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リップライザー超簡単奥儀伝授の巻
6月から野池、川、リザーバーと予想以上の大活躍をみせるリップライザー110。
このフロティングミノーは自分的には歴史的名作に入る逸品。

いままで色々なハードルアーを開発してきたが、今回のリップライザーほど予想以上の大ハマリをしてくれたハードルアーはないかもしれない。1月の野村ダム釣行の折、真冬でも増水した僅か水深50cm程度の枯れた陸生灌水ブッシュの隙間に、日向ぼっこの様に浮いているビッグバスが予想以上に多くいることに気が付いた。この広い上に水深がなく、しかもやっかいな枯れた陸生灌水植物と僅かな水面との間を、速攻でサーチでき、ここぞという時にはスローに、しかも見切られないように誘いだせる方法はないかと考え、たどり着いたのがハイフローティングの頭浮きジャークベイト、「RIPRIZER」の始まりだった。元はといえばライザークランキングの超シャロー応用版なのだが、このときたまたま作っていたプロトの大型フローティングミノーに、唯一この手のバスは反応した。元来シルエットがナチュラルなミノーこそ、この「浮かせて追わせる」テクニックは驚くほど有効だったのだ。

右端が初期プロトの海外仕様13cmモデル。
後にバカラックで火を噴くことに。
左端には既にロングビルのリップライザーも存在する。
1月の野村ダムではこっちがピンチを救ってくれた。
そのプロトのハイフローティングミノーが驚くほどの有効性をはっきりと発揮したのがバカラック釣行だった。バカラックDVDではその独特の扱い方から当時、「ポカン釣り」と称していた。詳細はDVD「復活のバカラック」前編に特典映像付で詳しく解説しているので是非参考にして欲しい。

軽いテストのつもりでナベに使わせてたら、危うく大変なことになりかけたバカラック釣行。
ブッシュからバスを水面直下まで誘い出す力はビッグベイト以上かもしれない。
「ポカン釣り」はほとんどバスが見つけてくれる逆サイト。
しかし、日本と海外では話が違うのではないかと言う不安も実はあった。帰国後、春のいいシーズンは入院でオジャンになってしまったが、退院後のアフタースポーンの6月に、なんとこの「ポカン釣り(リッピング&ライズ)」が意外にも野池で爆発した。11cmの大きさなど全く関係ない。細身のミノーシルエットは想像以上にバスにプレッシャーをかけず、その遠投性能、高い浮力が逆に浅い野池ではメリットになった。その後、先週の取材まで、どこへ行っても結果的にリップライザーが主役になってしまった。

退院して初めての実釣。岡山の野池でリップ&ライズが超炸裂。
ミニバカラックかと思ったほどびっくりした。ホンマに・・・。
野池オカッパリでのメリットは水深1mもないスポットでパワフルに、しかもナチュラルに、底を掻くことなく時間をかけて立体的に探れるメリットが最大のポイントだった。
近日、オカッパリ5本立てで実釣ムービーを公開するので楽しみにしていて欲しいが、この「ポカン釣り(リッピング&ライズ)」はみんなが想像している以上に「軽く」「ソフト」な単発ショートジャークである。今までのジャーキングとの決定的違いは、スラックを出さずに直線的かつ、最短距離で小さく強く、「ブルブルブルスイッ!」っと潜らせ、「フラフラ~」ってな感じで水面と水面直下を止めることなく行ったり来たりさせるところだ。

基本は無警戒な小魚の捕食モーションの演出。
ベイトの捕食音や捕食行動は全てのフィッシュイーターの
本能を刺激するキッカケになる。
リップライザーのキモの一つは固定後方重心にあり、同じ重さなら頭から浮上するため平行浮きタイプに比べ、浮上スピードが格段に速い。浮上時、背中に水の抵抗を受けすぎる並行浮きに比べ、同じサイズならリップライザーは格段によく飛び、更に浮上スピードも殺さないのだ。しかも野池のバスをスプークせる重心移動の甲高い衝撃音もない。この固定後方重心効果はそれだけでなく、慣性の法則から尻を振るウォブリングのパワーも強烈でキレのあるものになる。それはまるでクランク並みの回転の速さ、集魚パワーの強さも兼ね備えたものだ。この一定距離における振幅数の多さ、しかもその一発一発が軽くなく、細いくせに強い水の攪拌力を生み出す秘密なのである。この短距離でのキレのある振幅数の多さ、攪拌力の強さ、そして急停止した後のブルンと身震いするような「シェビーアクション」があいまって、「集魚力」と「喰わせるナチュラルさ」を両立させたハードベイトが生まれたのである。

