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K.imae Today's Tips 1600『不完全燃焼』

初日、中止。
二日目、荒天の中、開催されるもノーフィッシュ。

そして最終戦最終日、朝から大荒れ。有無もなく荒天中止。

最終戦は一日のみの開催で成立。

今の気持ちは、ただただ不完全燃焼。













青木はやはり強かった。

12時半までノーフィッシュながら、ラストに2尾キャッチ。

逆なら真逆の結果もあったのに。

自分は絶対にしてはいけないノーフィッシュをまたしても最大の山場でやってしまう。















二日目、荒れた天候から、トレーラーから1艇づつのスタート。

フライトは37番。

早いフライトの選手から一時間近く遅れてスタート。

ワンデイ試合を覚悟で向かった霞ヶ浦本湖のストレッチの核心には既に先行者がいた。

優勝した関和選手だった。

一言かけ、シェアさせてもらったが、核を抑えられノーバイト。

早々に諦め、ここから荒れた霞ヶ浦を、練習で手応えを得たスポットを、
必死で全て回る爆走ランガンが始まった。

失意と絶望感、自責の念に苛まれ、ノーフィッシュで帰着した時、
パワーポールとエンジンの傾きを指摘され、初めて気が付く。












エンジンを支える四本の太いボルトの一つが、金属疲労で完全に折れていた。

あと一本折れていたらエンジンがもげ落ちる大事故になったかもしれない重大アクシデント。

この時、自分は今回の運をここに使ったのだと理解した。

黒船は最後まで荒れ狂う霞ヶ浦から自分を守ってくれた。


















天候は全員に平等。

一日で終わるかもしれない予想が出来た試合で、一尾を釣れなかった自分が悪い。

だが、「不完全燃焼」、今年一年は全てこの一言に集約される。

せめてもう一日あれば、稀に見るロースコアな今試合、何が起こっても不思議ではない。

悔いがないと言うには短すぎる、TOP50初の
ワンデイ決着という、文字通り波乱の最終戦だった。
















最終年間ランキングは16位。

またしても、昨年以上に応援してくれたファンの期待を裏切った事が何より辛く重い。

期待に応えられない辛さは、自分の悔しさをも遥かに上回る。

ただ、今シーズン、全く予期せぬサプライズがラストに待っていた。
















年間表彰の後、協会は来季から、トップ50永久シード権の廃止を決定した。

そして三名のみに永久シードが新たに与えられる事になった。

一人はバスフィッシングの黎明期から
JBトーナメントを30年以上、支えて続けてきた下野プロ。

二人目はアメリカのトーナメント参戦の先駆者であり、
かつ帰国後もJBに20年以上参戦してきた泉プロ。

共に60歳を超えてなお、現役プロである。

そして、過去、永久シード権を唯一行使していない自分に、皮肉にも再度、永久シード権と、
獲得タイトル、戦歴が刻まれたクリスタルガラスの盾が授与された。

ただ、自分は過去一度、癌闘病で1シーズン、休会させてもらった経緯があり、
その資格には本来、値しないかもしれない。

しかし、実力で30位残留圏内に残ることをプロアングラーとして
最低の矜恃として33年間、トーナメントに参戦してきた。

その証として、このこのサプライズをありがたく受けさせてもらおうと思う。

だが、自分に永久シードなど必要ない。

この最低最悪で、惨め過ぎる不完全燃焼の気持ちがある限り。

去年は第四戦でランキング3位から大落下、今年は最終第五戦を2位で迎えて大落下、
来年はいよいよ最終戦ランキング1位で完全下げ止まりの予定だ。

 

 

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