HOME < K.IMAE Top Secret

ワイスタとバリスタ、WHAT'S THE DIFFERENCE?の巻

ビッグフィッシュはその存在自体が激しく美しい。
ワイスタはその出会いを確実に制圧する。

いよいよワイルドスタリオンが近日発売になる。
トルクのあるロッド、粘りのあるロッドに対する私なりの回答は「掛かった負荷の大小に応じて、その負荷を吸収すればするほど、逆に余裕の反発力を発揮するロッド」と言う結論になった。要は軽い力だとティップ〜ベリーがしなやかに追従して行き、必要以上の反発力は起こらない。しかし、強烈に負荷が掛かり始めるとその負荷を受け止めれる部分(ベリー〜バット)にかけて「グラデーション」のようにビッグパワーが追従し増加するロッドと言うことになる。

数百尾の50アップに鍛えられたトルクとパワー。
全てはここメキシコから始まった。
この特性を既に実現させているロッドはある。アマゾンフリップ・バリスタがそれだ。「大弓投石器」の名を冠したこのロッドは、低弾性のレジン含有率の比較的高い、分厚いカーボンをメインに使い、肉厚で巨大なトルクをロッド全体で発揮する。ビッグベイトやビッグスイッシャー、スイムベイトなどを載せて投げることに長け、吸い込みをはじかないソフトさを持つ。

バリスタは自分的には巨大魚対応のプラグ系中心のヘビーロッド。
この程度のピーコックなら楽勝だった。
即ちバリスタはスイムベイト、それも当時全盛だった「巻いて」使うビッグベイトを強く意識した「レギュラースローアクション」で、グラスロッドにやや近い特性を持つ。ゆえにティップからバットへのテーパーは竿全域にウエイイトを乗せ、瞬間的なショックを吸収する特性を持たすため、やや緩やかなミドルテーパーを採用している。20ポンド近い怪物ピーコックやメーターオーバーの川虎パヤーラ、世界記録級のバラムンディーの猛獣のような突進すら受け止める強烈な粘り腰が特徴だ。

もう一度戦りたい怪魚パヤーラ。
コイツのファイトはマジで究極のゲームフィッシュだと思う。
一方、ワイスタには中弾性、低レジンの純度の高い軽量高強度カーボンをメインにし、肉厚に使用している。バリスタとの決定的な違いは、ワイスタはファーストアクション(先調子)にもなり、同時にスローアクション(胴調子)にもなりえると言う点だ。
ワイスタはもっともカーボン素材の中で技術的に安定感があり、一番汎用性の高い中弾性素材の最大の良さを生み出すために、あえて時代に逆行し、素材に無理をさせない「余裕のあるロッドの太さによるテーパー変化」でアクション、パワー、トルクのトータルバランスを突き詰めていったロッドである。

メキシコ・バカラックには本当にいっぱいいたワイルドスタリオン。
いよいよ今月デビュー。
 
理想のテーパーによるアクションを出すため、ロッドの太さや長さ、重量に最初から制限を決めず、まずずば抜けたトルクと圧倒的パワーを持つテーパーを出してから、影響のない部分だけを削り込むと言う、通常とは逆の手法で組み上げていったのがワイスタだ。したがって相手の力が強力であればあるほど、曲がれば曲がるほど、強く極太なバット径から生み出されるとてつもないパワーが「グラデーション」のように発揮される。そこまでのパワーを必要としない相手や、リアクション的なスピードバイトに対しては、ファーストアクション(先調子)で掛ける電撃すらも可能としているのがバリスタとの決定的な違いだ。

柔軟で太い筋肉を連想させるワイスタのベントカーブ。
その潜在的パワーは50cmクラスでは物足りないかもしれない。
したがって、1/2ozのジグも何の苦もなく扱えるし、3ozのパンチリグも問題ない。掛ける合わせも、送る合わせも、その優れたパワーとトルク、そして長さからくるアドバンテージで余裕でクリアしてしまう。裸の状態で持つと、結構ズッシリとそのトルクあふれる迫力が誰にも一目瞭然で解るが、リールをセットするとビッグテーパーの手元バランス特性が効き、意外なほどに軽いと感じてしまう。とにかく振り抜きの爽快さは病みつきになるほどで、大遠投性能は極めて高い。
バリスタに比べフィーリングは違うが分厚いトルクは互角、しかし、操作性において瞬間的パワー、フッキングのキレはワイスタが完全に上回る。

もはや日本でも完全にメインロッドになってしまったワイスタ。まさに世界基準のパワーロッドだ。
私自身はバクラトスイマーにはもはや絶対的存在で、今やこれなしでは考えられないロッドになってしまったが、ジャバハード、バズマグ、3/4ozクラスのスピナーベイト、IK-400以上のディープクランク、もちろんラバージグ、パンチングにと非常に幅広く使える余裕がある。また1〜2ozのヘビーキャロライナの遠投性、操作性には抜群の相性の良さを持っている。
本音で言って、まさかワイスタがこれほどの存在になるとは全くの予想外だったが、今年、ほとんどのビッグフィッシュをワイスタで仕留めている事実を考えれば、何が当たるか時代は解らなくなってきましたね…ホント。


寒くなってくると海外が恋しくなる今日この頃。
今冬はどこへ行こうか・・・。

必ずもう一度行きたいメキシコ。
今度はどんな感動が待っているのだろうか?

 

 

TOP OF THIS PAGE