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イマカツ的4種の千鳥コンセプト解説の巻
EG-GOING(http://www.evergreen-fishing.com/cgi/newsdetails.cgi?no=0616#0616)にて、
カレイドデジーノ大阪セミナー動画が公開中。バスワールド付録DVDと合わせてみれば完璧ですよ。



先週、KVDことケビンバンダムの千鳥動画について紹介した所だが、そのKVDがまたしても先日行われたバスマスタークラシックをブッチギリで勝ってしまった。しかもウィニングルアーはまさに先週紹介したKVD1.5.これで実に4回目のクラシック制覇となり、神様リッククランと並ぶ偉業を達成してしまった。今回、KVDが某ウェブサイトに語ったこのクランクの使い方は非常に興味深いものだった。キモとなったのはKVD1.5の「千鳥」、KVD語録的には「KICK AROUND」なアクションを活かした早巻きではない「遅巻き」
KVD曰く、スピナーベイトに体当たりする様な気配を感じ、急な水温上昇と大潮で産卵を強く意識したバスが「食欲」を失ったと判断、リアクションで反応させられる「KICK AROUND」な動きを持つKVD1.5にチャンジしたのが勝因だそうだ。
このキックアラウンドと幾度もKVDが表現する動きは自分には非常にピンとくる表現で、その他のキモも鳥肌が立つ程共感できるものだった。今年もまた千鳥に新たな潮流が巻き起こりそうな気配である。

動画を紹介した直後にKVD1.5でクラシックを勝ってしまったケビン ヴァンダム。タイミング良さすぎ・・・。
個人的予想では「奇跡のKVD1.5」が存在すると見た。

さて、今週は先週書いたKVDクランク千鳥動画に関して、ロケ先で幾度か同じような質問をされたので少し補足しておこう。
千鳥に関して非常によく質問される事に、「どんな千鳥が良いのですか?」と言うもの。確かに奇跡の千鳥と言えども、何が奇跡なのか?実際に動画を見てもどの部分がどうバスに効いているのかは、バスのみぞ知る所だ。確かに自分的にも奇跡の千鳥ってどんなの?と聞かれると、こんなのと的確には表現できない。KVDが動画中で、「何百個ものウッドクランクを買って試してやっと数個見つけても、2,3日本気で使うとダメになってしまう」と言っていたのが実に同感で、確かにその奇跡に永続性がないのも事実に思う。奇跡の千鳥とは、その場その場によっても変わるし、季節や条件によってもやはり左右されるもので、フィールドに長期間滞在して練習しているとやたら反応の良い千鳥(ルアーの動き)がある事に自然と気が付く瞬間があるのだ。


千鳥はもともと一定、規則的でないからこそバスが学習不能な動きな訳で、
2つとして同じ動きがない。故に千鳥の中にも「奇跡の千鳥」は存在するのである。


この事に気が付くと、長期練習ではそれが事実かどうかを非常に確認しやすく、集中してその差が本当なのか思いすごしかを検証する事が出来る。そして、それが思いすごしでない事が実際にあるからバスフィッシングは面白いのだ。思い過ごしではないと確信まで行った時には、大概そのルアーは本番でも他を圧倒する結果を生む事が非常に多い。試合上位に絡む時は、大概、スペシャルな場所を見つけた時、独自の喰わせ方を見つけた時、盲点を見つけた時等が必ずあるのだが、「特殊な動きをするルアーにしか反応しない事を見つけた時」は極めてストロングパターンとなる。この時こそ、並みいるライトリガ―の達人たちの存在など全く気にも留めず、まさにハードベイト一人旅とも言える「別世界の住人」「異次元の展開」になれる瞬間が実際にたまにあるのである。これが試合で出来た時、自分的には最高に痺れるゲームが出来る時でもある。ただ、このパターンが現実的には最も実現困難で、滅多にお目にかかれないだけに、試合後は大きな話題となって一般アングラーにも多大な影響力を与えるのでもある。自分が目指すトーナメントスタイルは常にこれなのだが、よくて1年に1回、平均3年に1~2度程度が現実的な実現率なのである。1年に2回見つければ年間ベスト3には確実に入れる程、その破壊力は「異次元」なのだ。

その効果をひとたび実感してしまうと、ルアーの動きに対する見方ががらりと変わってしまう。
そしてその多くは、数多の真剣勝負の中で、偶然発見する事がほとんどだ。

さて、具体的に私が追及している千鳥軌道には図の4タイプが存在する。左に行くほどリトリーブ速度をスローにしても千鳥を実現する事が可能で、トリッキーでアクションも強くなる。逆に図の右に行くほど高速で散発的に小さく発生する「やや〜微千鳥」となり、巻き感が軽く基本的には「直線軌道」で、千鳥は徐々にスパイス的存在になる。


