リベンジ!メキシコバカラック事情・その2の巻
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先週はバカラックが何故、その栄枯盛衰の憂き目を味わったか、そして何故復活の兆しが見えてきたかに関して、実際に現地の住人に自分で聞いてみたことを紹介してみた。 現在、メキシコの情報釣行手配に関してはウェブサイト「アクセス!海外バスフィッシング」にて、メキシコを訪れた多くの日本人一般アングラー達による実際の感想や釣果が非常に詳しく知ることが出来る。前回今回のロッジ手配もこのウェブサイトの協力によるものだ。しかし、ほとんどの日本人アングラー情報は人気の高いエルサルトに集中しており、ことバカラック釣り情報に関してはここ数年の記事はほとんどないに等しいほど少ない。
1.バカラックの気候と環境?その真実とベストな時期とは。 では今年のバカラックの季節的な環境、水温や気温等は日本と比べどうなのか?私が行った1月末、3月末を例に挙げるなら、1月末は気温朝5度〜昼18度のメキシコとしては極寒、水温18〜20度のプリスポーン最終期、3月末は気温朝14度、日中35〜38度、水温25度以上の灼熱のアフター直後の激痩せ期、ウエイトを出すには最悪の時期だということが行って見て初めて解った。 本来なら1月末は気温朝10度前後で、日中は25〜28度の非常にいい時期のはずだったのだが、今年はエルニーニョの影響で赤道付近の異常気象は世界的に釣り場の不調を起こさせているようだ。ロッジマネージャーの話によると10ポンドが最も釣れる確率の最も高いのはプリが最盛期になる11月〜12月いっぱい、そして次はアフター回復の5月〜6月らしい。ただ、4月以降は夜明け前か夕方からの「夜釣り」がアメリカ人たちのメインで、気温的にも暑すぎて丸1日釣りをするのは不可能だという。事実、今回ですらそれは不可能に思えるほどの暑さだった。 この2回のプリ、アフター両時期を通じてはっきりしたことは、琵琶湖でそこそこ釣ってこれるアングラーなら、50〜53cm、2〜2.5キロまでなら時期や天候無視してもルアーさえマッチしていれば異常といってもいいほど釣れる。おそらくパターンを組めるアングラーなら5日間の釣りで50本は確実だろう。そして55cm〜58cm、3キロ〜3.5キロまでなら少し腕やルアーの差が出てくるが、それでも5日間で10本程度は絶対といっても過言ではない。
2.バカラック復活への手ごたえと嬉しい悩み? 実は先週も説明したが現在のバカラックは2001年ごろ起きた45mの大渇水によってほぼ完全に池干しされた状態となった時期がある。そこに新たにテラピア養殖産業による放流、バスの新規移入が行われ湖の再生がなされたため、かつての初代10ポンドオーバー達は極めて生き残りは少なくなったものの、その当時放流されたフロリダ、ラージたちが爆発的に近年再び増え始め、そのボリュームゾーンとなるサイズが50cm前後のようである。したがって50cm前後が恐ろしいほど多いのが今のバカラックであり、逆に生え抜きの初代10ポンドオーバー達(人間で言えば老人?)は、この爆発的増加中の第2世代たちに餌を奪われ減少しているのが現状とロッジマネージャーは話してくれた。ロッジマネージャーは現在のバカラックはバスが増えすぎ、今後、10ポンドオーバーを増やすためにバスの間引きが必要だとも話していたのが印象的だった。 驚いたことにバカラックにはバス、テラピア、キャットフィッシュ以外ほとんど多魚種がいなく、テラピアはダムサイトで養殖され放流されるため爆発的な量が育っている。どこに行ってもテラピアの巨大な群れを必ず目撃できるほどだ。そのテラピアを餌にするバスが巨大化するのは当然の成り行きなのだろう。 3.昔フロリダ、今はラージが大繁殖!?10ポンドの壁は厚い。 しかし、この2回の釣行で気が付いたのだが、爆発的に増えているのが以前のフロリダバスではなく、ラージマウスだということがはっきり解った。ラージマウスは60cmを超える巨体も極めて多いが、確実に同サイズのフロリダバスと重量で比べると1キロ近くの差が出る。 シャローやブッシュ、ブレイクや岬など、ミエミエのグッドスポットで釣れるのは50cmクラスのほとんどがラージマウスなのだ。フロリダバスはこういったストラクチャーには性格的にほとんど依存せず、増水期には広大に沈んだウィードフラットのような陸生ブッシュの上をテラピアの群れと共にクルーズし、減水すれば数十メートルもある何もない沖合いのテラピアの群れと共に行動しているようだ。