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ベイトフィネス最前線講座その(2)の巻
次週、サンTV・ザヒット「虎バス対抗戦後編」ではいよいよベイトフィネス炸裂!
その他にもいろんな秘密が公開です。お楽しみに。



天候には恵まれなかったが、近年稀に見る最高の初釣りスタートとなった2011年。その立役者の一つが、今回もやはりベイトフィネス&アベラバの驚異的釣獲能力だった。もはや自分にとってスモラバは既に「ベイトタックル」で使うもの、それも普通のラバージグとほとんど感覚的に変わらない程に「普通」になってしまった。

さて、今回の最前線講座その(2)は、リールの基礎編である。

限界ギリギリまで肉抜きされたKTFレボオーロラプロトスプール。
KTFの素晴らしい所は、全てTOP50の実戦でテストし抜かれている事だ。
今まで破損が一度もないのも素晴らしい。

ベイトフィネス提唱の開祖でもある沢村氏のKTFレボが、密かにTOP50のごく一部で話題になり始めたのは既に3シーズン近く前になる。この頃はスワンプクローラーやプロセンコー等に1/22〜1/16oz程度のネイルシンカーを入れたワームを、低弾道でピッチングする事をベイトフィネスと呼んでいた。ただ、当初のKTFレボの使用感はさすがにピーキーなピッチング専用機で、誰にも簡単に扱えると言えるものではなかった。また、フィールドのタフさからか、ピッチング一つとってもフォームが美しく丁寧でデリケートなモーションが多くみられる関東系アングラーと、フォームは二の次でも、とにかく打ち込め的な荒っぽく力強いキャストを好む関西系アングラーとでは、そもそもブレーキセッティング自体の味付けから根本的に違っていたのである。この辺の流派の相違はよく沢村氏とベイトフィネス創世記に話し合った記憶がある。すなわち、私と沢村氏でもピッチングに関してクセが全く違うと言う事なのだ。

故にベイトフィネスのグリップに関しても、私と沢村さんでは少し違っている。
私はキャスト以上に、キャスト後に重点を置いたグリップセッティングが結論だ。

その後、幾度かのマイナーを経て、KTFレボは格段の進化を遂げ、現在では更に軽量のリグを安定してキャストできる性能を身につけている。ただ、ここで注意して欲しいのは、スワンプやプロセンコーに1/16ozのネイル、フックを入れた総重量は、およそ7gを超えており、センコー4インチは単体でも平均7gはある。現在の最先端ベイトフィネスとは基本は5g以下での快適なキャスタビリティーを指す。具体的にはセクシーアンクル4インチに1g程度のネイルシンカー、アベラバ1.2g〜2.7gにアンクルゴビー3インチ(頭カット)で約3.5〜5gである。

ベイトフィネスにアベラバ、
今や完全最強、絶大なる信頼を置く私の右腕です。

現在の市販ベイトフィネスリールに置いて、間違いなく実績と安定性から最高峰と言えるのはKTFレボである。確かに軽量ルアーを投げやすいと言う点だけから評価すれば、KTFレボ同等のサードパーティーチューンドパーツは存在する。また、単純に低弾道、環境の変化や腕の上手下手を考えないなら、遠心力ブレーキ採用の軽量スプールが、マグを上回る事も確かである。投げると言う点だけを見れば、現在のサードパーティー市販品はその基準を十分に満たしているだろう。

しかし、ベイトフィネスのリールで一番大切な事、それは「環境変化の激しい現場での安定性能」に尽きる。現場では風も吹けば、雨も降るし、獲物を前にした人間の感覚も室内や駐車場とは全く違ってくる。
また、ベイトフィネスの場合、ハイギア(1:71)相当のギア比は絶対条件である。これは単にピックアップが早い以上に、巻き上げ抵抗のないルアーを素早く何度も短距離で巻き取るピッチングの性格上、ラインスラックの発生による「糸浮き」が巻き取った後のスプール上に発生しやすくなる。ローギアだと、早く巻きあげようとする程にバタバタとロッドが揺れてしまい、スラックが出てユルユル状態で巻き取ってしまう事になる。


ベイトフィネスと超ハイギアリール、そのアドバンテージはショートレンジでの片手フッキングにも物を言う。
バラシも激減する。超ハイギアこそが隠れたベイトフィネスのキモなのだ。


こうして何回も「ラインテンションのない緩んだ状態」でスプールにラインが巻き取られる事で、次第にバックラッシュ率が格段に上がり、1日投げ続けていると巻き上げの遅さも手伝ってストレスの塊のようなリールになってしまうのだ。ましてや慣れない左手(ベイトフィネスリールの基本は右利きなら左巻)で早く巻きあげる程、ロッドはぶれまくりラインは浮いた状態で巻き取られてしまう。
ここで注意すべきは幾らハイギアでも、スプール径が小さければローギアと変わりがなく、ギア比以上にハンドル1回転当たりの巻き上げ長が何cmか、そこをよく知っておこう。

KTFレボが優れた実戦力を持つ本当の要因は、実はスプールやブレーキシステム以上に、非常に高性能、高強度な1:76のスーパーハイギアとレボの大きめのスプール径に隠されている事は意外と知られていない。KTFレボは80%巻き状態なら約80〜84cmの巻き上げ長があり、巻き上げ時にロッドティップもブレにくくスプールの糸浮きが少ない。これは圧倒的有利なスペックなのだ。

ローギアとハイギアの「感度差」が、ボートからハードベイトフィネスをしてみると非常によく解る。
小さいプラグの振動をハイギアは確実に手元に伝えてくれる。
小さい程、同じプラグとは思えない差が出る。

次回はいよいよブレーキユニットについて少しだけネタ明かしをしよう。最前線のブレーキユニットとは、KTFレボであってKTFレボでない、ZPIのようでZPIでもない。ここに1年掛けて追及して来た最前線のベイトフィネスリール最大のキーワード「ストレスフリーシステム」があるのだ。



アブのイメージを根底から覆してしまったKTFレボオーロラ。
しかし、私のリールはKTFオーロラハイギアをベースにブレーキは自分流にいじり倒してあります。

 

 

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