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奇跡の千鳥、モグチャとバドの奇妙な関係の巻
雨の濁りでモグチャ激釣だった野村ダムプリプラ。
本番はこうは上手くいかないだろうが、いいイメージを作る事は出来たと思う。



開幕戦の練習を一足先に終えたおかげで、色々と段取りに余裕が出来た上、結果的にも今回の選択は非常にプラスに働いたように思う。今回は自分にとって新たに開眼した技もあり、その技が果たして本物なのか、それとも気のせいなのか、それが試したくて今から落ち着かない日々を過ごしている。

野村ダムのウルトラディープでは、ハドルフライ&デジーノでこのサイズが入れ喰いに。
エリート5でお世話になって以来の再会。

さて、今回は「千鳥アクション」に付いて最近私なりに拘っているキモいついて少し話してみよう。「千鳥アクション」と言うのは昔から聞き慣れた言葉だが、「酔っ払いの千鳥足」のようにルアーがふらつく現象の事を指す。昔からこの千鳥アクションを発生するルアーは、バスの攻撃本能を刺激しスイッチを入れるキッカケになると言われてきたが、確かにその理屈は解るが、正直なところ千鳥アクションを完璧に表現するプラグにはお目に書かれた事がなかった。千鳥アクションとは古くは有名な「ウィグルワート」の時代から言われ始めていた記憶があるが、確かにウィグルワートのアクションは速度を上げて巻くとS字軌道に似た不規則に左右にぶれながら、つんのめったように泳いでくる。クランクベイトに関しての千鳥アクションの代表とされるこのウィグルワートに習ったプラグは数々あるが、これまた正直なところ、「千鳥」と言うよりは「蛇行」や「ノッキング」に近く、瞬時にスイッチを入れてしまうキッカケ(バイトトリガー)としては何かメリハリがなく物足りない気がしていた。私が目指す「奇跡の千鳥」はこの手の動きではない。

最近はめったに使わなくなったが、ボックスには常に改造型ウィグルワートが入っている。
昔は春の濁りにはウィグルワートがシークレットとよく言われていた。

一方で私が最も強く「千鳥」に関してその恐るべきヤバさを、身を持って体感したのが「ビッグバド」だった。私はこのルアーで2001年TOP50早明浦戦を勝利し、その後の波動系水面プラグのブーム引き金となった。この「チューンドバド」特有の突如なんの前触れもなく大きくヨタつく不安定な動きと音色は、あのTOP50のプレッシャーの中、3日間に亘って水面を炸裂させ続け、キロアップのWヒットまで経験する驚異的なものだった。

懐かしい写真ですが・・・・この時はまだ、千鳥と言うよりは「水押し&音」にばかり目が行っていた時代。
「よう出るけど扱いにくいバドやな・・・」と試合中思っていた記憶がある。

この時、ブレードをより高く水面から出し、金属サウンドを良くする目的でロングヒートンをヒップアップ状態でセットする方法を編み出し、大流行する事になった。
これはバドの水面から出ている部分の重心位置を高くし、偶然にも千鳥を更に誘発できる効果を生みだしていた。この試合前夜、藤木とともに大阪からバドを取り寄せ、夜中の1時頃までチューンしていた事を思い出す。しかし、この時は優勝してしまったのであまり気にしなかったのだが、確かに1つだけ妙な音色と動きをする「驚異的当たりバド」がその中に存在していた。試合の3日間、釣ったバドの8割がそれだったのだが、それが何故、よく釣れるのかは少し「音色」が違うのが良いのだろうと考えていた。「音色」に目が行くがあまり、その隠された真実に気がつくまで実に8年の時間がかかってしまった。そしてそれを気づかせてくれたのが奇しくも同じ「ブレードベイト・奇跡のモグラチャター」だったのだ。

何年かに一度、こう言った奇跡のハードベイトに出会う。
バンゴB、マッぺ、、イーター、スースレ、バド、ライザークランク、モグチャ・・・その時はほとんどハードベイト1本で優勝か優勝に近い線が出る。

