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THE PERFECT WINNING PATTERN 公開の巻
ライトリグのバックアップがあってこそ生きるストロングパターン。
往年の名作ルアーから最新のベイトフィネスまで、
まさに剛柔、新旧織り交ぜた完璧なパターンで勝つ事が出来た。



今回のサメウラは幸か不幸か、非常に不安定な冬と春が混在する極めて変化の激しい状況にあった。暖かい晴天の日が続けば表層水温は一気に14度近くまで上がり、見えバスも一気に増えシャローに生命感が漲ってくるが、逆に雨が降ったり冷え込むと水温はあっさり10度を割り込み生命感が一瞬にして消えてしまう。まさに関西で言う所の「551の蓬莱がある時、ない時」状態?だった。

暖かかった2週間前のチャプターでは最下流オイルフェンスで入れ食い状態。ただ圧倒的に超ライトリグ強し・・・ナベにボコボコにされたので本番はやめに・・・。

バスの状況的にはまだネストは見られない状態のプリスポーニング中盤で、今回の試合の最大の鍵は水温13度にあったように思う。13度がプリのメスがシャローへ差し始めるキー水温だった。当然、春は上流域が絶対に強いのだが、険しい渓谷にあるサメウラの上流域は、天候次第で一気に14度になる日もあれば、9度に急降下する日もあり、雨の量によっては瞬時に激流と化す気難しい性格を持つ。
一方で下流域は安定して13度を維持しており、安定感を求めるなら下流域を中心にゲームを展開する事がセオリーなのは誰の目にも明らかだった。切り立った岩盤帯の中流は今回、日照条件の悪さと、渓谷的な環境から最もバスが少なく感じられた。

渓谷の様なサメウラ上流部。日当りの悪い朝の水温は8度台。
朝から陣取るリスクは避けたかった。
ベース下流、勝負上流。

プラクティスでは13度エリアを絞り込み、プリのメスがコンタクトしてくる目立たないコンタクトスポットと、その先にあるシャローの下見に先乗りしているオスと2尾以上を連発で釣る事が鍵になった。比較的簡単に見つけられる赤目になりかけたオスの近くには必ずメスがいて、オスが良いオスである程、近くには複数のメスが待機している事が解った。このオスの大型バスが今回非常によく反応してくれたのが、実はプリのバスが最も嫌うジャバロン140、ジャバロン150リアル(プロト)の通称「ジャバテキ」だった。12gテキサスにしたジャバロンを、2~2.5mラインの陽当たりの良い緩いバンクのガレ場をボトムに軽く当てながら巻きまくると、練習時にはビッグバスが非常に果敢にアタックしてくる事が解った。

プレッシャーがない時のアンドロイドの凄さはサメウラでも同じだった。バスを見つけるだけでなく、十分に取材なら通じるレベルで釣れた。

練習当初はアンドロイドでバスを浮かせてサイズ確認してきたのだが、時間がかかる事とプレッシャーが増すと自ら浮いてまでは見に来なくなり、スポーンのバスが何故か強烈に嫌うジャバテキを巻きまくる事でバイトを感知し、広範囲で緩やかなバンクからバスが気にしている場所を正確に絞り込む事が出来た。ジャバテキは一発で乗る事も練習では多かったが、この時期のバスは基本的に食い気よりも最適なベッドをペアで探しているために、気に入った場所が近いと侵入者を排斥しようと口を余り開かず体当たり的にバイトしてくるケースが多い。
そのため取材では
スピナーベイト、練習ではアンドロイド、試合直前にはIS-200、ジャバロンとプレッシャーに応じルアーが変化していった。そしてナーバスなメスはファットなクランクやシングルフックのジャバロンよりも、細身のミノー型クランクの方が反応が良く、何より細身なだけにフックに「掛かる率」が高くなってきた。しかもサメウラ特有の爆風下では飛距離と精度が非常に大切だった。

当たりの多さだけならスピナーベイトが一番なのだが、掛かる率が低かった。真冬から使っている自信のスーパーブレードもメインに考えたが・・・。

そこで最終的に選んだのがプリにはめっぽう強い懐かしの名作・「イーター」だった。キモはジャバテキで反応があったスポットには、イーターをゆっくり丁寧に何度も通してやる事で、同じスポットに角度を変えて3~4投目で喰ってくる事がしばしばあった。いると解ったら、バス達はこの時期ならではの習性で、ベッド予定地に強い執着があるため余りその場を大きく離れない事が多い。時間を置いてさらに釣り方をライトリグに変える事で、反応のあったスポットから確実にバスを手にする事が出来ていた。

実は隠れた名作フラットサイド「ISー200(夜光貝)」かイーターか最後まで迷った。しかし、爆風での飛距離と精度、フッキング率からイーターを最終的に選択した。

ただ、ジャバテキやイーター等の巻き物に強く反応するのは、天候が爆風で大荒れになった時程良く、一番の問題は晴天無風や曇天無風では、透明度5mもあるサメウラ湖では全くノーバイトになってしまう。しかもサメウラ湖の水位は1日で1~2m増減水する事は当たり前で、タイダルリバーに匹敵する程、場所にバスが定着しない湖なのである。サメウラでは魚探掛けやシークレットポイント探しはほぼ無意味で、日本最大級のリザーバーから素早くバスを即興で見つける能力が一番要求される。故に風が吹くと流れや濁りが生じ、バスの警戒心が薄らぐとともにバスの居場所が特定しやすくなるのだ。今回の試合で一番神様に願った事、それは読みの効く「爆風激荒れ」の天候になる事だった。逆に一番避けたかったのは晴天無風、もしくは曇天無風、その理由はハードルアーが通用しなくなると共に、水温が高くリリースフィッシュも多い下流での超ライトリグに軍配が上がる可能性が高いからである。

