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秋のスーパースター?「ターンオーバー」を克服する!の巻

こちらは野球界のビッグスター。
短いオフにリップラで50アップ連日捕獲中!

最近、毎回のように登場するターンオーバーと言う言葉。簡単に言えば、急激な冷え込みで冷やされた湖の表層水温が瞬間的に底層水温を下回り、表層と底層の水質がグルンっと入れ替わる(ターンオーバー)現象のことを言う。この時、「シルト」と呼ばれる湖底に堆積した、プランクトンの死骸などが沈殿物を含むデッドウォーター(酸欠死水)が一緒に湖の表層部までかき混ぜられたかのように湧き上がるため、ターンオーバーでは水質が一気に一晩で最悪化するのだ。
アメリカではこのアングラーにとって最悪の現象を皮肉交じりに、STIR「かき混ぜる」とSTAR「(俳優などの)スター」をかけて「BIG STIR(ビッグスター)!」等と呼ぶこともある。

湖で最悪のスター、酸欠沈殿物が浮上するこの水こそが
「ターンオーバー」の正体。
さて、ターンオーバーの基本はターンしていないところ、水の生きているエリアを釣ることが基本なのだが、そんなところはメジャーレイクでは誰もが知っており、そのエリアに人が集中すると本当に釣る場所がなくなる。かといって、ターンしている場所で無理やりライトリグに逃げると逆に大失敗するケースの方が多い。私の経験からのアドバイスでは、この時期はいい水のエリアが少なければ少ないほど、バスはそこに必ずプレッシャーがあろうがなかろうが、人間と一緒で苦し紛れに入ってくる。灼熱の真夏にどんなに人が多くても、涼しげなバックウォーターにお構いなしにバスは集まって来るのと同じことだ。バックウォーターではバスがはっきりと目視できるので判りやすいが、バックウォーターへの流入水温が17度前後を切ると落ち鮎も消え、ベイトも消え、バスもものの見事に消えてしまう。多くのアングラーがバスを見失うのはこの頃の時期からだ。
ターンしてなくて、同時に水温も維持できているエリアとなると、中規模リザーバークラスではワンド付近に1〜2箇所もあればいいほうなのが現実なのだ。

一見、水は美しいが生命感の消えたバックウォター。
最速水温低下はターンに匹敵する難物だ。
ここで大切なのは、その数少ないエリアに先行者がいた場合で、「先行者が多い=プレッシャーが高くて釣れない」、と言う思い込みの方程式が一番まずい。こういった状況になればなるほど、いいエリアに入ったら自分がそこの「風景の一部に馴染んでしまう」まで、まずはじっくりと腰を落ち着けることが一番肝要だ。すると不思議なことに、バスもこちらに馴染んでしまうのか、違和感を感じなくなってくるのか、どこからともなく今まで気配もなかった水面がボイルし始めたり、どこからともなくフラフラ泳いでくる姿などが目視できるようになってくる。ここからがようやく、正解のルアーが何なのかを試すファーストアプローチに入れた段階である。多くの人は秋という思い込みからクイックに動きすぎて、いいエリアなのに駄目だと思い込み、結果、延々と見失うことがある。

ラン&ガンが秋の定番と思うと痛い思いをすることも・・・
でも釣れなきゃ走りたくなりますよね・・・。
秋はクイックにハードベイトでラン&ガンと思われがちだが、この「秋の荒食い」が始まるのは、私の経験上はターンが落ち着き湖の水温が均一になる11月からという印象が非常に強い。ターンの激しい最中はいい意味での収穫の「秋」とはほど遠い、厳しい谷間の底なのである。それを理解せずに秋だから活性が高い、ファーストムービングだと思い込むとこの時期は恐ろしいほど釣れない思いを味わってしまうので気をつけて欲しい。今年は季節感が完全に1ヶ月ずれ込んでいる感じがするので、ひょっとすると12月〜1月がクランクやジャークベイトなどのファーストムービング系の大当たり時期になるかもしれないので要注意だ。

こんなハーモニカンバイトが続発すれば、ターンも終了。
秋の収穫祭開催!
また、ワカサギの多い湖ではあっという間にディープにバスが落ちてしまい、しかも回遊スピードが速く、スローなライトリグでは捕らえきれないケースが出てくる。こう言った時に是非、いち早く試して欲しいのが「フットボールジグ&サムライ」のディープずる引き(ドラッギングがベスト)、そして時期尚早と思われがちだが関東ワカサギ系レイクロコの間では既に定番になっている「フラッピンソニック」等のメタルバイブのこれまたドラッギングである。