「奇跡のモグラチャター」、岡山の戸田君が作った、恐らくは奇跡的偶然の一致が生み出したであろうこのルアーは、あのときのバドと同じく、超ハイプレッシャーの旧吉野川で大混雑の真っただ中ですら、魔法の様に3日間これ一本でバスを釣り続けた。かつて自分の中でこれほどまでにハッキリと「千鳥」アクションが、バスの本能のスイッチを入れるモノだと言う事を思い知らされたルアーはない。
この時私が出会った奇跡のモグラチャターが発した「奇跡の千鳥」は、バスでなくとも人間までもが「ゾクッ」とする程、それこそ鳥肌が経つ程のものだった。口では上手く説明が出来ないが、確かにその奇跡の千鳥は存在する。

最初、奇跡の正体はブレードの穴位置と重さにあると思ったが、それは条件の一つで、遠心力、慣性力の上に「奇跡の偶然」が必要だった。
今月末のあるDVDで全てが目の当たりにできるだろう。
ちなみにこれらのブレードは0.9g〜1.5g近くバラツキがあり、ベストの重さが確実に実在する。

確実に言える事は、「リールやロッド操作は極力一定」「いつ起きるか予測不能」「一見、普通に泳いでくる泳ぎの中で突然、良いタイミングでハッキリと起こる」と言う点だ。とにかく、リーリング速度を急に早めたり、ロッドで操作を全くしないで千鳥が起きる事が望ましい。
そして、一見綺麗に普通に何の変化もなく泳いでいる所から、全く予測不可能な動きが突如起こる事にこそ千鳥のキモがある。この発生の割合が、ワンキャストで3回程度予期せず起きるのがベストで、それ以外の時は可能な限り平然と泳いでいて欲しいのだ。この千鳥と普通の状態との発生割合が非常に重要で、千鳥乱発や大きな宙返りは逆効果にすらなってしまう。そして千鳥の状態は左右に振れ幅が突発的で大きく、同時に平常に戻る早さとキレがあればある程、スイッチを入れる能力が高いように思う。一瞬、見失う程の変化、まさにストレートボールの中に混じった「視界から突如、消えるようなジャイロボール」が最高だと感じている。

千鳥過ぎや宙返り連発はNG。
予期せず突然、シラフから酔っ払いになるからこそ、バイトトリガーが引かれる。
一冬通して試してみたが、驚いた事に年中釣れた。

現在のモグチャはこの「奇跡の千鳥」に準じる千鳥をノーマル状態でもトレーラーセッティングさえ間違わなければ簡単に発現させる事が出来るが、その千鳥具合を奇跡のレベルまで調整するにはかなりの釣り込みとブレードの反り、当たりの調整が必要になる。どの動きでバスが狂ったように出てくるのか、それを何度も目の当たりにして初めて最高レベルの、「奇跡の千鳥」が解るようになる。従って、モグチャ全部が生まれつき才能は持っているが、天才級の「奇跡のアタリ針」を自ら育てる事が一番大切なのだ。

結局、何が奇跡なのかは、釣りこんで釣りこんで初めて見えてくる「ZONE」的な感覚から生まれる。
奇跡が起きていても、それに気が付かない人の方が多い。
結局は、使う時と場所を判断する能力が第一である。

何故今回、この様な「千鳥」の話をするかと言うと、実は最近、某秘密のDVD撮影で導入した「高解像度スーパースローモーション撮影(ハイスピードカメラに近い性能をもつ動きの解析撮影モード)」で、奇跡のモグチャの千鳥発生メカニズムが完全に解析できたからに他ならない。この映像を見ると、岡山の戸田君が作った奇跡の1個が恐ろしい偶然と、それがモグラジグにワイヤー後付けだったからこそ起きた偶然の奇跡である事がハッキリと解った。
そして同時に、同じブレードを装着する「奇跡のビッグバド」の秘密に、今さらながら気が付いてしまった。モグラが偶然の産物だったように、水が浸入しない目的で行ったヒップアップ・ロングヒートンチューンには、思いもかけない偶然の奇跡が存在したのである。それはまさに奇跡の偶然としか言えない程、余りにも意外なことであり、ヒートンに目が行くが故見落としていた「余りにも小さく、絶大な違い」だった。

