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TOP50開幕戦詳細報告


                                         
2015年TOP50開幕戦遠賀川が閉幕した。正直、これほどペンを持つ手が重く辛い経験は自分のトーナメントキャリアの中でも記憶にないほどのものだ。それでも今の自分の想いを応援し続けてくれる多くのトーナメントファンのために、そして自分の心がまだ折れていないことをしっかりとここで伝えておきたいと思う。

ここ2年、32年のキャリアでも経験したことのないランキング20位台に低迷し、今季開幕戦に賭ける想いはまさに背水の陣だった。開幕戦はいつの時代も特別な意味合いを持つ1年で一番重要な試合である。過去の経験からも開幕戦で15位以内に入らなければ、AOYは勿論、エリート出場枠である年間トップ5すらも現実的に狙える可能性は極めて低くなり、
故に開幕の結果はその1年の選手のモチベーションを大きく左右する。
まして、開幕戦での予選落ち(予選31位以下)は即ち、その年のAOYレースの事実上の終焉を意味するといっても過言ではない。もっとはっきりと言ってしまえば、もう2015年を戦うモチベーションが消滅したに等しい、「開幕にして終戦」と言う絶望的現実を受け入れなければならない。

そして、自分はその絶対にしてはならない開幕戦初日をよもやのノーフィッシュで終えてしまう史上最悪の開幕戦開幕初日となってしまった。ノーフィッシュは順位ポイントもウェイトポイントも付かない。TOP50予選は従来どおりの2日間の順位ポイント&重量ポイント合算制(決勝は順位ポイントなしの3日間の総重量制に今季からレギュレーション変更になった)なので、25cmのキーパー1尾でも釣っているとゼロとでは順位ポイントで取り返しの付かないポイント差がついてしまう。ポイント制での初日ゼロは実績的に2日目最低、トップ5以内のビッグウェイトを釣ってこなければ予選通過ほぼ不可能になる。
結果、ゼロからの予選通過には2日目無謀な勝負に出ることしか生き残れるすべはなく、そのゼロからトップ5への生還は自分自身も過去30年で成功例が数回しかない。そして2日目、大きく勝負に出るしか選択肢がなくなった自分は、戦略を変え2尾目まではそれが功を奏したが、3尾目をミスった時点でタイムアップとなった。


弱り目に祟り目か。初日終了後の帰路、トレーラーのブレーキから謎の出火。
消火器で事なきを得たが、危うく出場すらできなくなる寸前だった。


結果的に17名のノーフィッシュが出た2日目は2尾でも単日13位となっており、予選総合順位は最下位から40位に上昇した。この3尾目を手にしていれば予選通過の可能性は高かった。今年の新ルールでは決勝は順位ポイントを一旦白紙に戻した上で決勝進出順位を2日間の重量順に変更、決勝の重量を加えた3日間総重量で優勝が決まるレギュレーションとなったので、予選を通過さえできていれば、決勝でスーパービッグウェイトを出せば奇跡の大逆転の可能性も残されている。しかし、それは試合中水の上で知る所ではなく検量後の結果論であり、3尾目をミスった時点で自分の開幕戦はもう終わっていたのだ。いや、初日、フライト順が悪かったため、1尾のキーパー欲しさに会場前でライトリグ船団に参加したことが全てを狂わせていたかもしれない。この頃、自分がメインとしていたスポットでは小野選手がその日、トップウェイトを叩き出していたことを二日目、朝から彼と相次ぐバッティングで知ることなる。

この2年、30年近く年間平均ランキング5位以内を守ってきた自分が年間20位台と言う凡庸極まりない順位に低迷している。その原因は自分ではよく理解しているつもりだ。
その本質的原因は身体的故障やメンタル的不調ではない。特に昨年は諸事情でそう思われがちかもしれないが、それらは原因のごく一部に過ぎず、後付の言い訳の材料に過ぎないと自分では解っている。むしろそちらを不調の理由にした方が楽なほど、本当の原因は自分にとって深刻なのだ。

・・・続く

 

 

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