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TOP50第2戦・天国から地獄への巻
イマカツTOPチームにとって鬼門と呼ばれる霞、北浦水系戦。
チームのメンバーの多くが天国と地獄をみた3日間となった。



TOP50第2戦北浦水系戦が終わった。結果は既にご存じの通り23位。目標とした15位にすら届かない結果に終わった。
今回の敗戦の理由はハッキリしている。ハッキリしているだけに、過去、これほど悔しい思いをした試合はあまり記憶にない。
最大の苦手、鬼門とすら思われた霞水系だったが、今回はこの水系特有の「バスの動きの癖」の読みとるヒントに気が付いた。簡単に言うと、この水系のバスは非常に狭い決まったスポットに年中居つく超レジデンシャル(居住性)型と、環境の変化に恐ろしい程敏感に、且つ想像以上に広範囲に素早くい場所を変える超回遊型の2種である。その理由はバスが安定して住むには劣悪な水質、浅すぎる水深、強烈な風波など、安楽な生存に適した環境とは言えないが故の、バスの絶対生息数の少なさだろう。

広大なエリアにもかかわらず、ライトリグ戦となる霞、北浦水系。TOP50の試合はこの時期もっとバスが多い場所には禁止エリアが多く、非常にバスが薄いエリア、もしくは超有名場所での展開を余儀なくされる。

このレジデン型のバスは特定の水門やドック、テトラ帯、葦など、非常に狭いがそこで生活の全てが完結する箱庭のような場所に存在し、解り易いがためオカッパリからボートから相互に散々攻められ異常にスレているのが特徴だ。しかし、逆にそこにいる事が確実な以上、ライトリグに超人的に長けたTOP50選手の多くは、このレジデン型のバスを確実に粘って釣る方法を選択する傾向が強い。日本最大の広大なエリアにもかかわらず、究極のライトリガーに軍配が上がる理由はここにある。

一方、超回遊型のバスは数が少ない上に延々と広がるマッディーフラットを、神出鬼没に動き回る種族で、極端な話、2時間と同じ場所にいない気すらする。環境水質の変化に異常なほど程敏感で、まったく場所やカバーに依存する気がない。これはバス以上に、ベイトフィッシュにも更に影響が強いようで、風、波、光の角度で想像以上の距離を移動する。
従って、一見、地形的にはさほど何もない場所ですら、突然、超一級のスポット以上の爆発力を見せたりする。それこそ、何もない護岸の杭一本が突然、環境の変化でバスのなる杭になることすらあるのだ。

すぐ横が海の北浦は荒れる方が普通。
バスが済む環境としては極めて厳しい。
それ故に、風と光の角度を読む事が非常に重要になる湖である。

私が今回、「勇気がいる戦法」と書いたのは、この超移動型のバスを当てる方法である。正直、この方法は経験に基づく「第六感」頼りの方法であり、試合経験が少ない霞水系でそれを行うには余りにもリスクが伴う。しかし、自分の見つけた「霞系風読光解術」が、魚探を必死に長期間掛ける場所探しの練習や、水門やドック徹底的にを釣り込む以上に、圧倒的にビッグウエイトが出せる方法でもあったのだ。
ただ、今回の問題は実際に試合本番で、その場その場の状況に即した勘を頼りの場所選択が自分にできるかが問題だった。まさにシナリオのないアドリブの世界だ。

今回、プラでのスーパーメインだった5gヘビーダウンショットでのセクシーアンクル4インチ。
しかし、ゴリが水面に呼吸しに来る様子を見て、試合本番中に急遽閃き、切り替える事に・・・。

そして初日、朝イチに向かった場所は結局、1尾欲しさの公式練習で一番釣れた実績スポットだった。1日3尾釣れれば予選突破は確実なこの水系、どうしても最初の1尾が欲しかった。しかし、昨年同様バイトはなく、その不安は結局、状況を無視してプリプラでのポイントを実績順にしらみつぶしに回る展開になった。昼前までノーバイトノーフィッシュ…。全ての練習実績場所を開け切って初めて、「第6感」を試すしかない状況に追い込まれた。
そして、それはラスト1時間で当たった。練習ではバスを1尾も触れなかった北浦木原のスポットで4連発。最大の1尾をネットイン寸前でミスしたがそれでも3尾21位に踏みとどまった。やはりこの方法こそ正解なのだと確信した瞬間だった。