フロリダバスは非常に賢く、回遊性も強く、個体数もラージマウスに比べると遥かに少ないのではないかと感じた。この現実がもともとバスのいなかったバカラックにフロリダバスをアメリカから移入し、数年のオフリミットの後解禁され、未曾有の10ポンドラッシュに沸いた10数年前のバカラックと決定的に違う差ではないだろうか。 4.現在、10ポンドが釣れる確率はどれくらいなのか? とにかく、現在のバカラックでは9ポンドと言うのが一つの壁のように思う。ラージマウスの最大クラスが62〜65cm、9〜10ポンドクラスであり、それは復活後最大級に成長した第2世代のトップとも言える。またフロリダバスは少なく賢いものの、こちらが釣れれば同サイズ(63〜65cm)でも11〜13ポンドクラスと言うことになる。 ちなみに1月末の釣行ではビッグバスロッジガイドによるアングラー1日満員約24名(11〜3月のシーズンはほぼ常に満員)が釣りに出て、5日間で6匹の10ポンドオーバーが釣られていた。3月末は同じく1ロッジ満員24名前後が毎日出船し5日間で4匹の10ポンドオーバーが記録されている。ただしこれは夜釣りも含まれている。単純計算では1月下旬は1ロッジ当たり24人×5日間で120名中6尾となり、20人に1人が5日間で1尾釣れる確率になる。3月末の場合は更に悪く、30人に1尾となってしまう。 まあ現実にはほぼ同じグループ24人が5日間出るわけだから、1月末の場合、5日間で24人中6人が10ポンドと出会える、もしくは毎日1本は出ているともいえるが、1月は1人で3本釣った人もいたので、なんとも言えない。この2回の釣行で聞いた最高記録は15ポンド6750gだが、突出していたのはこの一尾のみだった。こう考えてしまうと琵琶湖が如何に凄い湖なのかが解るだろう。
5.複数のストロングパターンが同時成立する四季のないバカラックの魅力 そして今回のバカラックで非常に面白かったことは、メインのラージにはネスト、ポスト、アフター回復の3パターンがおり、フロリダにはまだ少ないもののプリのパターンが明確に存在した。四季がなく、乾期と雨期のみのメキシコでは日本のようなスポーニング時期があまり明確ではなく、一気に起こることはなくダラダラと異常に長期間に亘るようだ。したがってそれぞれのパターンに釣り方の照準、遣うルアーの種類を合わせれば、色々な状態のバスで全て50アップ入れ食いパターンが見事に成立させることも可能だ。ただ面白いのはそのウエイトである。全てが50アップで綺麗にパターンが成立しても、狙うバスの状態によってウエイトには極端な差が出る。一番簡単なベッド系のバスでは55cmのメスでも3キロにすら届かない。濁りがあり風も吹くバカラックで、しかもガイドのエレキ操船ではサイトはほぼ不可能、たとえサイトで見つけても莫大な巨大テラピアとの格闘でベッドバスは軒並みウエイトがないのが特徴なのだ。 狙うべきは間違いなく数少ないプリのフロリダ、そしてアフターからいち早く回復した巨大ラージになる。そしてその巨大ラージ、フロリダには独特の釣り方、ルアーが存在する。詳しくは1年半ぶりの「黒帯スペシャル(6月末発売予定)」で徹底解説する予定だ。ラージのプリ、ミッド、アフター、そしてフロリダのプリに対応したそれぞれの攻め方、「広大な冠水ブッシュシャロー攻め」、「広大な水没ブッシュディープフラット攻略」、「ベッド」、「サイト」、「ワンドと影と風の関係」、「超沖サスペンダー攻略」、「サンドバンク&ブラフバンクパターンのキモ」、「驚きのフラットのベイトフィッシュパターン」「逆光とサブサーフェイストリック」など、琵琶湖や池原の攻略、ビッグバスの習性を知る上で大きな影響を与える基本的かつバイブル的な黒帯最高のクオリティーになるだろう。 しかも、遂に公開する「メキシカンワッキーリグ」、晴天の真昼間ですら炸裂し続ける脅威のチューンドジャバハード、そして極秘開発中のディープフラット攻略最終兵器○○○○○○の公開など、特に初〜中級者には絶対に見て欲しい本物のビッグバスハンティングの核心をお届けできるだろう。 PS,最後に、かねてより体調が思わしくないまま試合や取材を重ねてきましたが、このルアマガ100号記念釣行を終えた今、皆さんに重大な発表をしなければならなくなりました。 ようやく心の整理が付きましたので、来週早々にも公表する予定です。 |
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