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エンジン全開開始!TOP50旧吉野川戦の巻
最高に盛り上がって、最高にスベった旧吉野川戦。
良くも悪くも、やはり自分はこの瞬間が最高にバスフィッシングの喜びを実感できる瞬間だ。



開幕前から今年の天王山となると感じていたTOP50第4戦旧吉野川が閉幕した。ここまで我慢に我慢を重ねてきた分、この試合が絶対に外せない勝負どころである事は誰の目にも明らかだった試合だった。
結果的には優勝に限りなく近かった準優勝。傍目には勝てた試合を落とし、さぞかし落胆しているかと思われたかもしれない。ここまで3戦、毎回トップウエイトクラスを出し、期待させるだけ期待させて見事にスベってしまう、何とも自分らしい?試合が続いてきたが、今回もさぞかし落胆したのは自分よりむしろ「今度こそ!!」と期待してくれたファンの方達だろうと逆に心配している自分がいる。

今回の試合は絶対に5位以内が最低ライン。それ以下では最終戦年間争いのレースから脱落する。
今回の試合模様も3日間一部始終が記録された。

しかし、本音の所を言うと、自分的には今回の2位は落胆以上に喜びの方が遥かに大きいと言うのが本当の気持ちだ。期待してくれていたファンには申し訳ないが、今再び自分がこうしてここに立つ事それだけで、自分にとっては過去何回もの優勝を遥かに超えた重みと価値を感じているからなのだ。癌で1年のリタイア以来、表立っては意地で復活を目指して来たが、正直、それが決して容易いものでない事は誰よりも自分の身体が一番知っていた。当たり前の様に出来ていた事が、身体の一部を失う事でこれほどまでに苦しく辛いものになるとは、ある程度覚悟はしていたが競技選手として現実は致命傷に近いものに感じていた。

復帰初年度は4位(遠賀)、2年目は3位(旧吉)、
そして今年2位まで戻ってきた。
残すは中央とベスト5復帰だ。

だが、諦めの悪さが人一倍の自分にとって、病気に気持ちが負けての引退は本意ではなかった。年齢的にも引退し、過去の実績を汚さず仕事に専念する方が賢い選択だったかもしれないが、自分はそうクールに割り切れるタイプでもない。やはり自分はバスフィッシング、その中でもトーナメントが一番大好きな、幾つになってもハートは「激アツ肉食系アングラー」なのである。

初日、満水閉門日はジャバロンリアル150でキッカー、
巻き物系はパワーゴビー、
カバー系はアベラバ2.3gベイトフィネス&スキニ―霞クローで5200gオーバー。

復帰3年目の今シーズンまで、過去の今江克隆の強さを知っている人達には、今の私は物足りなく、がっかりさせられる事が多かったかもしれない。しかし、自分自身の中では今、明らかに昨年、一昨年とは違う勝負勘の再覚醒を感じ始めている。それが今季毎試合の様に出して来たトップウエイトであり、今戦の初日、2日目にも見れる爆発力の復活にある。この3試合、タラレバではあるが、最終日にあと1尾25cmのキーパーを釣る安定力が戻れば、お立ち台、優勝と言う全く違った結果になっていた。確かにまだ全盛期の安定感には遠く及ばず、この「あと1尾25cmの壁」こそが最も難関である事は自分が誰よりも痛感しているが、往年の爆発力は確実に取り戻しつつある。そしてその背景には現代トーナメントの主流、草食系ライトリガーを無理して目指すのではなく、肉食獣系プロが跋扈していた旧時代?の良くも悪くも自分らしい「肉食系闘争心」への回帰がある。

そして減水した2日目は旧吉野川マックス級ウエイトの6400g。メインはアベラバ1.8g〜2.3g&霞シェイク(デジーノトリガーレス)を使ったベイトフィネスでのサイトフィッシング。
詳細は今月号バスワールド及びDVDで全公開。

そして、優勝を逃した事に対してさほど落胆していない理由は、バストーナメントは常々1回の試合で本当の力量は測れない事を昔から信条としているからでもある。人間ではなく、自然を相手にする競技では「絶対的強さ」は存在しないし、逆に「運や偶然」が左右する事は他の競技に比べ遥かに多い。故に1日より3日、1戦ではなく年間、1年ではなく10年の、しかも最高カテゴリーでの継続的結果こそが自然を相手にするプロの本当の力量、価値だと自分は評価している。故に過去、累々たる2位の積み重ねの上に時に優勝が存在する事を嫌と言うほど経験し、そして今回、まだ自分に優勝できる力がある事を再び感じられた事実が遥かに勝ったのが本音である。また、新設された水辺公園会場が大勢のファンで大盛況となり、今回全面的にバックアップしてくれた北島町役場、商工会皆さんの期待に応えられた安堵感もあった事も確かだ。

北島町役場、商工会のバックアップ、地元TV局の取材もあり、最高に盛り上がったTOP50旧吉野川戦。
開催の重責を果たせた事も今回の喜びの一つだ。

これでトップ5から大きく引き離されていた年間総合ランキングも4位に上昇、最終戦を残し熾烈なトップ5争いに喰い込む事に成功した。1位の小森プロとの差こそ大きいが、何が起こるか解らないのが最終戦、自分がベストの結果さえ出せば十分にチャンスはあると思っている。

さすがの安定感を見せた小森プロが首位堅守、馬淵LEEがここで一気に年間7位までジャンプアップ。
最終戦は現時点7位まで年間チャンピオンの可能性が残った。

復帰から3シーズン目の最終戦、遂にリタイアまで20年以上毎年繰り返して来たベスト5争いの最終戦レースに再び戻ってくる事が出来た。今はその充実感が全てのマイナス面すら前向きなモチベーションへと換えてくれている。
悪夢のリタイアから再び始まった今江克隆トーナメント人生第二幕「序章」、次回、最終戦サメウラ湖は第二幕「本章」へと続く最高の舞台としたい。

旧由戦トップウエイトに最大貢献したスタックフリー・アベラバプロ。トレーラーはアンクルゴビーとスキニ―霞クローを使用した。



エバーグリーンカップの代表として菊元プロがサプライズ来場。
インタビュアーを務め、会場は最高に盛り上がった。トーナメントがまた新たな輝きを放ち始めた。

 

 

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