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エリート5閉幕・わが戦いに悔いはなしの巻
我が戦いに悔いはなし、そう言える試合はなかなかない。
しかし、この試合は私にとって本当に大きな意味を持つ試合になった。



2008年エリート5が終わった。結果は2位。結果だけを見れば小野プロの完勝、今年の最終目標として公言したエリート2回目の勝利は叶わなかった。しかし、今回のエリート5は私にとって勝利以上に価値ある大きなものを取り戻す最高の機会となったと思う。

TOP50上位に入るだけでは出ることのできないエリート5。
選ばれた5人には選ばれたことに対する責任の重さが伴う試合だ。

今だからこそ言えるが、今年の自分はメンタル、フィジカル共にとてもまともにトーナメントを戦える状態ではなかった。自分の想像をはるかに超える体力の低下、そしてそれに伴う気力の低下、結果が出るはずもない試合が苦痛以外の何物でもなかった。私が一番勝利しなければならなかった最強の相手は、自分のトーナメントに対するモチベーションそのものだった。奇しくも様々な環境的制約からトーナメント人気の陰りは色濃く、各メディアにおけるトーナメントプロの扱いの悪さにも嫌気がさしていた。

トーナメントが好きだったはずの自分が、トーナメントが辛くなっていた。
しかし、そこを乗り越えたときまた違った世界が見えてきた。

辞めてしまうならこれほど好都合な時はなかったかもしれない。しかし、自分のバスフィッシングへの想いはそれを潔しとはしなかった。やはり自分は公式ルールの下で競い合うトーナメントあってのバスフィッシングが好きでここまで来たことは紛れもない事実であり、今もその想いは変わらない。檜原湖シングル、遠賀川お立ち台、そしてエリート再選、優勝の復活へのシナリオ公言は、今にも折れそうな気持ちをとことん追いこみ、後に引けなくさせるための最後の手段だった。全く勝算や復活の手応えなどあったわけではない。しかし、「言霊」という言葉があるように、自分の目標を敢えて言葉にすることで自分は時に強くなれることがある。

勝負師は時にビッグマウスなくらいの方がいい。
自分を追い込む強さも必要なのだ。

エリート5はJB・TOP50の2008年トレイル上位20名の中からファン投票で選ばれた、たった5人の特別な意味を持つ試合だ。3回目の出場となった今回の舞台は、千葉県と茨城県にまたがる巨大河川・利根川ほぼ全域。全エリア100km以上にも及ぶ、下流域の一部以外、全く初めての地で与えられた時間はわずか4日。情報のほとんどない私にとって過酷極まりないアウェイでの戦いとなった。優勝など最初から何も考えてはいなかった。ただ、自分で自分にした約束通り、ここまで戻って来れた事に特別な想いがあった。もう後は神様にもらったオマケ、思いっきりやるだけだと言う開き直りに近い気持が、思いもかけないパワーとなった。

大荒れの天候となった初日、私にとっても愛艇レンジャーにとっても、まさに限界を超えたラン&ガンとなった。

この冬一番の大寒波が襲来し、風速11mを記録した大荒れの初日、私の全走行距離はゆうに100kmは越えただろう。バスボートの機動力、性能、そして肉体をまさに限界ギリギリまで使い切った、直感頼りの全域ラン&ガン。無論、ライトリグに手をかける事はなかった。スコアこそ寒波の影響でロースコアになったが、試合内容としてはこれほど充実し、熱くなれた試合は久しぶりだった。そして2日目、この2日目こそが結果以上に、私がトーナメントに対する「モチベーション」を再び完全に取り戻すターニングポイントとなった今年のベストゲーム、ベストマインドと言ってもいいかもしれない。

ほぼ100%ダイナゴンのテキサスリグとフットボールで通した
2日間。魚探を一切使わない展開だった。

今回の詳しい内容はバスワールドTSR特別編としてまず12月25日にエリート完全密着編として誌面で公開されることになる。そして全ての実録は1月4日、スカパー釣りビジョン「ELITE5・CASE OF K・IMAE」で放送される。自分で言うのはおこがましいが、今回の試合は是非、皆さんに見て欲しいと思う。2回目の制覇は叶わなかったが、本気のトーナメントスキル、そしてメンタル面共に見てもらうに恥じない、選んでもらえたことに十分に値する内容だと思う。雑誌やDVDで見れるメディア版イマカツとは全く違った、もう一人の純粋なトーナメンターとして復活した本当の今江克隆を見て欲しい。

真冬並みの大寒波だったが、2日間に亘ってリミットメイク。
キッカーも狙って入れることに成功した。

そして今、ここにメンタル、そしてテクニカル面での完全復活を宣言したい。フィジカルの問題は依然、深刻ではあるが、逆にこの状態でもここまで来られた事は大きな自信となった。このシーズンオフ、もう一度本気でフィジカルを100%に戻す努力をし、今年の借りは来年必ず倍にして返したいと思う。応援、ご協力、心から感謝しています。有難う御座いました。

投票&応援ありがとうございました。
来年は今年より遥かに強い今江克隆をお見せします!

 

 

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