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時間が三倍速の今日この頃の巻

1月のフィリピンに続いて今週末から
デンマーク経由、スウェーデンへ。
ABUの故郷への旅。

年々忙しくなることは幸せなことなのだろうが、今年はちょっと例年にも増して少々度を越してる感じ…。最近は目の前に迫ってきた仕事をこなす事に精一杯、自分的には結果にかなり欲求不満が溜まっている状態だ。先日はあまりの日程タイトさから企画史上初めての僅か日程1日の「日帰りTSR取材」になってしまった。しかし、チョッとした気転でその湖では最高サイズとなるスーパービッグフィッシュ2発を仕留め大成功。そして週末からは親善大使となって北欧スウェーデンABU社に暫く滞在予定である。まさに時間が三倍速で流れてるような気分だ。

子供の頃、なによりも憧れだったスウェーデン製
ABUのリール。
遂にそのABU本社から招待状が届いた。
これ以上光栄なことはない。楽しい旅になりそうだ。

まあでも、ようやくあの悪夢の手術、退院から1年が経った。トーナメントに本格復帰して初めて自分の基礎体力が想像以上に衰えていることにショックは受けたが、あの地獄の淵から現役復帰できたことが既に自分にとっては大きな勝利。今年は心身ともに再出発、再構築の年。焦らずじっくりと先を見据えて万全の体調、体制へと戻していくつもりだ。さすがにスーパーマンじゃないしね…。

生まれて初めての手術が癌・・・あれからようやく1年が経ち、現役復帰できた。
本当の勝負はこれからだ。
(ん?・・よく考えてみれば、腰の手術をしていたので、生涯2度目ですね。)

そのためにも今年1年は試行錯誤の年とも考え、水面下では色々と昨年とは違った試行錯誤も展開している。昨年はメディア中心の仕事を充実させたためか、メディアロケ等でのビッグフィッシュ捕獲術は劇的に上手くなったが、おかげで昨年はPEライン以外のスピニングをほとんど触ることがなかった。しかし、所変われば興味も変わるもので、今年はトーナメントに復帰したことで気づいた、若手TOP50プロ達の劇的なスピニングテクニックの進化が実に新鮮で興味深いものになっている。

超人レベルのフィネスがあってのストロングパターン実行、
ストロングパターンだけのゴリ押しが通じるほどこの世界は甘くはない。

トーナメントを離れてしまうと全く興味すらなかった分野だが、実は今一番挑戦したくなったのがこの分野だ。ダイナミックな釣りにハマっていると、ついつい軽視しがちなスピニングの釣り。しかし、その威力は昨今のトーナメントシーン、週末の混雑した釣り場ではやはり絶大な差になって現れてくる。ビッグフィッシュはともかく、いつでも確実にバスを手に出来る技術と手段を持てば、結果ビッグフィッシュへのアプローチが精神的余裕を持って望めることになる。元来、自分はそのことに最も長けたプロだったはずが、いつの間にかメディアパフォーマンスのビッグフィッシュエンドルフィンに犯されてしまっていた。只それほどビッグフィッシュ&ビッグゲームに魅力があることも事実なのだが…。

確かにビッグゲームは派手だし一発の確率は格段に高い。
昨年以来、取材での50アップ捕獲率はNGなしでほぼ100%に近い。しかし、トーナメントではそれが仇になることも・・・。

と言うことで今年はスピニングギアに久々に触発され、現在様々な試行錯誤、そしてルアー、ボート、魚探においても色々昨年とは違ったアイデアを試行錯誤中ある。その試作品の一つが先日のワンデイTSR取材で攻を奏した。僅か1日再撮なしと言う追い詰められた危機感が、フィネスの真髄を再び体感させてくれた。もともとエアリアル時代からパワーフィネスまで、絶妙なバランス感覚を必要とするスピニングギアの開発には自信がある。

トーナメントユースオンリーのスピニングを企画するのは何年ぶりだろうか・・・
昨年からTOP50ではスピニング革命が確実に水面下で起こっていた。そこまでやるかっ!?てくらいに・・・。

しかし、既に全タイトルを複数回獲得し、エリートも初代制覇して以来、正直、日本のトーナメントに対する魅力や目標を失いつつあった。もう日本のトーナメントで成すべき事は成したつもりだったし、昨年の大病は体よく引退し、過去の栄光でビジネスとしての釣りに専念するには格好の理由だったかもしれない。しかし、様々な逆風と人気の低迷が囁かれる日本のトーナメント界だが、それでもアイバーソン、江口という久々に圧倒的力を持つ若手が頭角を現しはじめた。そして本当に唖然とするほど強いアングラーが現実存在することを目のあたりにし、再び勝負師の血が騒ぎ出してしまったのだろうか。メディアプロにはいつでもなれる。コテンパンに打ちのめされ、自己嫌悪に陥るようなマゾ的な刺激と屈辱が好きなわけでは決してないが、それがあるからこそ、克服したときの喜びはトーナメントの現場に触れている者にしか得られない爆発的な充実感と快感なのだろう。
そんな気持ちが、久々にトーナメント専用特殊スピニングの開発に本腰を入れ始めている次第だ。

ハッキリ言って今じゃ現役マスターゼッケンNO.8のナベの方がライトリグはウマいかも・・・。
でもケチやから教えてもくれません。

まあ、さすがに歳も歳、立場も昔とは違うので、無理しすぎてまた体調を壊さないよう留意はしなければならないが、ここまでやっても未だバスフィッシングの進化の可能性と奥深さに興味の尽きない今日この頃である。

 

 

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