今回のメインとなった霞パワーゴビー3インチ。
エグジグ2.7gとコンボで使った。
イマカツの「アンクルゴビー」は全て使い切ってしまった・・・。
写真はまた後日。

2日目、しかし、それでも結局朝一番、自分が向かったスポットはまたしても状況を無視した初日の連発スポットだった。ところが、そのスポットは鯉のブッコミ釣りで接近できず、諦めざる得ない状況になった。これが功を奏したのか、もはや「風読光解戦術」を実行せざる得ない状況になっていまった。素直に状況を読んで向かったスポットは、またしても練習ではバスを触れなかったスポット、しかしこれが当たった。外浪逆周辺であっという間に4連発。次のスポットも練習ではノンキーのみだったにもかかわらず速攻リミット達成、既に初日のベスト5に入る3,500gは超えていた。
この日は朝は強風の曇り、11時ごろに雷雨となり、昼には晴天微風という目まぐるしい天候変化のある日だったが故、その変化に応じたスポットを的確に決める事が出来た。雨の後に瞬時にロングランで動いた北浦上流部では遂に怒涛のラッシュ、4500gを超え、この時期の北浦水系5尾のリミットとしては驚異的なトップウエイトを出すことに成功した。
使ったルアーはカレイド「霞シェイク63ML」「セクシーアンクル4インチ、5gヘビーダウンショット」、そして、「エグジグ2.7gにアンクルゴビー3インチとパワー霞ゴビー3インチ」だった。
予選3位通過、総重量も6500gと優勝を狙える位置につけた。まさにこの水系の癖を完璧に掴んだ瞬間であり、この日のゲームは自分のワンデイベストゲームと言っても過言ではない完璧な1日だった。それが故に最終日、地獄を見ることになるのだが…。

2日目、プラの実績を全て白紙に戻した時、バスの動きを完全に読み切る事が出来た。
4500gオーバー、ブッチギリのトップウエイトをマークし、3位に浮上。しかし、翌日、地獄が待っていた・・・。

最終日、この日私は2つのミスを犯した。1つは60艇が30艇になる決勝、ゼロでも30位と勘違いした事だ。今年から60人制トップ60点が与えられるTOP50では、決勝の30人になっても1位に60点、以下2位59点…となる。すなわち1尾でも釣れば最下位30位でも30点が獲得できるシステムなのである。しかし、ゼロだった場合、得点は参加点のみの5点となり、25点もの大差がそこで出てしまう事を全く考えていなかった。逆にゼロでも目標の15位以内は確実と思いこみ、ならば再びトップウエイトを狙いウエイトポイントで1位をひっくり返す可能性に賭けてしまった。15位で良しとした目標が、優勝がちらついた瞬間、久々の勝ちのチャンスに目がくらんだとしか言いようがなかった…。

そして、2つ目のミスは、2日目のトップウエイトの印象が強すぎ、再び「まだ釣れるかも…」と言う昨日の実績場所に目が眩んだ事だ。天候は朝から高気圧が張り出し、すじ雲が発生、晴天無風の完全に昨日とは変わっていた。これなら本来、第一に濃いシェードのできる護岸側を考え、風がなく水門が閉まっている状況から、流れが少しでも出るチョークベンドの川状吐き出し地形を第一に選択し、そこに絡む杭やハードボム等の何かを狙うべき状況だった。
しかし、結局、自分が取った行動は昨日の実績ポイントを順に回る愚かな行動だった。「まだ釣れるのでは…」状況の変化を無視した良き思い出への執着が全てを狂わせた。2日目全ての実績場所でノーバイトに終わった時、時間は既に11時半、帰着1時に修正の余裕はもはやなかった。

今回の試合もDVDカメラが同船。
迷いの初日、腹をくくった怒涛のTOPウエイトラッシュ、
そして人間崩壊への様子が克明に記録された。
トーナメントはシナリオのない人生そのものだ。

全ては自分の愚かさだった。帰着後、予選4位の小野選手が400g1尾で6位に入賞したことから、もしこの日、僅か1尾のキーパーですら釣っていれば、お立ち台は確実だった。
ゼロで終わったことで順位は23位まで落ち、目標の15位すら達成はかなわなかった。油断ではないが、何故、もっと自分の判断力を信じられなかったのか、この試合ほど後悔と悔しさに苛まれた試合はここ数年記憶にない。飾れるはずだった黒船チャンピオンのラストランすら、自分の情けない試合運びで全てを台無しにしてしまった。

2戦を終えての総合ランクは11位。予定のシングル通過はならなかった。しかし、後悔と悔しさを、前へ、より前へと向かう強い気持ちに替えて、今はすぐに次戦会場、檜原湖へ向かう事にした。疲れは色濃く残るが、バスプロは悔しさを糧に徹底的に釣りをして、そこから新しい何かを得ていく事でしか勝つ方法はない。2日目に見せた自分の状況判断力を更に正確に、勇気と確信を持って「試合本番」で発揮できるようになるためにも、今は練習に全力で打ち込みたい。もう、絶対に「ゼロ」にはならない。

今回、とてもお世話になった潮来ホテルの岩佐さん、
快適な環境をありがとうございました。
体調万全で臨めたことに深く感謝します。



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