ヒップアップヒートンバドの秘密が解ったら大したものです。
まず見ただけでは99%解りません。
私はメチャクチャ納得行きました。(8年間も解らんかった・・・)

逆に言えば、あの時の勝利を呼んだ奇跡のバドは、まさに笑う程小さな「誤差」に近いある偶然が「奇跡の千鳥」を発生させていたのだ。その答えは曖昧なモノではなく、一言で表現できるし、一言で誰もが納得してしまう目から鱗の事実だ。
このバドの謎については、当然のことながら8年掛かって解けた謎だけに、現在それを活かせる機構を開発中のため企業秘密。しかし、モグラチャターの奇跡の発生原因は今月末に発表する高解像度スーパースローモーション撮影の公開画像を見れば、誰もが納得いく形で理解できると思う。

今月25日の秘密のDVD?には「この人」も初登場。
バクラト番長、冬の琵琶湖で頑張りました。
高解像度水中スーパースローモーションでのルアーの動きは衝撃的ですよ。

同時にこのスーパースローモーション高解像度撮影で解った事は、この奇跡の千鳥に近い能力を期せずして発生しているルアーがあった事も解った。手前味噌な宣伝ではなく、「バクラトスイマー」にも期せずしてその「奇跡の千鳥」を発生している事に今更ながら気が付いてしまった。バクラトを高速で引いてみると特に解りやすいのだが、ある一定の速度、そしてバクラトのスイム姿勢がある角度になる瞬間、強く捻じられたテールが戻ろうとする瞬間に妙に不安定な動きを発生する瞬間がある事が解った。一見、泳ぎも不安定でスコーンほど安定感がある訳でもないバクラトが、何故か今も私の取材では圧倒的NO.1の50アップ捕獲率を誇ってきたのか、見えない水中で起きていた意外な「千鳥」がこのルアーにも存在したのだ。

ケチくさいので内緒にしていたが、今までの取材で私がいつも同じようなバクラトを使っている事に気がついた人はエライ。
実は何故か釣れる「お気に入りバクラト」があって、何度も補修して使っていた。
これが千鳥バクラトだとは撮影まで全く気づいていなかった。

奇跡のモグチャに出会って以来、今まで見過ごして来た謎が今次々と解け始めている。ジレンマやスースレの「消える魔球」も言わば千鳥の変形であり、「千鳥」を持たないルアーほど、ボトムやストラクチャーとの2次的接触を利用しなければパワーダウンする事実がハッキリと見えてきた。だからこそ奇跡の千鳥は、最もルアーにとって見切られやすい中層でこそ、その驚異の威力を発揮する。いずれにせよ「奇跡の千鳥」はまだ偶然の産物である事には間違いない。それだけにルアーを開発する上での永遠のテーマがそこにある。「千鳥」とは言い換えれば糸で操られた「マリオネット」が、その一瞬だけ自ら生命を宿したかに見える奇跡の瞬間なのである。


「千鳥」とはある意味、瞬間ダートである。しかし、そこにロッドやラインの操作は存在しない事が凄い事なのだ。
ロッドやラインの操作を極力少なく、
予測不能の3段ダートを狙ったのがジレンマである。
小さく、ラインも細いからこそ許された意図的千鳥とも言えるだろう。3月14日ファーストリリース決定!

ジレンマ60の実釣での使い方、驚異の水中3段跳びも秘密のDVDでご覧下さい。
2月上旬でも、あっという間にリミット5。


 

 

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