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非情の完全試合達成の巻
今年は試合単位のでの天国と地獄・・・・心のどこかですでに満足してしまっていたのだろうか。



TOP50第2戦旭川ダム、既に結果は周知の事実だが、昨年、北浦戦で優勝を逃した時、絶対に二度とやってはならないと心に誓った事をやってしまった。予選2日間、1度のミスも、1度のバイトさえもない完全ノーフィッシュの完全試合。まさに開幕戦とは真逆のパーフェクトゲーム達成となってしまった。

正直な所、今思い返しても何故、2日間に亘って1尾のバスのバイトさえもなかったのか、その理由が解らない。両日に亘ってメインにしていたのは中流域江与味橋周辺中規模ワンドでのアフタースポーニングバスのサイトフィッシング。だが、直前練習では1日数十匹のバスを目視確認出来ており、確率的に1日5尾を目視で発見できれば最低1尾は仕留められる予定でいた。確かに練習から非常に厳しい事は明らかな事実だったが、サイトフィッシングでの平均サイズ1200~1500gを1日1尾釣れば上位に絡めると考えていた。自分の得意な上流部での釣りを捨ててでも、アベラバ0.9gとハドルフライの特殊リグを使えば、それはさほど難しい事ではないような気さえしていた。「1日1尾位は釣れる」…そう心のどこかで甘く考えていたかもしれない。

しかし、結果的には初日、2日目とも全くと言っていい程、サイトフィッシングでバスを確認する事が何故かほとんどできなかった。結果的に今回の上位の多くは自分が狙ったエリア(江与味橋周辺)で出ており、釣り方もさほど大きな違いはなかった。上位入賞の多くは同エリアで連日見かけたプロ達だったが、非常に不思議な事に、今回、自分はそのエリアにいながら、自分はおろか誰かがバスを釣るシーンすら、2日間一度も見る事がなかった。
何か自分とバスが見事な程、全く噛み合っていない違和感だけが残った試合だった。

敗因は未だに自分でも解らない。フィジカル、メンタル共に過去3年とは比べ物にならない程良い。
ただ、もし今回の敗因を強いてあげるなら、今年の最大の公約目標であった「今年は必ず1勝する」を開幕戦であまりに早く達成してしまったが故、心のどこかに既に大きな満足感、達成感があったのかもしれない。決して、それで練習に手を抜いたつもりはないが、日程的な都合から直前練習を兼ねて2回も取材を入れてしまったのも、心のどこかに緩んだ気持ちがあったのかもしれない。

昨年、自分の試合のDVDを見て、予選でTOPウエイトを出した後、上位通過確実となったその決勝、既に試合前にもかかわらず、緊張の緩んだ顔をした自分がいる事に気が付いた。そして結果は期待外れのノーフィッシュ、もう1尾のキーパーだけで確実だった優勝も逃した。
その反省から今年は3日間、絶対に緊張感を緩めない、とことん最後までハングリーに戦う事を心に誓って迎えた開幕戦。それはいきなり優勝と言う結果になって現われた。その瞬間、今年の最大目標として掲げた「今年は必ず優勝する」目標は達成されてしまった。

トーナメントを戦い続けて既に27年以上、自分にとって最も維持する事の難しいスキルこそが、非情なまでのハングリーさなのかもしれない。とことん自分を窮地に追い込まなければ、本心から「ヤバい」と思わなければ、本来の闘争心、集中力が目を醒まさなくなったように思う。

チームに馬淵と言う23歳の変な小僧がいる。私はコイツの性格や人柄はよく知らないし、興味もないし特に個人的付き合いもない。だが、彼の勝利に対するバカ剥き出しの闘争心が私は物凄く好きなのだ。昔はこういうタイプが周りに結構多かったのだが、最近の世代では珍しい、まさに抜き身の刀の様な奴である。まあ、おかげで6月から始めたガイドのお客も全然来ませんが…。


超クソ生意気、いい加減な敬語、感情が直ぐ態度に出る、句読点なしなど・・・
釣りしていなかったら良い所を見つける方が難しい馬淵。
しかし、勝負に賭ける剥き出しの闘志と実力は本物の逸材。まさにバスプロ界の石〇 慧?


今回の完全試合は、開幕戦の優勝の記憶を自分の中で完全に帳消しにしてしまうほど、情けなく、悔しく、辛い試合だった。
2戦終了時の暫定順位は24位に落下した。完全ノーフィッシュ試合は参加ポイントしかつかないため、上位との点数差で考えれば、もはや今季のTOP5入りは赤信号が点灯した。しかし、奇しくも2006年、突然の不幸で同じ旭川戦を途中棄権したその年は、4戦のみの参戦でTOP3にランクインし、エリート5も優勝している。
レースは終わってみなければわからない。このZERO/ZERO試合には今年の自分にとって、何かを成すために天が与えた重要なメッセージなのだと思いたい。

これで開幕戦優勝は帳消しになった。故に目標は今季必ずもう一度優勝する事。そしてその賞金を全額義援金として、トーナメントを通じて震災復興の一助に貢献する事。今回のこれ以上ない屈辱の敗戦は、さすがに丸2日、凹みに凹んだ。しかし、それは反面、燻った闘争心の炎にこれ以上ない程強烈なガソリンをぶっかけてくれた。次戦徳島旧吉野川戦、そして福島県桧原湖戦、本気で連続優勝するつもりで練習量を限界まで増やして臨む。

 

 

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