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IK-50の必殺技「ホバリング」クランク解説の巻

カバーと水面の間でIK-50がクルクルとホバリング
しているように見える事からこの名がついた
「ホバリングクランキング」
野池では最強シャロークランクテクニックだ。

この原稿が更新される頃にはすでに九州にプリプラ滞在中だと思う。今回はストック原稿からの更新です。いよいよターンオーバーの気配が漂う各地のフィールドは、いよいよ巻物が好調になってきている。今月号ルアマガ取材では秋の野池の狙い通り、シャロークランクで50アップをキャッチ、その後も次々とナイスサイズが狙い通りに飛び出してきて、とても楽しく1日で取材を終えることができたのだが、その時に使った「ホバリング」というテクニックを詳しく紹介しよう。

ルアマガ紙面では詳しく解説できなかったので、
今回、ホバリングの肝を徹底解説します。

通称「ホバリング」とはIK-250、180が得意とするライザークランキングをIK-50シリーズに応用したテクニック。「ライザークランキング」とはIK-180、250、HU-300など専用設計されたクランクをいったん少し潜らせ障害物にあてた直後、ラインの重さ(スラック)と、ルアーの「浮こうとする浮力」を丁度釣り合わせるようにリトリーブでテンションコントロールすると、浮きあがれそうで浮きあがれない、潜れそうで潜れない拮抗状態になり、ルアーがその場でモジモジとお尻を振りながらもサスペンドしたように(実際は極めてスローに前進しながら浮き上がっているが…)なる状態を言う。
これが専用設計されたイマカツクランクとHUクランクに共通するオリジナルコンセプトだ。しかし、これをIK-50、特にシリーズでも最もリトリーブ距離に対して超敏感なハイレブ(高回転)型IK-50S(基盤リップ型)に応用すると、超シャローで素晴らしく幻惑的で官能的な高回転静止運動「ホバリングアクション」が出せるのである。

こんな激浅のレイダウン等がある場所で「ホバリング」は生きてくる。

IK-50の「ホバリング」は「ライザー」とは明らかに異なり、ピンポン玉級の高浮力と引き抵抗に対し超敏感なリップレスポンスで、ディープクランクに比べはるかに「ハイレブ(高回転)」で、まるでヘリコプターのようにクルクルと明滅を放ちながら距離は動かないのにその場で動かし続けることができる事にある。このホバリングを野池のレイダウン等に絡めて、バスをじらすように「水面直下で目で確認しながら行う」と、もんどりうってデカバスがIK-50を食いあげてくるのだ。コツは色覚変化のわかりやすいブルーバックチャートなどの水面下でも見やすい色を使うこと。ホバリング状態を目で確認しながら「サブサーフェイスで展開」するのがこの釣り方の基本だ。

バイトの瞬間は水面が捻じれた様に渦巻く。
サブサーフェイスならではの迫力あるバイトが楽しめる。

そしてロッドは今回のルアマガで見てほしいが、ロッド以上に構え方が重要で、ロッドは45度くらいに立てて構える。そしてラインが真っすぐにならないように、ダランとラインの重量をIK-50に「持たせるような感じ」で超超ゆっくりとリトリーブする。実際は少しずつクランクは引くに従って進んでいるのだが、ラインのたるみと浮力が一致し、水面下50〜1m前後で潜るに潜れない、浮くに浮けないイライラ・クルクル回転状態を作ることが肝だ。派手なカラーで目で確認しながら、まるで一か所でクルクルと目まぐるしく回転しているかのように見えたら合格。バスも目を回してイラついて出てくる感じだ。このホバリングクランクは実は某チビバルサクランク(かつてWEBで紹介したJP−S4プロト)が究極のアクションを醸し出してくれていたのだが、残念ながら超高価の上、あまりにも製品ばらつきが多く、スーパーな奴を手に入れるには恐ろしいほどの数を選別しなければならなかった。そこで安くで均一なクランクでホバリングクランクができるモデルが作りたくて完成したのがピンポン玉級の浮力とホバリング専用の一点集中型低重心設計のハイレブ型クランクIK-50なのである。ちなみに今回は野池のレイダウンを攻略したのでもっとも回避力の高いIK-50S基盤リップを使ったが、実は最もハイレブなのはラウンドモデル。根ガカリが少ない場所やロックエリアではラウンドがお勧めである。

重心を一極集中型にし、
ウォブルピッチを限界まで速くしているIK-50シリーズ
透明カラーがないのはABSより遥かに比重の軽いPS素材のボーンナチュラル(素材色)を使っているからだ。

なかなか普段は狙いにくい皿池型野池でオカッパリする機会が少なく、IK-50の出番は少なかったのだが、今回は減水がひどく、ライザーの進化形「ホバリングクランキング」の威力を思いっきり実感できた取材だった。ちなみに野池がややクリアーな池の場合、リップライザー110がこのシーズンからは強烈に効いてくるので、クランクと同じ感覚で使ってみてほしい。「ゆっくり巻いて止めて、張って浮かす。」この繰り返しだけでオッケー。まずは大きすぎると尻込まないで110を使う事をお勧めします。山間の池ではだまされたと思ってIK-250を池のど真ん中に通してみよう。思わぬ出来事が結構起こることがありますよ!
                                        


IK-250のライザークランキングはオカッパリでも絶大な威力を発揮することがある。
このライザークランキングをIK-50に応用したのが「ホバリング」。

 

 

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