実はワカサギ系ロコの間では、今がフラッピンの旬だそう
です。
みんなが使う前に使う、これが絶対的釣れる法則ですね。
フラッピンソニックのテールはドラッギングに非常にいい効果を発揮するらしく、ワカサギのスクールが広範囲に広がるこの時期には、大遠投&ドラッギングが非常に効くらしい。メタルバイブはどうしても冬の印象が強いが、まだあまり使われていないこの時期が実はディープのバスを一番簡単に釣ることのできる方法なのかもしれない。私的にはこの時期からコナキーやゴブリンヘッドにサムライ(脇裂きチューン)をドラッギングと垂直岩盤の階段落としを多用するようになる。特に11月中旬からは急激にフットボール&サムライ、もしくはモグラ&バタフライ(チャンクチューン)がビッグバスに超熱くなるので要注意だ。

モグラ&バタフライのチャンクチューン。
昨年、11月中旬から大当たりした。
お忘れなく・・・。
さてさて、話がディープ側によってしまったが、秋のターンオーバーを克服するもう一つの鍵は「ウィード」でもある。悪い水をフィルターのようにブロックし、二酸化炭素を取り込み酸素を発生する良いウィードはターンの時期に恐ろしいほどバスを集中させる場所を生み出すことがある。ただこれだけはウィードの栄枯盛衰が早いため、週代わりに変化していくので、いい場所を当て続けることは連日湖に出ているプロガイドでもなかなか難しいものである。

ミックのプロガイド、阪神選手専属?の杉井君はなかなかの凄腕ガイドになってきた。
リップライザーで連日、グラスフラットのグッドフィッシュキャッチ中。
このターン真っ最中のウィードフラットを釣る基本は、まずはスピーディーにいいウィード、反応のあるエリアを探すこと。同時にここぞと言う場所を見つけてからは、温まりやすくフィルター効果の高いウィードと水面の間を如何に上手く時間をかけ、ウィードの上面で日向ぼっこしているようなバスを誘い出せるかにかかってくる。こういった釣りに最強の効果があるのがリップライザーの「リップ&ライズ」テクニックだ。あまり難しく考えることなく、まずはウィードフラットを360度、ただ巻きでガンガン巻いて巻いて巻きまくる。たまにリーリングを数回、ピタッっと止める程度でよい。これは複数のアングラーで投げまくるほど早くエリアを絞れることが多い。次に何らかの反応のあるエリアや、固く千切れずに抜けてくるような良い感触のウィードの存在を感じたら、ここからリップ&ライズで丁寧に攻めていく。難しく考えずに、ウィードに当たるまではグリグリ巻きまくり、ウィードに触った瞬間に止めてやる。この時、「ラインのたるみの重さとルアーの浮力が吊り合う」ような感じでラインスラックをコントロールするのがライジングテクのコツだ。この状態を意識してできれば、リップライザーは独特の首振りアクションを起こしながら浮上し、バスをウィードの中から誘い出してくれる。

セッキーもリップラを完全マスター。
誰でも簡単にリップ&ライズが出来るのがリップラの最大の魅力だ。
最近は短いオフの間、この方法で矢野さん、セッキーは連日、50アップの捕獲に成功している。最近も南湖では66cmと言う超巨大バスがリップライザーで釣られている。年間釣行日数も数えるほどしかない彼らでも、簡単にマスターしターンの中でもビッグバスをゲットしているのだから、決して使い方は難しいものではない。ちなみに良く聞かれるのだが、ロッドは巻きまくりならリベリオンかコブラ、合わせの鋭いリップ&ライズにはエアドライバーを私は使うが、体格のいい彼らはスタリオンでも問題なくやってしまうようだ。これからどんどんジャークベイトは良くなってくると思うので、是非、色々なフィールドでリップライザーを試してみよう。

秋の荒食いはおそらくこれから。
今年は12月〜1月が一番ハードベイトが暑いかも。要注意!
あと、これからの時期は接着板オモリ(1mm厚)は必ずこれからの時期は持っておきたい。ライジングの速度を微妙にコントロールすることで、その時々のバスの状況により性格にマッチアップできる浮上スピードを探してみて欲しい。ちなみに、サスペンドミノーとフローティングミノーのボディー外部にウエイトを張るチューンでは、実は見栄えは悪いが後者のほうが様々な面において優れる事が多い。プラグを理解して作っているデザイナーなら誰もが理解している重要な部分なのだ。ただ、位置や重さ調節が苦にならないマメな人向き。水温や水質、状況如何でベストセッティングは変わってくるので、このチューンに関しては自分なりの「シークレットベスト」を探してみて欲しい。


ダイビングリップライザーも完成間近。
これからが一番、楽しみなプラグだ。

 

 

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