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コンバット史上最強最剛・ワイルドスタリオン発売迫るの巻
最近はボートに4本積み、ワイスタは11月リリース決定!

今年は諸事情でトーナメントを途中休場させてもらっているが、22年ぶりにトーナメントを一時休止したことによって、逆にいろんなことが見えてきたシーズンでもある。
最近はTOP50もマスターと重なった場所の試合も多くなったこともあり、トーナメントで必要なロッドというのが、スピニングを中心とした究極のフィネス化が進化しているのは紛れもない事実だ。現実、フィネスのうまい若手選手達が試合で使っているロッドの多くは、普通の釣りでは全く不必要なほどチューンされたものを密かに使っているケースがほとんどだ。特にスモール戦でその傾向は強く、まるでカワハギ竿…。まさにその湖のみの専用ロッドだ。

試合はどうしてもフィネスになるが、琵琶湖ではもはやメキシコ級のタックルが常識に。
しかし、いったんトーナメントを離れて、取材やロケを中心とした活動が仕事のメインになってくると、やはり5尾の重量ではなく、取材栄えするビッグフィッシュ狙いの傾向はトーナメントとは180度違った展開になってくる。幸いなことにここ数年はトーナメントでも常にビッグフィッシュレコード、トップウエイト狙いの展開を意識してきた。そのおかげか今年の取材はそのスキルがプレッシャーフリーに近い取材(とは言っても、一応メジャー)では、そのビッグフィッシュ捕獲スキルが身についてき始めていることを実感できることが多かった。

1発狙いは確かに身についてきた。狙わないと釣れないのが本物のビッグフィッシュだ。
そんな中で、このところボートに常に4本近くを積んでいるワイルドスタリオンは、正直本音で、まさかこんな状況になるとは夢にも思っていなった、自分のなかで時代を変えてしまうことになるロッドになった。
もともとはワイスタは、ミラクル前山のリクエストで琵琶湖のグラスベットのテキサスリグ用に、アメリカでもっとも使われている7フィートの「パンチングロッド」をベースに開発を開始した。正直言ってこのロッド、恐ろしく肉厚で重く、しかもグリップが短いため、およそ日本人アングラーの10人中9人が、持っただけで「なんじゃこれ???」で笑い飛ばしてしまいそうなロッドだった。
言い換えれば、25年程前には結構、見かけた古きアメリカの太く、重い、でもそれが故に物理的に強いベーシックなロッドなのだ。
日本の最先端バスロッドの歴史はトーナメントの歴史でもある。胴調子が主流のフェニックスブームから始まり、硬くて剛性の高いボロンのコンバットへとブームは移り、その後もチタンや高弾性と、毎年のように、さほど大きな差はないにもかかわらず劇的な差があるかのように思える理解不能の素材なんかが出てきた。いまではさすがに、そんな意味不明の素材や不純物を使うよりかは、ピュアカーボンで強靭性を併せ持つ最先端の高弾性カーボンの上手な料理法が定着し、軽くて強く、感度の良いカーボンロッドが定着してきた。事実上、4万円を超えるレベルでは、後は製作者のコンセプト、好みの問題で、機能的に劇的な差があるとは思っていない。

普通に考えれば、日本のロッドは世界的に見ても超ハイレベル。
切れ味抜群の日本刀であって、破壊的なエクスカリバー的進化ではなかった。
そして日本のフィールド上の特性からか、ある時代から日本のバスロッドは「軽さ」絶対神話みたいなものあった。確かに軽い竿は魅力的だ。シャープで細身で、恐ろしいほど軽い。この軽量化合戦は一時、日本中のロッドの目標になったが、ここで同時進行したのが「ロッドの細身化」なのである。日本のロッドは海外のものに比べ圧倒的といっても良いほど細く軽い。特にバット部分の細さは世界でも最高レベルのカーボン技術を極めた技術の結晶とも言えるだろう。その結果、日本のロッドは海外のものに比べ、圧倒的にローテーパー(ティップ径とバット径の差が少ない)が多い。すなわち、カーボン素材の弾性技術、異弾性カーボンクロスの巻き合わせ方の技術、補強技術で細身で強いバット、細くて硬いのに粘りがある、トルクがあるといったキャッチフレーズのロッドが出来上がってくるのだ

これが今の日本のバスロッドの常識なのだが、ワイルドスタリオンも当然、この方向で強く粘りのあるロングロッドを作製していった。琵琶湖では前山がテストを担当していたが、琵琶湖に行かなくなった私には、このワイスタは正直いって「無用の長物」?になりかねなかった。

