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詳細解説・ワドルバッツの基本と使い方・その(1)の巻
チャプター前日の土曜日ロケにもかかわらず、初めて使ったバッツでいきなり52cmを釣ってしまった馬淵LEE。
生粋の超ライトリガ―にもモンドリングバイトは衝撃的だったようです。



さて、遂に秘密のベールを脱ぎ、年初より極秘開発を続けてきたワドルバッツの初出荷が予定通り完了した。今回の出荷カラーは、かなり現代のリアル路線からは大きく離れたルアーらしいワイルドなカラーが中心になっている。これにはちゃんとした理由があって、ワドルバッツはまず、実際に水面直下を普通に巻いてみてその動きを目で見て覚える事が非常に大切であり、同時に一番楽しい使い方でもあるからだ。
モグチャ、千鳥ゴビーがほとんどその動きを実際に着水からピックアップまで目に出来る機会が実戦の中で少ないのに対し、千鳥三兄弟の末弟ワドルは着水からピックアップまでレンジをロッドや巻きスピードでコントロールすれば、最後まで動きを肉眼で見ながら釣る事が出来る。それ故、千鳥アクションとは何かと言う事が、目で見てハッキリ解る事が最大のポイントである。

私の直伝バド使いでもあり、何度もバドでお立ち台に立っている渡辺は、バッツの使い方をいち早く理解した。
バッツはある意味、速く引けるバドを目指した所がある。

ロケや取材では、より見やすい派手な色のバッツを使い水面直下に拘ったリトリーブで撮影しているが、カメラに写っていなくとも、偏光グラス越しの肉眼ではほぼ90%、モンドリングバイトを視認している。2度として同じ軌道、同じ動きをしないワドルバッツを、実際に目で追い、バスが突然何処らともなく出てくる瞬間を目撃する事によって、「千鳥モーション」だけがもつバイトトリガー能力、そしてそのタイミングや「千鳥の質の良否」を実際に学習できる唯一無二のクランクベイトである。

バッツはある意味、水面直下のペンシルベイトのようなトッププラグに似た要素もある。
バイトが出るタイミングや、着水直後のフラップの動きも妙にバスをひきつけるようだ。

だが、正直言って、千鳥三兄弟末弟の通称ケンシロウ事、ワドルバッツは正真正銘のクランクベイト型プラグだけに、長兄モグチャ(ラオウ)、次兄千鳥ゴビー(トキ)に比べると、種々の状況に対する戦闘能力は落ちる。万能的戦闘能力の高さだけを言えば、間違いなくゴビーが断トツの力量と状況対応力を持ち、モグチャの水深を選ばない汎用性と、爆発的破壊力は長兄の名に相応しいものがある。要はビッグバドド同様、純粋なプラグであるバッツは、それを使うべき場所選択とタイミング、天候等の状況のよみがアングラーにあって初めて、その本領を発揮するもので、そのストライクゾーンは長兄、次兄に比べ狭い事は否めないのだ。

毎回、瞬殺で50アップを仕留めロケに保険を掛けてくれるパワー“千鳥”ゴビー。
こいつのデッドスローヨチヨチ千鳥の実戦的威力は想像以上のものになってしまった。
地味だが、一番ヤバい存在かもしれない。
並みのシャッドテールではない。

しかし、ビッグOから始まったバスフィッシングが持つ歴史とその楽しさ、プラグの奥の深さを理解する者であれば、バスフィッシングにおいて「クランクベイト」、その中でも「シャロークランク」で爆発的にハメた時の楽しさ、充実感、ひいいては自己満足度の圧倒的高さは、ハイブリッドのチャター、ワームのゴビーとは比較にならない何かが間違いなく存在する。「釣れた」ではなく「釣ったった!!」と大声で叫べる興奮度、これがバスプラグの凄さなんだと熱く子供の様に語れる感動は、やはり純粋なプラグに勝る存在はない。確かにトーナメントとなれば、千鳥ゴビーやモグチャの実戦戦闘能力の高さがバッツを多くの面で上回るかもしれない。しかし、ルアーフィッシングを楽しむ多くのルアーマンが、およそ餌とは似ても似つかない「こんなもので釣れたら楽しいな」と言う純粋な気持ちがバスフィッシングを始めるキッカケになった人も多いだろう。その1尾のバスとの出会いに熱く感動し、大興奮できる事こそが「プラグ」、特にクランクベイトの値打ちであり、ルアーフィッシングの神髄でもあるのだ。またひとたびキレた時のハマり方の尋常でなさは、プラグならではの爆発的破壊力を持っている。

プラグでバスを釣る事、コダワリを持っている訳ではないが、なにか違う価値を感じるのは事実。
記録に残る試合ではなく、長年、記憶に残る試合になるのも、大概、プラグで勝った試合だ。

そう言った意味でワドルバッツは、プラグフィッシングの累々たる歴史において、全く新しい新たな1ページを刻んだ記念すべき存在になった。私の30数年におけるプラグフィッシングの経験でも、このワドルバッツと同様の動きを出来るプラグは存在しない。「2度と同じ動きをしない」、それがワドルバッツの楽しさであり、それ故にまず、色々な引き方を試してみて、自分の目で動きを覚えてから徐々に「見えない水深で引く」ことが、このプラグの最大のマスター術でもある。