千鳥軌道のイメージ図。リトリーブ速度は左へ行くほど遅くてもチドる。
個人的には左に行くほど、水深が浅いレンジで効果を発揮する千鳥と考えている。


KVDクランクの千鳥は、正直って今のプラグ制作技術なら簡単に表現できる種類の千鳥で、既に見本品がある以上、作る事自体は造作もない。実際にRC、KVD、XCSのプラグはどれもほぼ同じ形状、同じリップ角度&形状、オマケにウエイト位置もほぼ同じである。しかし、確かにこの手の千鳥クランクはよく釣れる。これは昔から知られていた事実で、正直今頃なんで?と思わないでもない。実際にこの手の「やや千鳥」を持つ優秀なクランクは探せば結構、市場に存在する。
真っ透明なプールで見れば解るが、普通のフィールドでは目視が難しい程の千鳥なので気が付かずに使っている事も多いのだ。古くは「クレイジークレイドル」を開発していた時から意識していた事実でもある。しかし、この千鳥を究極とまで思わせたのが「奇跡のモグチャ」との出会いだった。これは明らかに千鳥が目視可能で、その凄まじい「釣れ方」と、数多の中層モンドリングバイトを目視出来た事が、千鳥そのものの優劣を自分に明確に解らせてくれたと。自分にとって今も究極に一番近い千鳥は「モグチャ」にこそ存在するのである。

今年はもう一度徹底的に「奇跡のモグチャ」を一から鍛え直すつもり。
神の一軍を選定してシーズンに挑む。

ただ、モグチャがどうしても実現できなかった事が、「沈んでしまう」と言う点だった。これを遂に解決したのが「ワドルバッツ」だった。ワドルバッツの動きはモグチャより更に強烈な泥酔系千鳥にしたのは、異次元の中層バスを浮き上がらせてモンドリングさせる特殊性能を小型クランクに与える意図があったからだ。

可愛いだけで作ってはいない「ワドルラッツ」ファーコート。
水への噛みつきが良く、見やすい上、コントロールしやすい。フックやブレードのサウンドも低下する。

基本的に私が考えるバドやバッツの千鳥は「水面(表層)に近い程、派手な泥酔千鳥が良く、潜れば潜る程、直線系地味千鳥が良い」と考えている。これは「水面」がバスにとって餌を追い詰めやすい最高の狩り場であり、このレンジ付近でパニックったベイトをバスが見つけると、「イケる(喰える)!」と自ら進んで浮上する気になり易いと考えている。それ故、広範囲で気付かせる波動とパニック要素が強く、意図的に目視で操作できるカラーや派手な千鳥が良いと考えている。

表層に近い程、派手でスローンな千鳥が効果を発揮する。
モグチャはサブサーフェース目視で釣る事が多く、ワドルより控えめ、KVD系より派手。一番応用のきく千鳥である。

一方、水面下の中層(水深にして1.5m前後、目視不能レンジ)で余りに派手にパニくっているベイトは、バスにしてみれば追い詰める場所がないので「追っても逃げられる」「無駄骨」と考え、バイトを諦めやすい傾向があるように感じる。逆に水中ならバスの存在に気が付かないで自然に泳いでいるベイトを表現する規則正しい波動が必要で、その直線軌道の中に「気が付かれたか!?」とバスをたまに不安にさせる様な「バイトトリガーとなる千鳥」が必要と考えている。それがJAKAJACK、FC1.5EB、KVD1.5、RC1.5、XCS100等に備えられた「やや千鳥」の意図する所だと考えている。

KVD、RCと同じ系統のキックアラウンド(やや千鳥)アクションをもたせた霞ジャカジャック。
障害物を這うように回避する新型凹面サイドカバークランク。

そして実は今月のバスワールド付録DVDで初公開したが、ジレンマには意図的な「千鳥」を応用したテクニックがある。特にローライトの水中でその名の通り圧倒的な煌めきを放つ「夜光貝ジレンマ」、そして新しくこのために開発した「アンクルテールのスーキラ、ワイキラ」には最高の相性を見せる使い方で、2月〜3月の水温7〜10度で無敵の威力を発揮する。つい先日も超厳しいと誰もがロケを敬遠していた某大型河川でも、まさにこのテクニックに救われた。次号TSRにて詳細解説予定だが、今月のデジーノ付録DVDでも見る事が出来るので是非参考にしてほしい。ロッドは全てカレイドデジーノ"マッハS-1″。ソリッドティップを100%活かした新境地のシャッドテクニックである。







コイツはキテます。
メチャクチャ痺れる動きになったスーキラ&ワイキラのアンクルテールチューン。
シェイクすると最高です。

 

 

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