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驚異のライザークランキング・土師ダム実戦映像公開パートIの巻

プリプラではダイナゴンとクランクの練習に徹した。
場所は本番で決める今までにない練習方法だ。

プラではショア沿いでもべらぼうに釣れていた。
IK-180はチョットおかしいぐらい釣れる感じがしていた。

では、実際に直前プラからの4日間を振り返ってみよう。
まず、直前プラは1日。朝から1日雨の天候だった。既に現地入りする前からアフター状態の某レイクで IK-180のライザーテクがアフターのバスに非常に効くことを掴んでいたため、湖の状況を見てダイナゴンで行くかクランクで行くかを考えた。
土師ダムは3週間前から打って変わって2m以上の減水。すでに冠水ブッシュは陸の上、ショアラインのカバーはほとんどなくなってプリプラとは別の湖になっていた。この時点でダイナゴンの線は薄くなった。

プリプラでは大満水。
やっぱり本番は2m以上減水し別の湖に・・・。
水温は20度オーバー。どう考えてもメインはフラット絡みのアフター回復バスだ。狙いは減水によって3〜5m前後水深になったブレイクに隣接する水通りのよいフラット周辺。そのブレイクにハンプや立ち木があって、ベイトが絡めばベスト。
しかし、今回は前日練習は1日の4時まで。いちいち漁探をかけてる暇はない。まずはスポーニングフラットに近いブレイク周辺を延々と IK-180を投げて回る。釣れればオッケー、釣れなくともブレイクに岩や木など、何かある感触をいち早く掴むためのクランキングだ。
この日は大雨洪水注意報が出ていたため、なんと土師ダムのメインとなる上流へのゴミ止めフェンスが閉じられ、上流はオカッパリのみ可能、ボートでは下流のみの練習となるハプニング。おかげで下流は人だらけ。ほとんどのプロがスピニングを握る中、お構い無しに下流域全域で IK-180を打ち続ける。

飯田君がバズビルマグナムを投げると一発でヒット。
でも上流に行く気は既になかった。
ゲートが閉まってしまいオカッパリで見に行った上流は
大激流。
はっきり言って超イージーだった。ショアラインやや沖目で 180のライザーテクにアフターの800g〜1キロクラスのバスがいとも簡単に反応してきた。余りにあっさり釣れるので、いい場所を確認した後、180を封印し、今度は人が狙わないような6〜10mのフラットを見つけてはそのブレイクをスカイスクレイパー710にHU-300で超絶クレイジー大遠投して闇雲に引きまくった。一見、アホなやけくそに見えるが、これには深い意味があった。

魚探以上に役に立ったスカイスクレイパーとHU-300。
その超遠投性能は他のプロも唖然・・・。
それは漁探でも見つからない単発の立ち木をこのタックルと飛距離を利用して感触だけで探していたのだ。狙っていたのは沈み立ち木のトップ3m付近にサスペンドするスポッツ系(アメリカの生まれの違いね。)の血を惹くラージマウスである。今までの経験から何故か中国地方のリザーバー系バスは、十数年の世代交代を経てカバー好きの純粋なラージと言うよりは、ストラクチャーへの依存度が低く、ベイトについて回遊するスポッツ系の性格が色濃く出た混血種が生き残った気がする。異常なほどジャンプ好きで、バレやすいのもスポッツ系の特徴である。
正直言って、これまたイレグイだった。7〜10mのフラットに絡むブレイクで、ベイトが水面にピチャピチャしている単発の沈み立ち木を見つければ、一撃で45〜50cmクラスのアフターが連発で釣れてきた。

こんなに釣れてもいいのって程、クランク天国のプラでした。
立ち木のトップが水面から2m以内の場所は強烈なバスが複数付いていた。前日プラではこういった場所をひたすらクランクを投げて水深別にエリアを絞り込む作業に徹した。結局、気が付けば6キロ程度はいとも簡単な状況だった。ただこれはあくまで雨が条件。ベイトが水面に浮き、その下の縦ストにバスが付く。ライザークランクは立ち木に当てて、止めてライザーウォブリング(このIK&HU独自の動きはコンセプションDVD参照)を維持しながら立ち木に沿って上昇させ、水面のベイトの群れに戻るようなイメージを演出する。バスはベイトの群れに戻ろうとするクランクを慌てて咥えに来る感じで、そのバイトを捕らえて電撃的フッキングを入れて掛けるのだ。まさに、サスペンロングビルのクランク版と思ってくれれば解り易いだろう。

プレッシャーが低ければショア沿いではIK-180が
間違いなく最強クランクだった。
ただ、決定的な違いは完全に静止するサスペンドミノーと、止まっていながらも左右に自発的に動き続けるライザーウォブル性能を持つクランクの違いは大きい。これが最大の肝だ。この「止めているのにウォブルする」ライザー特有の動きは実際にコンセプションDVDではっきりと見て取れるので、その映像を頭に焼き付けてフィールドでイメージするのとしないのとでは雲泥の違いが出る。これこそが百聞は一見にしかずの事実だ。このライザークランク特有の自発的動きを目で見て覚えれば、クランクを「維持して止めて浮かせて食わす」その意味がはっきりと理解できるはずだ。この動きを身に付けているのが IK-180、250、ハイドアップのHU-300である。

ハイドアップHU-300ヒデメロン。
ライザークランキング教祖様・秀雄の最強カラー。
クランクプロジェクトの琵琶湖最強クランク。
まあ簡単に言えば今回は、前日の雨で増水気味の初日は朝に目をつけていたショアライン沿いの最初の一流しで IK-180で2本。二流し目は既に他の選手がポイントの真上を流してしまうので、ベイトが沈んでしまうので、更に沖の6m前後の流されていないベイトの群れの下をくぐらせて HU-300で50cmアップ。その後は30度を越える晴天無風に苦しみ完全ノーバイト。しかし、その後もクランクのみを引き続けたことによって、釣れることはなかったが、誰も気が付かない「何か」をクランクで何箇所も感じ取り、記憶することが出来ていた。それが2日目、3日目と繋がるのだ。

