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TOP50第2戦を終えての巻
本気のトーナメント復帰はやはり取材レベルの比ではなかった。
完全復活への道のりは遠く険しい。



TOP50第2戦七色ダムが終わった。結果から言うと37位予選落ちという、ふがいない成績に終わった。今回の試合はプリプラで組んでいた戦略的に大きな読み違えがあったことは事実だが、それ以上にこの2戦を通じて今の自分のコンディションが、まだ参戦するだけで精一杯の状況にあることを痛感せざるを得なかった。
今回、プリプラでは1日あたりの体力的負荷を減らすためやや長めに期間を割いたが、本戦の5日間を無事戦い抜きたいと言うメンタルプレッシャーは知らず知らずのうちに自分の釣りに対する気力と体力を大きく削っていた。敗因は間違いなく基礎体力の低下による集中力、注意力の欠如、判断力、決断力の遅れにある。頭と身体がちぐはぐ、其処から来る焦りや苛立ちからスローエリア違反でペナルティーを科せられ、そのハンディを挽回しなければと言う焦りが初日の荒っぽく雑な試合展開へと繋がった。しかも、プリプラ前半にロケを入れていたことによって、そのロケを成功させるため、その時のベストパターン探しに終始してしまい、その結果が強烈だったが故に、思い出の引き出しを全て開け切るまで過去のパターンに最後まで固執してしまった。事実、ほぼ全員が100%のリミット達成率だった初日、私がリミットを達成出来たのはラスト1分と言ってもよい土壇場だった。しかしそこから更にペナルティーがマイナスされ結果は41位、最低得点の5点スタートと言う最悪の結果となった。

2日目、初日の結果からよほどのウエイトがない限り予選突破は不可能、本来ならリスキーな一発勝負に出るべきなのだろうが、今回は敢えてプリプラのパターンを全て捨て、基本に忠実に、本気で一度フィネスに徹してみる決意をした。このままではライトリグの名手達に二度と追いつけなくなるような絶望的差を感じだからだ。
その結果、初日の苦戦が嘘のように僅か1時間でリミット達成、3時間以内に10回近い入れ替えを繰り返しベースウエイトとしては十分な2700gを超えた。久しぶりにライトリグの強さ、そして楽しさを思い出せた3時間だった。このまま入れ替えを続ければ3キロ前後まではウエイトを伸ばせたかもしれないが、3キロでも予選落ちの可能性が高い。残り時間の全てを一発狙いに切り替え、1尾の60cmクラスを見つけ最後まで幾度もトライしたが、そのバスを仕留めることはできなかった。

そして結果は予選落ちの37位。せめてもの救いは本気でライトリグに徹すれば予選は通過できるだけの力量は残っていたことかもしれない。しかし、今の自分にとってそれは全力で守りに徹すればの結果であり、本来これはバックアップで出来て当然のスキルのはずだった。
復帰緒戦を予選通過ギリギリの30位で終わり、2戦目は37位。予選通過を目標にするなど今までの自分では考えられないほどの低い目標だ。
ただ、これが今の自分の現状なのだ。かつてのトッププロがブランクを経て、いきなり活躍できるほどTOP50トーナメントのレベルは甘くはない。現在の日本において人気はさておき、間違いなく実力は超最高峰のレベルにある。その戦いのフィールドに自分の意思で戻った以上、結果に対し何も言い訳できないのがこの世界なのだ。今回もまた「現役トーナメントプロ」達の圧倒的強さを思い知らされる結果になった。
おそらく今年1年、自分にとってかつてない苦しい戦いがこれからも続くだろう。だが、まだ自分に悔しいと思う気持ちが強く残っている限り、どんな結果になろうとも最後の最後まで戦い抜く決意は変わらない。強い今江克隆の完全復活を期待してくれているファンの皆さんには申し訳ないが、今は別の意味で強い選手でありたいと思っている。

 

 

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