川のときと同じジャン・・・。
まあ、これに後、数点の「いい立ち木」「宝のなる木」を見抜く経験があれば完璧。後はこういった立ち木を何で狙うかだが、私の持ち駒の中で今回適任だと思ったのが「イーター」だった。

シークレットルアーは黒帯VIIIでも爆発した
キッカーイーターでした。
釣ったのは松下ボート近所の中ノ島対岸の沖の立ち木です。
その理由は人が多すぎ、アオコベールが表層を覆うので旭川のようなトップ波動系は厳しい。また亀山はアホほど立ち木が多いこと、今回が2度目で良く知らないことから、ワームでじっくりでは時間がいくらあっても足りない。じゃあ、残されたのは「クランク」ってことになるが、ここまではそこそこのプロなら気が付く。ここで更にタフってもクランク並みに飛んで、速く探れて、水深がマッチし、デカバスに襲われる可能性が高いプラグとなると「イーター」が真っ先に浮かんできたのだ。
まして今年は黒帯8でもイーターに助けられているので、今回は大量のイーター、しかも立ち木を回避しやすいややスローフローティングの「Fモデル」を持ってきていたのだ。Fタイプは立ち木に触れたときにラインテンションの強弱でサスペンド状態にも簡単にすることが出来、緩めると浮上し回避する。カラーは絶対の自信がある一房ダム伝説の「ゴーストシルバー」と安定した「ステインゴールド」
結局、この読みはものの見事に的中した。ロッドはグラスとしては敢えて硬めに設定してある「トルクマスター64」を使うことによって、立ち木の枝の下にルアーが潜り込むリップスタックを上手く回避できた。フッキング後も主導権が取れるグラスは立ち木の中では非常に効果的だった。使い方は正に見えない立ち木のトップ、もしくは「股」狙いの「立て捌きポンプリトリーブ」。春の使い方と一緒。ロッドワークで立ち木をかわしてべったり舐める。
後は慣れとルアーに対する自信と、バスが好んで付いている立ち木の層と種類を見抜く経験。これが大切。
トルクマスターは間もなく発売になるが、今風の軽量グラスロッドから比べると、一見、見かけ以上に重く感じる。しかし、この重さにこそ、ルアーを引いたとき、そして投げるときに本物のグラス素材にしか出せない非常に重要な意味が生じる。使ってみて始めて判るロッドなので、あらかじめ意図された重量感だと理解しておいて欲しい。はっきり言って軽け
りゃいいものではないことだけは絶対に間違いない!

このイーターパターンこそが私のキッカーパターンであり、共通の要素を持つ広範囲に点在するある種の立ち木をどんどん打っていくのが戦略だった。キーパーはロックベイダー1gとリトスパで土のバンクのブレイク(野村ボート周辺、水産センター、椿本)でそろえる予定だった。これにバークレイの秘密兵器「SAMURAI SWIMMING HOG(何故かジョンがそう命名してきた宇宙人系ワーム、アメリカ人には侍に見えるらしい・・・)」をイーターのフォロワーとして使う予定だった。

唖然愕然の宇宙人ワーム「サムライ・スイミングホグ」。
見た目はビビルくらい不細工。まず売れない。
しかし、動きは超ヤバ過ぎる!!!
また、最後に勝負エリアとして折木沢の小さなドレインに絡む激浅のレイダウン系ヘビーカバーでは取って置きのシークレットベイト「JP−S4」(某記者から一個だけお土産で貰ったフラットサイド社のプロト)が強烈に効いていた。

これがJP−S4。
パッと見はOKB−1?。
OKB−1より僅かに大きく、
尻尾が太く基盤リップで振幅速度が速い。
もうひとつの主戦力はJP−S4。
プラ当初は豆ばかりだったのが、
このパターンを見つけてからはビッグフィッシュ連発!!
OKB−1を当初考えていたのだが、基盤のスクエアリップを持つため回転が高速で、更にこのサイズとしては浮力を
維持しながら驚くほどキャスタビリティーがいい。1つしかないため大切に大切に使っていたルアーだ。これをトルクマスターのピッチングで誰もがひるむようなカバーの奥の奥にぶち込み、超超スローのヒット&ライズ(どれだけ短い距離で長く当てて浮かせてを反復できるかが最大の肝だった)で浮くワームのように引くと45cm前後が辛抱しきれなくなって
出てくる
ことが判っていた。

ソニーB、リトルPTといい、なぜかフラットサイド社のクランクは相性がいいような・・・
プロトなのでお腹に直筆モデル名入り!激レア品か??
この方法なら、先行者の多い折木沢、猪の川レイダウンでも貴重なキッカーが1本取れる可能性があったのだ。
練習のとき、JP−S4が一つしかなかったので慌てて工場に連絡し、クレイドルの吉田カラーをサブとして送ってもらった。これもJP−S4に引けをとらない結果を出せたのだが、ラトル音を嫌う感じがしていたので、さらに製品版よりかなりラトル音を抑えたチューンドモデルを作らせ送ってもらっていた。

亀山用に特注したセミサイレントクレイドル吉田オレンジ。
クレイドルはマジでいいクランクです。
是非ヘビーカバーで使ってください。違いが判ります。
以上が幻に終わった亀山ダムの私の戦略である。正に旭川と同じ展開、掴んだと思ったとたん、初日の台風11号直撃と共に夢幻のように消えていった幻のパターン。しかし、こうした劇的なパターンを模索し続ける限り、いつか衝撃的、そして皆を感動させれるような勝ち方を見せることが出来るかもしれない。ここまで我慢に我慢を重ね、ようやくあの予選落ちから20位に浮上した。
シングルまでの点差も僅かだ。だが順位を守ることなど今の私には何の価値も魅力もない。
残り2戦、感動できるバスフィッシング、未知の可能性を求めて全力で2勝を獲りにいくつもりだ。


こちらは立ち木用にワンオフ製作していた
ロングリップの2.5mダイバークランクプロト。
残念ながらイーターにスカボコに負けました・・・。

実はラウンドリップのJP−R3も存在する。


 

 

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