ライトリグの超人が揃うTOP50。ストロングスタイル一辺倒で通用する程甘くはない。ストロングパターンを活かすも殺すもライトリグでのバックアップ力次第なのだ。

そして試合本番は残念なことに初日は最も避けたかった曇天無風、案の定、ライトリグが有効打になり自分的には最も苦しい展開となった。しかし、デジーノの完成と共にこの難局を乗り切れる粘りが戻り、塔の谷出口付近で3匹ながら全てメスのビッグフィッシュでまとめ3400gをマーク、11位につけこの日を辛うじて凌いだ。

一番厳しかった初日、曇天無風をハドルフライで凌いぎ3尾で11位。同じコンタクトスポットに何度も入り直し手にした。

今回の試合で実はこの日に使ったDESIGNO MACH M-1とハドルフライ3.5、アンクルミノー3の1.8gダウンショットが全てのベースとなり翌日からのストロングパターンへの布石となった。

今戦のバックアップの主役となったルアー達。
カラーはワカサギのピンクと紫を強調した今江ワカサギが断トツに効いた。

2日目は朝から1分間の流入量が100トンに迫る豪雨。まさに昨年の最終戦最終日の再現となった。この日の影の立役者は実は2月に受けたレーシックだった。生まれて初めてサングラスを付けずに裸眼で戦ったが、豪雨の影響を全く受けない裸眼2・0の視力は、明るい視界で曇る事もなく、集中力を格段に上げライトリグのラインやルアーのキャストコントロールを完璧にストレスなくこなす事が出来た。風はなかったが豪雨の塔の谷ワンド出口〜ミナゴシワンド出口周辺でMACH M-1&アンクルミノー3インチとMACH S-1&アベラバ1.8g&アンゴビを使い10時までにリミットメイク、3800gを確保した。

二日目はまさに豪雨。カメラと体重で100キロオーバーの巨漢?カメラマンのおかげで、恐らくTOP50最遅のボートになってしまったが・・・。

そして、ここからジャバテキ1本にシフト、濁りが入りだした小ワンド出口を中心に上流へ釣り上がるランガン開始、爆風こそなかったが豪雨の濁りがそれをカバーしてくれた。そして入れ替えを繰り返し中流域の緩やかな小ワンド奥でこの日1番のビッグフィッシュをCOUGER&ジャバテキ12gで仕留めた。更に白滝ワンド出口岩盤付近、練習時にバイトを感じた場所でDESIGNO COBRA&イーターに再度シフト。狙い通りに同クラスのビッグキッカーとなるメスを仕留め、12時にはビッグウェイト5キロ超えを確信した。

昨年の旧吉野川戦準優勝にも貢献したジャバロン。
今試合で最も感動した1尾は間違いなくジャバロン140での最大魚だった。

そして残り時間2時間半は釣りをほとんどせず、豪雨によって発生した全レイクの流れ込みの濁りと水温状況をみるためにガソリンが無くなる寸前まで豪雨のサメウラ全域を走った。そして、本流最上流にある白滝ワンド奥の濁り具合とゴミの流入具合、水温がもっとも翌日良くなりそうな気配を感じ、決勝はここまで1尾も釣っていなかった白滝ワンド最奥バックウォーターに賭ける事に決めた。


トップウエイトに僅か5g及ばなかったが、ジャバロン、イーターで見事5キロ越え。
フィネスをパワーが凌駕した瞬間だった。


そして予選2位で迎えた決勝。朝は気温6度と冷え込み、急な気圧上昇に伴う爆風により下流域ですら12度台に低下、水位は一気に2mも増え全く湖は別の表情を見せていた。しかし、この日の予報では午前中は快晴爆風。約30分強のドライブとなる最上流域の白滝ワンド奥は、水温低下が予想されたが逆に水温上昇も早い。勝負は陽が最奥に差し込む10時からと考え、朝一番から第2フライトを利して白滝バックウォーターに陣取った。決勝は一転、じっと一か所で水温上昇を待つ戦略である。狙いは濁流が運んだ流れのヨレに出来る浮きゴミ、その中でも真っ先に朝陽が当たる浮きゴミを最終兵器アベラバ&STINGREY66プロ(7LBと9LBのBFCプロトライン)のベイトフィネスで撃つ戦略である。そして朝一に到着した最上流手前白滝ワンドのバックウォターの水温は9度。この水温が11度に達するか、それともそのままなのか、12時には帰着に向かわねばならない決勝は、まさに神のみぞ知る勝負を掛けた賭けだった。そして10時までの完全ノーバイトを耐えた我に天は味方した。

決勝はエリアも釣り方も全て変えて上流一本勝負に出た。
最新最強のベイトフィネス&アベラバがここで爆発。
4700g4位のウエイトをマークした。

最終日5本4700g4位、総重量唯一人の13キロ越え達成、重量、ポイント共に総合成績1位。最高カテゴリー20勝目、TOP50シリーズ単独最多8勝目となった今回の試合は、私の過去の試合の中でも3本の指に入る完璧に近いベストバウトとなった。今回の私のパターンは全て黒帯リアルファイト「破」編にプラクティスから本戦終了までの全てを収録している。いずれ公開するが、3日間全く違う天候、エリア、釣り方でのプリポーニング攻略としてほぼ完璧なバイブルとなったと思う。是非、参考にして欲しい。

応援ありがとうございました!!今年はもう1勝、いきます!!。

 

 

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