リアル系、メッキ系カラーのモデルも次回は出荷。
リアルながら視認性を高めた独自のカラー配色を採用し、
まるでチャターかスプーンの様に見えるカラーもある。

基本的な使い方は、
●1、着水したら一呼吸置く(2〜3秒程度)。不思議な事にバッツは最初の動きだしの直後に起きる一回目の激千鳥にモンドリングバイトが出る事が非常に多い。撮影でも本当に何故かこの瞬間が多く、この辺はトップウォーターのそれととても似ている特徴だ。また、着水直後慌ててすぐに引くと、ブレードの位置が後方向に定まらず、巻き始めに水面を割ったり、ラインが絡んだりする事があるので注意。飛行時はブレードが腹の下に格納されているので良く飛ぶが、そのまま着水し即巻くとブレードが後方に向くまで水面から飛び出しやすい。着水後、一呼吸置くとブレードは後ろ方向に向くので安定する。

●2、巻くスピードは最初は1:7程度のハイギアなら普通のシャロークランク程度の速さで巻き、立ち上がりは少しゆっくり目に巻き、徐々にスピードを上げて千鳥具合の変化を目で見て覚える。一番、「うぉ〜スゲぇ動き!!」と思える動きが引きごろのスピード。同時に潜りすぎて見失なわないように、適度にロッドを立てていく。但し、ロッドを着水最初から立てて早巻きすると水面から飛び出しやすいので、見えなくなりそうになったら徐々に立てる感じ。ロッドワークや巻きスピードの大袈裟な変化はNG。「一定スピードノーアクション巻き」こそ千鳥の神髄。

詳しい回転式ワドルブレード(PAT・P)の解説は今月発売済みのルアマガ、バスワールドで見てください。

●3、巻くスピードやロッドの立て方で千鳥加減を目で見て覚えたら、あとは目で見て釣っても良し、見ないようにロッドを下げイメージで巻いても良し。楽しすぎて目で追い過ぎるとホゲる事あり。バッツが見えるか見えないかの水深(80cm程度)に達した瞬間、ドーンッとまるでバッツが巨大化したように錯覚する「モンドリアン白腹ウネリングバイト」が起きてビックリする事が多い。特にボーンは色がそっくりでビビる。

●4、バッツが得意なのは1〜2m前後の激シャローと水面。特にウィード周りの水面直下は最強にハマる。また朝夕、雨の日などベイトが浮いている時のブレイクの上や縦ストもハマりやすい。この場合、水深はあまり関係ない。完全に回遊型異次元のバスが来る。実績的には1:7程度のハイギアでの水面に飛びださない「限界速度の早巻き激千鳥」がもっともモンドリングバイト率が高い。外見が常に一定でないソフトな材質のモグチャと違い、外見が一定でバスが見破りしやすい「プラグ」であるバッツは、いわゆる「激荒千鳥」のほうがバイトを誘う能力が高いように思う。リップラップは霞ではかなり効くらしいが、今のところ未知数。ボトムに当てるならバッツである必要がない様にも思う。

●5、ロッドはグラスよりカーボンが良い。全く意表を突いた所から突如ブッ飛んで出てくる事が多く、バスも捕らえる事に必死のためか激丸飲みや激スレが結構ある。グラスだと反転スピードにティップがついてこれず、バレが多発した。むしろ硬めのカーボンで、バスのアタックに対しクロスカウンターで刺さる方が獲れる率が高い。フラットではスーパークーガー610Mをメインに使用しているが、野池やリザーバーではブラックレーサー66Mもベストマッチ。ラインは10〜14ポンドフロロ。太くても千鳥に影響はほとんどない。

モグチャは千鳥過ぎNGだったが、散々テストした結果、どうもバッツは速巻き「激千鳥」の方がバイトが多発する事が多い気がする。
シルエットが常時変化するソフト系と、外見がハードなプラグ系の差なのだろうか。

ちなみに、バッツに関して今の所、カラー的にはリアルカラーより派手で見やすいカラーの方に結果が出ている。これは動きを見るのが楽しくてやめられないと言うのもあるので一概には言えないが、ナベは見ないでかなり釣っている所を見ると、見ない方(見る場合の潜行水深よりやや深め)が実際は釣れるのかもしれない。これは「動きが見やすく、バイトが見えるから楽しい」のが大きく影響している。実際に動きは全く同じなのだが、見えにくいカラーはイマイチ違う動きの様に見えてしまう。ただプレッシャーがかかった時、本当に釣れるのはこちらかもしれないが…。釣果優先か、楽しさ優先か、実に悩む所である…。

上級者向け?メッキ仕様(写真はサンプルなので汚いですが・・・)は、8月上旬出荷予定。
見ないで釣る方が実は難しい?(どうしても見たくなる病にかかるので・・・)。

それでは次にバッツの「使用上の注意」を御覧になってから、新たな時代に突入した世界初、「新次元のシャロークランク」をいち早く自分の武器としてください。やっぱ、シャロクラはバスフィッシングの基本であり神髄ですね!楽しいですよ。



このデブなおじさんはブラックバッツが非常にお気に入りです。
LEEはピンクバッツ、私はレモネードかボーンですね。
まずは見やすいカラーで動きをよく見る事がバッツをマスターする最短距離です。

 

 

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