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SG-PLUSアンドロイド落ちアユパターン詳細
最高峰クラスのトーナメントでも通用する事を証明したビッグベイト。
SG-PLUSアンドロイド180のポテンシャルは凄まじい。



さて、今回のクラシック、自分が選んだ戦略は今までの旧吉野川戦とは全く異質の、非常にリスキーながら圧倒的に破壊力を秘めた大技だった。優勝しか意味の無いクラシックにおいて、上位を狙う戦略と優勝を狙う戦略は違ってくる。特に今回は多くの選手達が折からの寒波で「冬」を意識したテトラ帯を中心とした地味な釣りに偏っていたことが練習時点から見受けられた。しかし、水温は幾ら寒いとはいえ、まだ12度を維持している以上、いち早く冬の態勢に入るバスのサイズが小さい者順である事は常識であり、大型の個体ほどドシャローに残り本格的な冬に備えて大型のフィッシュイーターとなる事もまた常識の範疇である。


最上流部の超シャローでアンドロイドを襲ってきた80cmクラスの雷魚。
12度あれば温水性の雷魚すらまだ超シャローに残っている。


優勝するには大規模マンメイド付近にあるウィードが絡んだドシャローの大型バスを如何に獲るかがカギになった。そして、今回の旧吉野川ではこの数週間、例年とは違った餌の動きがあった。それは河口堰付近でシーバスの荒食いが続いていたことから気づいた事実なのだが、今年の旧吉野川は落ちアユが非常に多く、丁度1週間前の練習時には藍住大橋の堰を中心に真っ黒な20cm程の落ちアユが反転流や陽だまりのドシャローのウィードポケットに流れ着いている姿を数回目撃した。そして同時にその落ちアユをスクールで追う、本来、エリア外の最上流部に生息している超大型の「落ちバス」が下ってきている事に気が付いた。コイツらは極めて移動性が強く、一か所に留まる事を全くしないため、まず一番重要な事が動きまわるバスにいかにルアー(餌)の存在を知らせるか、見つけさせるかが課題だった。


全面夜光貝手貼り仕様のアンドロイドは、絶対に自分にとって必要なビッグベイトの最高傑作。
超リアルなのにケタ違いの遠方視認性。ビッグベイトは動きを目で追える事が最重要なのだ。


この条件に最も合っていたのが、実は落ちアユとサイズが最も近いSG-PLUSアンドロイドだった。使い方には超が付くほどシビアなサスペンドチューニングと、ドリフト時にボディーが真っ直でS字を書いて泳がない事、そしてロッドワークではなく、リール半回転のジャークで平を打って大きくダートしてくれる事が絶対条件だった。この要素を完璧に満たしたアンドロイドにだけ、見えバスが異様な反応を示す事に気が付いた。
そして、TSR-DVD「間違いだらけのベイトフィネス」で解説したドリフト&ジャークでシャローストラクチャーをサーチすると時に50cm〜55cmが連発する事もあり、悪くてもストラクチャーにバスが居るか居ないかを目視で確認する事が可能だった。居る事さえさえすればそのストラクチャー周辺を確信持ってライトリグやフォローベイトで集中して攻められる。


クラシックの3日間、使い込んだ3つの完璧なアンドロイド。
完璧な直進姿勢、ダンパー(PAT/P)は30ポンドソフトフロロに変更。
背中のエアホールは発泡エアシートとタングステンボードウェイト(Fマーク品)を詰めてある。


自分が選んだ戦略は、まさにのるかそるかのアンドロイドを軸にした大規模ストラクチャー周辺の超シャロー(1m以浅)ウィードフラット攻略だった。

この戦略は練習最終日までは圧倒的破壊力を持っていた。しかし、心配だった事は、果たしてこの大舞台で、しかも激寒の状況で、無謀にも見えるアンドロイドを使い切れる強靭なメンタルが維持できるのか、そして何より、落ちアユが落ち切ってしまえばこのパターンは終わる可能性が強い。勝つか負けるか、フィネスサイボーク達に勝つためのまさに二つに一つの大勝負だった。


初日は気負いすぎてアンドロイドではミス連発。
しかし、奇しくも直近のエリート5でライトリグにも身体が馴染んでいたことが幸いした。


そして結果は3位。落ちアユビッグベイトパターンは直前に降った冷たい雨の影響もあり、練習時のパワーはなくしていた。だが、それ以上に状況の悪化が激しく、ライトリガ―さえも翻弄する厳しさが幸いし、初日はアンドロイドで確認できたストラクチャーに付くバスをエリートクロー2インチのDS、アベラバベイトフィネスで3尾仕留め5位。この日、3尾のビッグフィッシュを、アンドロイドにバイトさせながらミスを犯してしまった。練習ならフックアップできた可能性が高いバスだったが、これが試合特有の精神的重圧なのだ。


初日はアンドロイドで3本をミスをし浮かない表情。
それでもバスの存在を確認した場所でライトリグを使い3本キャッチ、5位発進。


そして最終日、この日は7時半スタートの12時帰着のため移動時間を差し引くと実質4時間程度しか実釣時間がない。誰もが初日の超ロースコアから2尾が勝負、しかもその魚体の大きさで結果が決すると解っていただろう。テトラ組の平均サイズが600〜700g前後である現状から、逆転するための選択肢はアンドロイド一本勝負。出れば悪くてもキロ越え確実、同じ2尾で3キロなら逆転は可能、自力で勝つためにはこれに賭けるしかなかった。


アンドロイドで狙ったのは橋脚周りの1m前後のウィードパッチ。
喰いきらなくてもバスの姿が確認出来るメリットは大きかった。


そして結果は…。アンドロイドのサイトで仕留めた1本のバスは長さこそ50cm近い個体だったが、落ちアユパターンのラストを物語るスキニーな魚体だった。それでも結果は単日8位、青木選手が6位に入ったことで優勝が確定、自分のクラシックは総合3位となって終わった。もし、タラレバだが、あと一本、アンドロイドで1500g級を獲れていれば結果は解らなかった。


最終日はアンドロイド一本勝負で50cm弱を1尾を仕留めるも、スキニーな魚体。
それでも単日8位に入り、総合は3位となった。


ここ数年、何時もあと1尾が届かない。今季、TOP50でも2日目まで優勝に絡む試合が3試合もありながら、最後の最後で後1尾に泣き、表彰台すら獲得できない悔しさに苦しんだ。TOP50旧吉野川戦も毎年、ハードベイトで表彰台に絡みながら、あと1尾で優勝を逃している。あと1尾を獲る方法が、フィネスサイボーグ達を見習いフィネスを徹底的に磨く事なのか、それとも自分のスタイルであるイケイケイ攻撃力を極限まで磨き「夢のフィネス越え」を果たすのか、来シーズンもその答えを求めて全力で練習に、そしてその夢を実現できるルアーの開発に打ち込んでいきたいと思う。


今回もまた後一歩及ばなかったが、いつか必ずフィネス越えを果たしたい。


次回はデジーノ萌えパウ神谷が4位に入った、今からの季節が激アツのダルド100・ジャーキングパターンを紹介しよう。

 

 

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