HOME < K.IMAE Top Secret

保存版カレイド詳細解説「伝説のボロンロッド、ガゼルを継ぐ者」の巻
カレイドインパラ、
それは伝説のボロン名竿「インスパイア・ガゼル」への4軸の挑戦でもあった。



3回に亘って解説してきたカレイド09年上期リリースモデルの詳細解説も、これが最終回。
最後に登場するのはあの伝説の名竿、ショートロッドの伝説を作ったインスパイアーガゼルの正当後継機種「カレイド・インパラ」である。
カレイド・インパラを設計するにあたって、インスパイア・ガゼルを再度徹底的に細部に亘って検証しなおす作業を行った。まず、インパラをデザインする上で最も重視した事は、インスパイア・ガゼルは62MLと言う表示ながら、金属単繊維素材「ボロン補強」ゆえの強力なトルクと耐捻じれ性能、そして高靭性を持っていた点である。初代コンバットスティックの最大の魅力は、良くも悪くも金属的な張りと剛性を持ちながら、メインブランクにレジン量(脂肪)の比較的多い中弾性カーボンを採用していたため、「張り」と「粘り」と言う相反する要素を奇跡的にこの時代に既に持ち得ていた事である。ただ、レジン量が多く、さらに金属繊維であるボロンをベリー部まで採用し、分厚くグリーンに塗装していたのだから、あまりにも重いその重量感に今では歴史を感じずにはいられない。

もう一度、敢えてこの時期、世にショートバーサタイルを問う。
非主流派最先端、カレイド・インパラ。

しかし、未だにインスパイア時代のボロンガゼルのフィーリングは、一般アングラーを中心に根強い支持を維持しているのだ。その理由は、重い事は承知の上で「ショートロッドながら非常に強く、幅広いウエイトに対応が効き、オールWフットガイドが標準装備のタフなロッドは現在ほとんど存在しない」事が考えられた。実際、昔はこの手のロッドは普通にあったのだが、最近は特にハイエンドモデルでは逆に珍しい存在になっている。

その特性からシングルハンドへのコンバートにも興味があるインパラ。
トップロッドとしても汎用性は高い。

正直告白してしまうと、私自身このインパラは当初全く必要とするモデルではなかった。65以下のロッドに明らかなアドバンテージを感じなかったのである。なのに何故、インパラを作ったのか?その答えを正直に明かすと、スーパー4軸ならボロンの良い部分だけを再現し、かつてのボロンガゼルを完全に超越するロッドが再現可能なのではと言う、純粋に革新技術に対する興味本位だった。しかし、全く同じマンドレルを再現用に使用しながら、ガゼル独特のトルクある粘りと剛性は簡単には再現できなかったのである。
「何故に???」最初は何か設計が間違っているのかと思ったが、検証している間に意外な事に気がつく事になる。この事実が後にカレイド・スピニングの開発に非常に多大な進歩と改革をもたらす事になった。温故知新とはよく言ったものだが、全てが高精度、軽薄短小に進化すれば快適便利と言うものでもない事を、改めて痛感する事になったのもこのガゼルのおかげである。この件に関して詳細は今暫く内緒である。

ボロン素材でバスロッド界を席巻した
初代コンバットスティック、
あれから20年、遂に再度の劇的進化を果たした。

この温故知新的発見は、インパラを見事にボロン・ガゼルの領域に到達させた。無論、予想通り、スーパークワトロの特性は中弾性ピュアカーボンにボロンの強靭性と、捻じれを封じ込む剛性を与えた。同時に重量は劇的な軽量化を果たした。そしてここに近年では希少な存在となる6フィート2インチのMクラス、しかもチタンフレームオールWフットガイド仕様のショートバーサタイルロッドが復活する事になった。その特性はボロン・ガゼルがそうであったように、Mクラス・レギュラーアクションながら、余裕溢れる破格のトルクを温存する。事実、バカラックのテストでは、渡辺が60cmを優に超える10ポンドオーバーを2本、このインパラとピラーニャ70で仕留めているが、黒帯IX DVDを見ての通りハンドランディング寸前まで完全にサイズ誤認をしてしまっている。これこそが、ボロン・ガゼルの、そしてスーパークワトロ・インパラの突出したトルク特性をハッキリとあらわしたものだと言えるだろう。硬いMでなく、強いMと表現すべきだろう。

バスが船べりギリギリに来るまで「大したことないよ・・・小さい・・・」と余裕かましまくりだった渡辺。
ランディングしてみると64cm10ポンド12オンスだった。

個人的にはこのロッドを私はメインとして使う事は少ない。しかし、もし私がトーナメントプロでなければ、このロッド1本を車に積んで週末を気軽に楽しんでいたかもしれない。
推奨できるルアーとしては、クランクならIK-50〜IK-250までは余裕の守備範囲、ZINXも1/4〜1/2ozはベストフィットだろう。トップに関してはLOTやマイケルから、ザラスクープまで非常に広範囲に適応し、特にロッドワークを必要とする水面系や90mm程度のジャークベイトには62Mは最適の取り回しだ。想像以上にしなやかに入るティップはウエイトののりが抜群に良い。ワームジグに関しては電撃系セットフックには向かないが、3.5〜7gテキサス、ベイトネコ、CCラウンド系ジグ、ダイナゴン3.5〜4インチノーシンカーは余裕でカバーする。まさにショートバーサタイルの名に相応しいロッドだと言えるだろう。

霞のようなショートレンジのゲームが主流の湖では出番は増える。
霞戦以降、既に数機種のインパラ変化系霞専用機種を霞WBSメンバーがテスト中。

さて、これを持ってカレイド09年上期リリースの詳細解説は一旦終了。これまでリリースされたカレイドは、どれをとっても悩んでしまう程素晴らしいロッドになっていると思う。
何より、SUPER QUATTRO-Xのいい所は、その違いが「明快に使って解る」と多くのユーザーが語ってくれている事だろう。

もちろん、上期ベイトモデルの新規リリースは終了したが、嬉しい事にリピート生産は非常に好調である。是非、この詳細解説をよく読んで理解し、貴方にとって最高の1本を手にしてみて欲しい。

いよいよ9月、
カレイドは世界初スーパー4軸スピンギアへ進出!

 

 

TOP OF THIS PAGE