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TOP50第4戦野尻湖レポートの巻
長野県野尻湖から帰ってきた。結果は15位とまたしても不完全燃焼・・・。予想はしていたものの、やはり野尻湖はプリプラの全く効かない湖だった。直前プラでは自分がメインにしていた超シャローのシェードにいたスモールもラージが激減、一転ディープのトップというまたしても経験のない状況下に追い込まれてしまった。野尻湖では水温25度を上回ると、一気にシャローからバスが消え、極めて釣りにくい状況になるという。昨年はギリギリ24度台、今回のプリプラでは
23〜24度。そして今大会は25度を上回り、湖はやはり激変していた。

初日はこのサイズが3本フックアップで8位スタート。
掛ればキロクラスのビッグスモールだけに止められない・・・・
湖の状況は同時期に開催された昨年に比べ、平均ウエイトが毎日1キロ下回るという、非常に厳しいコンディションだった。そんな中で昨年に引き続き野尻湖を制したアイバーソンはさすがとしか言いようのない見事な横綱相撲だった。
蓋を開けてみれば、メインパターンはやはりトップウォーターでの虫パターン。上位5人中4人がこの毛虫パターンだった。しかし、明暗を分けたのはどんな虫ルアーを使うかではなく、「フッキング」そして「浮かしておくべきスポット選択」の技術にあったといっても過言ではなかっただろう。

最終日掛けれたのはこの一本、
でも1300g48cmのデカスモール。
わたしも秘策のメインはやはりカバーを絡めたオリジナルの蝉系プラグと自作の虫系ワームだったのだが、完全にプリプラとは喰うポジションが変わっていた。それでも3日間を通じ、トップ一本でほぼやりきり、結果として毎日、5キロ近くに相当するバスを水面までおびき寄せルアーをスモールの口の中に入れることまでは成功していた。しかし、その後のフッキングでの「すっぽ抜け」はよもやこれほどまでスモールマウスのフッキングがラージマウスとタイミングが違うのかと思うほど、自分でも何が悪いのか全く解からないほどこのフッキングに3日間苦しめられ、結局解決の糸口がつかめないまま終了してしまった。

最終日死に物狂いで釣った2本目・・・200gでやんす・・・
今回の試合で多くのプロたちが口々にこの「すっぽ抜け」を嘆いていた。目の前で完全にルアーをくわえて戻っていくデカスモールを目の当たりにしながら、何故か万全の体制でフッキングしても掛からないジレンマにバックりハマってしまい、今回も思わぬ強豪プロたちがまさかの予選落ちという憂き思いを味わった。即あわせでもすっぽ抜け、送ってもすっぽ抜け、まるで毛虫ルアーの「毛」だけをわざと咥えているのではないかと思ってしまうほど、あちこちでデッキにしゃがみこむプロの姿を目にした。

予選通過発表。
今回、無情の予選落ちは誰?
毎日10本以上のキロアップスモールを出しながら、フッキングに成功したのは初日3本(残りの2本は苦し紛れに僅かなバックアップのディープピンで埋め合わせた)、2日目2本、最終日は僅かに1本だけに終わった。この少ない本数ながら15位にとどまった理由は、このトップに出てくるバスは軒並み桁違いにデカかったためだ。バスは出てくるだけに、サイズの小さいディープに行く気にはなれず、結局最後までトップオンリーで押し通す結果になってしまった。

2日目、スタート前、ディープかシャローか悩みに悩んでいるワタクシ。でも優勝以外に興味はありません。
結局、終わってみればアイバーソンも苦しんだとはいえ、スコア的には余裕の優勝。最後は誰も気が付かないようなディープピンを温存しており、ウエイトこそ昨年より落ちたが万全の試合運びだった。そして、この難易度の高いトップでのフッキングに最後の最後でついに成功したフージーは2日目1尾に終わったにもかかわらず、最終日に4キロを突破、トップウエイトで5位入賞という大マクリを達成した。

ついに最終日、藤木スパイダーで
5本掛ける事に成功したフージー!
逆転トップウエイト!
その成功の要因はまさしくフージーのフライフィッシングからの経験に他ならないものがあった。一昨年からアイバーソンはフライロッドをスモール戦に持ち込んで戦っていたが、今回、このフッキング技術の差が出た最大の要因は、ラインスラックの処理に始まり、フックのセレクトからセッティングまで、トラウトの水面バイトを如何に獲るか、その経験差がモロに出た結果になったような気がする。フージーがお立ち台で語った聞きなれない言葉「喰い波(フライマンなら常識らしい・・・)」は、フージーの様々な釣りの経験値を象徴する言葉だった。今年からフライロッドの使用がルールで禁じられ、不思議に思っていたのだが、現実、フライを使った一般アングラーは、トップ50プロの苦戦を尻目にまさにイレグイを演じていたのである。
これが最終日トップウエイトの藤木スパイダー、
最終日にフッキング方法を発見!
それは来年もあるので内緒です。
こちらはイマカツBEE。
フローティングヘッドのジグヘッドです。
今大会のキールアーに関してもやはりフライを意識したものが多く、水面に浮く毛むくじゃらのルアーを如何に精度良く、人よりも遠投出来るかで勝敗が決した。
私の付け焼刃の技術では15位に留まった事すら幸運といったほうがいいほどの苦戦だった。
野尻湖は日本でもまれに見る癖の強い湖である。その上、野尻湖のスモールは桧原のスモールとは食性の違いからか性格が全く違うように思う。広い桧原に比べ、狭く釣り人の異常に多い野尻湖は、この湖独特のローカル性の高い特殊中の特殊といえる釣り方が存在する。特に夏は更に特殊になるようだ。この湖を本気で攻略するなら、ひと夏を通してスモールの食性の変化を経験し、トラウトのフライフィッシング張りのフックアップの方法を学ぶ必要があるだろう。アイバーソンが語ったように、プリプラではアメリカシロヒトリを喰っていたスモールが、今回は沖でワカサギを表層で喰っていたり、使われすぎた蝉系ルアーの反応が極端に悪くなっていたり、非常に喰っているものに対する反応がシビアすぎるほどシビアなのが野尻湖スモールの特徴だ。
残念ながら今の自分には付け焼刃でしかなかった。

阿部ちゃん蝉パターン消滅で29位、
フージーは逆転5位入賞。明暗を分けた蝉と虫・・・
しかし、ダントツ優勝候補と言われ続け、その通り優勝してしまったアイバーソンには驚きの一言である。これでクラシック、昨年のワールドに続き野尻湖3連勝。来期もトップ50は野尻湖で同時期開催が予定されている。野尻湖のスモールパターンは野尻湖にしかなく代用が効かないのが最大の難関だ。はたしてアイバーソンを止めるのは誰になるのか、それとも再びアイバーソンが勝つのか?、来年の野尻湖は更に熱くなりそうだ。

さすがの野尻湖マスター、アイバーソン。
クラシック以来3連覇です。

 

 

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