HOME < K.IMAE Top Secret

SG−PLUSアンドロイドの詳細解説(ルアーニュースクラブより抜粋)の巻
本番で使う事は少ないが、練習時には大きなヒントを与えてくれるビッグベイト。
昨年はハドルストンとビッグバッツを多用してきた。



さて、今週はちょっと久々にビッグベイトに関して書いてみたい。2010年流行語大賞はまさにベイトフィネス一色と言った感じだったが、再びフィネスな釣りが見直されてきた裏で、ここ数年TOP50プロの間でも密かに多くのトップアングラーが実践しているバスの見つけ方がある。ある意味物凄く当たり前過ぎるのと、試合本番ではめったにそのもの本体の効力を発揮できる場面がないため注目されていない。しかし、私自身も昨年、このベイトフィネスを本番で投入する前段階での重要な先鋒として密かに使ってきたのがビッグベイトやビッグバッツ等の大型波動系プラグである。

ビッグベイトの存在は、表に出ないがトーナメントでも間接的に非常に重要な役割を果たしている。
使い方次第で、スキャナーや魚探以上に重要な武器にもなるのだ。

今更感のあるこのビッグベイトだが、近年の試合において実はもはや魚群探知機を使っての地形情報等、サイドイメージやストラクチャースキャンが普及した今、誰もが当たり前に知り尽くしている事前情報に過ぎなくなった。サイドイメージ等で見つけた地形的変化やピンは、逆に多くのプロがシークレットスポットとしてまず初めにやる作業であり、その作業手法も単純故に、サイドイメージ等で見つけたピンほど、多くのプロ達に確認のためルアーを1度は入れられてしまい逆にピン故に一番最初に潰れてしまう「カス」ピンになり易いという落とし穴がある。


最新鋭のデジタル装備を持つバスボートですら、見つけられないバスをビッグベイトは見つける事が出来る。
バスフィッシングも最後はアナログが決め手なのだ。


魚探掛けが好きなプロ程近年成績が出ない裏側には、もはや魚探情報のみで好成績を残せる時代は10年以上前に終わっている事をまだ解らない選手である。公式トーナメントレイクが限られた中で、20年以上試合が開催されている現在、物理的スポット等もはやないに等しい。地形は知っていて当然、それ以上のプラスαの情報を如何にして手にするか、それも「流動性の高い情報」を如何にして素早く掴むかが現在の試合の成績を左右するのだ。実は、この流動性の高い情報、すなわちバスが一時的に群れで潜む様な魚探では探せないショア近くのスポットや、1m以内のシャローのフィーディングバスを如何に事前に見つけるかが近年のトッププロの課題でもあるのだ。

リアルなビッグベイトは如何にも釣れそうだが、探す事に関しては、ワイルドカラーが圧倒する。
ピンクや黄色はビッグベイトには絶対に必要なカラーである。

そして、その鍵となるのが180mm〜240mm前後のビッグベイトである事はTOP50プロの上位陣の顔ぶれを見れば実はハッキリと解ってくる。現在のTOP50上位陣の多くが、フィネスの達人であると同時に、練習時にビッグベイトを多用している事は既によく知られた事実なのである。そしておのおの様々なチューニングを施した独自のビッグベイトを使っており、そのノウハウはほとんど外部に知られる事がない。その理由が、多くのTOPランカー達のスポンサーでないメーカーのルアーである事と、試合本番では別の手法を使って釣るからである。すなわち、ビッグベイトで魚探では解らないショアや完全な中層に潜むバスを探しだし、いると確信してから寝技(ベイトフィネスやライトリグ)で締め落とすように釣って行くのがトーナメントならではの「総合釣闘技」になっている。もちろん試合以外なら、立ち技限定とも言えるビッグベイトでカッコよく勝負を決めた方が見た目に派手だが、「確実に勝負に勝つ」ためにはやはり「総合力」の強さは否定できないのである。

トーナメントを生き残るためには、やはり総合力が物を言う。ライトリグが上手いだけでは勝ち残る事は難しい。
TOPランカーほど、意外にプラではビッグベイトを多用する。

事実、このビッグベイト(打撃技)を有効に生かしたベイトフィネス(関節技)は極めて有効で、昨年の檜原湖、旧吉、サメウラ戦の練習時にはメインパターンにもなっていた。昨年、自分が最もよく使ったのはハドルストン8インチとジョインテッドクロー178、ハドルジャック(大プロト)だったが、とにかく日本の平均的メジャーフィールドでは180mm以上240mm以下が最も重要なサイズに思えた。中途半端な大きさより、魚を引っ張り出す目的なら、180mm前後からその威力が格段に上がってくるのだ。私が一番好きなハドルストン8インチは、試合のソフトルアー使用エコルールに準ずるため、試合で使うためには内蔵の鉛ウエイトを全て取り出し、しかも試合前にFマーク入りのバレットウエイトを入れて現場で作らねばならず、現実的に本番使用は非常にストレスのかかるものだった。しかし、このハドルストンの背針チューンの威力は特筆物で、来季に向けてこれに代わるストレスのないプラグを自分仕様で作りたい気持ちが強くなっていた。

バスの位置がハッキリと掴めているときは160mmサイズがいい。
しかし、バスの方からルアーを見つけさせ、追わせたい時には最低180mmサイズが必要である。

自分仕様の絶対条件は、まず、最低180mmサイズ、そしてスローシンキングではなく「ビタビタのサスペンド初期設定」であること。すなわち、ウルトラデッドで引くために、太いフロロラインの重さ程度で超デッドに沈む程度の浮力で、スプリットリングやフックサイズ交換で沈下調整が可能な程度のサスペンドである事。
そして更にレイダウン等に一瞬でも腹を擦らせて引け、ステイ時のフッキングがよく、フックセットにストレスを感じないで「背針」仕様にも出来る事。無論、ここで動かないI字モードも出来る事はSGプラスから継承する事。その他には、バスが寄って来た時に、バスの動きが映り込んで動いているかに見える鏡面ミラーフィニッシュ、これはステイ時に大きな効果を発揮してくれる。そして最後がステイからのワンジャークで強烈にデカいヒラを打つ事。こう言った要素を持つ改造ストレスのない自分仕様のビッグベイトが来季に向けてどうしても欲しかった。

ハドルストン7インチでは当たり前だったトリプルの背針、フッキングやイージーさを考えると、なんとしても実現したかったシステム。

と言う理由で、本当に個人的に欲しいがゆえに今更ながら作ってしまったのが、採算度外視のSGプラスアンドロイド180である。今更ビッグベイトが大きな金型を償却出来る程売れる時代ではないので、アンドロイドは受注生産のみの販売とさせてもらった。自分が今季使う目的のみで作ってみたビッグベイトなのだが、SGプラスで培ったノウハウを、さすがに180mmサイズにバージョンアップさせただけに、SGプラス160を遥かに凌ぐ余裕の動きと迫力、全てのオプションが安定感を増した素晴らしいモノになったと思う。
今更ながらのビッグベイト、興味のある方は2月6日までの受注期間なので、是非一度、イマカツWEBサイト、もしくはサイドリバーWEBサイト(バスワールド)を覗いてみて欲しい。

昨年試作したジャバロン200ハードボディー&ソフトジョイントのハイブリッドプロトは非常に良かったのだが、採算が全くあわず挫折・・・。
ビッグベイトはもはや量産モノではなく、採算からハンドメイドプラグの世界になっている。



 

 

TOP OF THIS PAGE