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K.imae Today's Tips 789『水泡に帰した夢・七色ダム決勝』

ネットイン寸前、爆発する水面、
この1秒前までは勝利の雄叫びをあげる自分が脳裏に見えていた。

控えめに見ても、最低でも、3キロ程度のサイズではない。

このバスを手にしていたら、
日本のトーナメントシーンに計り知れない衝撃を与えることが出来ただろう。

自分の追い求めた理想の勝利は、またしても水泡に帰した。























最終日、6位で迎えた決勝。

総重量制のTOP50、ここ七色では奇跡の大逆転は不可能ではない。

決勝の戦略は決めていた。

2日目に北山川最上流で見つけた、2箇所のブッシュに必ず現れる2匹のアフターの60オーバー。

その1尾を絶対に仕留める。

そして、絶対に4戦連続決勝ノーフィッシュにならないこと。

そのためにまず小さくてもリミット5匹を優先した。

サイトで4匹、ギルロイドで1匹。

約1700g

三原に先行され、後手に回ったため11時までかかってしまう。

残り2時間、60オーバーを獲れるかの賭けだった。

獲れば1尾で4000gは楽に超える。


























しかし、帰着ギリギリの12時半まで死力を尽くすが、
RSの羽根を一度だけ銜え込んだのみで完敗。

帰着までの時間を考えると、会場近くに戻りながら狙えるのはラスト一箇所。

公式練習時に何度か巨大なプリのメスを見かけたガレ場に向かう。

この時点でもまだ諦めていない自分がいた。

そして、最後に選んだ運命の場所。

12時42分。

そいつはそこにいた。























推定60cm以上、4キロ前後。

掛けれる時間は5分。

微塵の迷いも無く選んだのはプリのメスを見つけたときに、
絶対の確信を持っていたこのルアーだった。

試合前、掛かりを優先し、信頼する細軸のガマカツのRBトレブルに交換していた事が裏目に出た。

ギルロイドJr。

このルアーは「このサイズにおいて」歴史に残る究極の名作だと思う。

これで無ければならない明確な理由がある。

理由は全て今日、次号・ルアマガREAL FIGHTに吐き出した。

全て吐き出して、ようやく魂は七色から帰ってきた。





















たらればは、勝負の世界では負け惜しみ以外の何者でもない。

2日間、紙一重の勝負で仕留め続けた1尾が、3日目決勝で夢と消えた。

1尾獲れれば表彰台、獲れなければただの人。

第2戦決勝同様、上げるだけ上げておいて、またしても絶頂からどん底へ叩き落された。

4戦連続決勝ノーフィッシュのほうが、正直、まだマシかもしれない。

だが、一歩ずつ、いや半歩ずつだが、這ってでも確実に前には進んでいる。

何の嬉しさも無かったが、AOY、エリート選出レースはあと2戦を残して遂に射程圏内の4位に付けた。

年齢的にはもう不可能なのではないか、2度とAOYは獲得できないのではないかと思うことは何度もある。

だけど、自分で自分の負けを認めてしまわない限り、勝負は延々と続けることが出来る。

いまはまだ、その時ではない。

あいつともう一度、いつかまたこの舞台で対峙し、この手に掴み取るまで。


Catch the impossible,

Make your dreams happen.

 

 

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