ウエイトの位置が最大の違い。ただこれ以外にも大切な肝が何点かあります。
ハイビズはポカン釣り、フラッシュ板系はただ巻きに特に効果が高いが、実は「白」最強説が・・・。
そして浮上スピードは、人間側のジャークリズムに大きく関係している。ルアーをジャークし潜らせ、ロッドを元の位置にリールを巻きながらゆっくり戻したときに、丁度いいタイミングでルアーが水面へ浮上してくる。この絶妙のタイミングが、じれったさや待つイライラ感を減少させ、リズムよくリッピングやショートジャークを繰り返せるのだ。これが意外と凄く重要で、リズムよく「ダイブ&ライズ」を繰り返せるほど、何故かバスも反応する感じがする。

浮上寸前のミノーをくわえ込むバイトシーンが丸見えなので、凄く迫力がある。
この釣り方は一度ハマると、群れに競争のスイッチが入ったように連発することが多い。
このソフトリッピング&ライジングは間もなく公開するイマカツザムービー野池編で一度見れば直ぐに理解できると思うが、たぶん、「えっ!?そんなにソフトなの?」と思う人が多いだろう。広大な琵琶湖や荒れ模様の湖ならまだしも、狭い野池やプレッシャーの高い湖で、「糸鳴らしジャーク」は今やご法度です。

岡山の次は東播の野池でも苦戦の中、結局リップライザーに助けられた。
これで釣りたいのではなく、色々試した結果、これが釣れてしまう事が嬉しい。
さてこう書いていくと、リップライザーが難しく思えてくるかもしれないが、実は6月以降、一番ビッグバスを数多く釣ってきたテクニックはリップライザーの「ただ巻き」なのである。前回大活躍のヨシヒロもぜ〜んぶ「ただ巻き」なのだ。特に風、流れ、濁り、ローライトの場合は何にも考えず「棒引き」が強烈に釣れる。理由はさっき述べた通りだ。巻くスピードは臨機応変だが、大概、かなり速いほうが良いように思う。

土師ダムでは高速ただ巻きで50.5cm。
同クラスをもう一本身切れでバラしている。
流れのあるところではフラッシュ系ただ巻きが今やビッグベイト以上に効く。
そしてこの「ただ巻き」を「超高速棒引き」にして、短距離で急なストップを入れれば「なんちゃってリッピング」の完成。後はライズしてもよし、連続で巻く、止めるの繰り返しもよし。リッピングを難しく考えすぎ、下手なロッドワークをするよりもはるかに簡単で釣れる方法だ。

高梁川ではノンストップリッピングが炸裂。
まもなくTSRコンプリートDVDにて全貌公開!
昔から「グリグリメソッド」なんて呼ばれて、芦ノ湖のトラウトでは超有名なリーリングのテクニックの応用。ラインで水を切らず、しかもルアーとリールまでが一直線なので、最短で最強の水押しとショートダートが生み出せる。コツは着水後しっかりサミングし余分な糸ふけを出さないようにし、ルアーに対しライン、ロッド、リールを必ずまっずぐ一直線上に位置させて、一気に全開で「グリグリグリッ」と速巻きし、「ビタッ」とリーリングを止めるだけ。この繰り返し。

このスレンダーな子は今月のTSR取材で釣れた49cm残念賞。
当然、前座君。
ちなみに今回は40アップのWヒットまで起こってしまった。
このときは超絶高速ただ巻きでした。
まあとにかくホンマにリップライザーは釣れる。このルアーはスーパースレッジ級の不朽の名作になる自信が有る。ジャークベイトの応用はまだまだ奥深い。次は究極奥儀「ジャカ巻きメソッド」が秋には必ず来そうな予感です!!


やっぱりミノーは見た目が安心する形なのでしょうか?それともあまり春以外使われていなかったから?
とにかく今は特に騙し易いぞって感じがします。次は「ジャカ巻き」だ!!

 

 

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