クランキングは釣ることだけが目的ではない。
自分の周囲にどんな変化があるのか、底質や障害物を
いち早く知るためのレーダーでもあるのだ。
2日目、この日はやや曇りがちで土師ダムは放水によって急激に60cmほど減水。ショアからベイトが離れ、沖目のブレイク絡みの立ち木を狙うクランクには絶好のチャンスに思えた。狙いはプレッシャーの高いショア沿いから変更し、沖のフラット5〜10m前後のブレイク周辺の沈みティンバーに絞った。減水によるティンバートップの水深変化と、さすがにこの日は多くのアングラーがクランクを投げ始めたため、サイレントの IK-250をメインにした。これが奏功した。

狭い土師ダムでは嫌でも誰かが釣ると目に入る。
しかし、クランクは使い手次第でワームとは比較にならない差がつくルアーだ。
試合前、3日間雨だったら6キロ近くで毎日揃うと宣言していたが、その宣言どおり、わずか2時間足らずのバイトは小雨の間に集中。9本のバスを IK-250(6本)HU-300(3本)で獲ってあっさり4キロを超えた。この頃には周りで見ていたプロ達もこぞってクランクを真似して投げまくっていたが、根本的にサイレント仕様であること、ライザー性能を持つディープクランクはそうは市場にないのでまさに独断場、全く他を寄せ付けない破壊力を見せ付けた。

偉大なる普通。ど真ん中の160kmのストレート。
それがIKクランクのコンセプト。
悔やまれるのはこの日の最大のバスに IK-250を咽の奥まで丸呑みされ、1時間半、釣りもせず必死に看病したのだが、生涯2尾目のデッドフィッシュを出してしまった。ライザーテクニックの最も怖いところは、バスがクランクを咽まで丸呑みにしてしまうケースが多いことだ。それ故にこの釣りにグラスロッドは絶対向かないことを断言しておこう。この釣りは電撃アワセのクランキングなのだ。
しかし、この日も雨は2時間もたず、またしても青空が昼過ぎには見え始める。風もなく気圧はぐんぐん上昇。もはやクランクは限界かに思えた。

そして3日目、天気予報にも裏切られ朝から晴天無風の猛暑。この最終日は日曜日と言うこともありダムの放水は止まり、水位は一気に上昇、IK-250ではティンバートップに触れることができず、HU-300とスカイスクレイパー710のニーリングへと主力を切り替えた。およそクランクには最悪の天気だったが、朝のローライト時に勝負をかけ、HU-300で速攻2本を仕留め、その後、全くのノーバイトに苦しみながらもHU-300をスカイスクレイパーでニーリングし続け終了30分前、奇跡の3本目を釣ることに成功した。

最高のプレッシャーが掛かる3日目、高気圧、晴天無風、
それでもライザーテクニックは通用する。
実はこの日、優勝に欲が出て2時間ほどライトリグに浮気をしてしまっていた。結局、ナマズが釣れただけ(実は初日も、ライトリグを投げたら一投目でいきなりナマズが釣れた・・・)。結果的に少し後悔した2時間だったが、改めてクランクベイトがハイプレッシャー下のライトリグにも匹敵する能力を持つことを確信出来た。そして久々に自分のスキルアップを実感できた。
4月にJBII旧吉野川戦で IK-250が3フィッシュレコードで優勝を飾った報告があったが、直球ど真ん中ストレートのような「普通に凄く良い」IKクランクのポテンシャルに自分自身が驚いている。

JBII旧吉野川戦・川田氏はIK-250で3フィッシュレコード樹立で優勝!
かつて琵琶湖最強時代、私が吉田秀雄に叩き込んだディープクランクの真髄が、13年近い時を経て、今度は秀雄に再び教えられた気分である。琵琶湖大橋をニーリングで攻略していた「コンバット・スーパーディッガー8フィート」が、時代を経て摩天楼「スカイスクレイパー710」として今年蘇ったのも何かの縁だろうか。そして一時代を風靡したショートバーサタイルの名竿「インスパイア・ガゼル」「テムジン・パンテラ」としてその驚くべき潜在能力を再び発揮し始めている。

現在の超ヘビーユースタックル。
パンテラ&IK・HUミドルレンジクランク。
騙されたと思って使ってみてください。
目から鱗が落ちるほどいいです。
手前味噌だが、今回の陰の立役者はこのパンテラである。自分自身、最近ショートロッドを軽視する傾向があったが、このパンテラの素晴らしさは使ってみれば即座に理解できると思う。2日目までのバスは IK-180、250、HU-300とも全て実はパンテラで仕留めているのだ。
スカイスクレイパーの超絶遠投能力でブレイクや立ち木、岩を探して、パンテラ特有の丁寧な操作性を生かしたライザーテクニックで仕留める。インスパイアガゼルの全てを継承し凌駕したパンテラだけが持つ載せと掛けのバランスがこのテクニックを完成の域まで高めてくれたのである。

今回からトップ50にスポーツDJが登場。
さすがプロと思わせるナイスな司会ぶりでした。
それでは2回に分けて ライザーテクニック土師ダムプリプラ攻略編を、そして更にライザーテクニック練習編を上映します。シンプルゆえに奥の深いクランキング・ハイテクニック。そのイメージを映像から感じ取ってください。


第1回「土師ダム・ライザークランク編(1)」

 

 

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