60cm程度はごぼう抜きできるロッド。
日本では必要ないと思っていたのだが・・・・
しかし、「琵琶湖スペシャル」、そう考えていた自分のワイスタに対する考えが一変する出来事が起こる。それがメキシコバカラックでの出来事だった。このとき、バカラックに持ち込んだロッドは日本の平均的フィールドでは間違いなくオーバーパワーなロッド達だった。しかし、そのロッドすらが、平均楽勝50オーバー、ややこしい潅水ブッシュまみれのバカラックで、ワイスタ初期プロトはまさに「弄ばれて」しまったのだ。この時点でもワイスタは7フィート6インチ、破断強度ではアマゾンフリップをも凌ぎ、計測強度上はコンバット歴代最強だったのに。

何かが違う。根本的にこの種の竿には何か日本のロッドにはない最も重要な事が欠けている…。私がこのとき一番感じたことは、日本の常識的には太いとされるはずのこのロッドが「物凄く細く」思えたことだった。日本で50cm前後を普通の場所で釣っていれば、おそらく何も感じなかっただろう。しかし、メキシコという地で、絶対に10ポンドを釣らなければならないと思ったとき、その都会育ちのロッドにはメキシコの荒野を生き抜く「ワイルド」さが絶対的に欠けていたのだ。

このサイズをなぎ倒す力が必要だと感じたメキシコ。
研ぎ澄まされた「限界スペック」より、根本的「余裕」こそがロッドに要求される。
そして帰国後、自分がワイスタに感じた一番の不安点をもう一度考えてみた。計算上は強いはずのロッドが「細く」感じた理由。それは技術や素材革命、製作法やテクニックといった言葉ではどうしようもないもののように感じたのだ。あの時、自分が直感的に感じたこと、直感的に欲しいと思ったこと、それはまさに日本のバスという魚のパワーの次元を超える「物理的な絶対的強さ」だった。
「物理的強さ」即ちそれは、「単純に太い」という物凄く馬鹿馬鹿しいほど当たり前の事実だった。


太さゆえの純粋な物理的トルクとパワー。
素材や弾性だけでは出せない、問答無用のナチュラルパワー。
それがビッグテーパーの澱みない美しいベントカーブだ。
「メチャクチャにバットがぶっといロッドを作ってくれ」、それが2回目のメキシコへのリクエストだった。それは現在の日本の主流である超軽量&ローテーパー(ティップ径とバット径の差が小さい)ではなく、まさに昔懐かしいぶっさいくなアメリカの古き良きオールドロッドそのものだった。ラインもしかり、太さ=強さ、この全く無駄のないシンプルな物理的の真実こそが、激しく厳しい野生のなかでは一番最後に信頼しうる事にいまさらながら気がついた。

この体躯のバスを狙ってこそのビッグフィッシュハンティング。
ワイスタのターゲットは完全に60cm以上だ。
実にそのバット径はヘビーアクション・ガンスリンジャーの12mmを遥かに上回る史上最強の??mm(発売まで内緒)にまでパワーアップされた。そしてここからワイルドスタリオンはまさに「ワイルド」、その名の通りの劇的な進化を始めることになる。

不細工だから、見た目に重そうだから…確かに昔のアメリカのロッドは太かった。今も実は日本のロッドに比べはるかにバットが太い。日本では太すぎるロッドは売れないため知られていないが、アマゾンで出会ったガイド達が使っていた恐るべき太さの6フィートロッドを笑っていた自分を思い出した。彼らはあの巨大なアマゾンリッパーを6フィートシングルハンドで使っていたのだ。現実は向こうがこっちを見て笑っていたのかもしれない…。

アマゾンの原住民ガイドはこのビッグスイッシャーをシングルハンドの6フィートロッドで使っていた。
コンバットスティック史上、グラスロッドを含めても最高レベルのビッグテーパーを突き詰め完成させたコンバットスティック史上最強のワイルドスタリオン。11月中旬、いよいよリリースになるが、トルクとは、そして粘りとは、その真の意味を今後解り易く解説していこう。無論、バリスタとの決定的違いもね。
「無用の長物」が気がつけばいまや、ジグに、スイムベイトに、そしてビッグベイト、ディープクランク、果ては1ozスピナーベイト、フロッグまで、私のバスフィッシングにまさになくてはならない最強の右腕になってしまった。
やっぱり琵琶湖は全てを満たした偉大な湖なんですね…前山君…。

通称、バカラック持ち・・・まさか日本でもワイスタ&バクラトがこれほどの活躍をするとは・・・・
まさに想定外の出来事だった。
確かに日本のバスはデカくなった。

 

 

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