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やっと完成!?DYNAGONEの巻
やっとの思いで大納言の量産最終サンプルが完成した。正直言って、このDYNAGONE、これほどまでに最後でてこずるとは思いもしなかったのだ。既に今年の1月にはほぼ最終的な型は完成させ、4月頭には発売予定をしていたのだが、いざ量産となって思いもかけないトラブルが発生したのだ。
と言うのは、ダイナゴンの秘密の一つはその成型方法なのだが、非常に塩の含有率が多いため、ワームの外皮がサクくなりすぎて、割れたり千切れたり、白化しやすくなる。特に脚や毛に張りを生かすとなると、この問題は深刻だった。

実はモジャオもソルトコアショット。
毛には塩を最小にし、塩抜けによる白化を防ぎ、ハリを持たせる工夫です。
そこで採用したのが、モジャオことヘアリーホグと同じ「ヘビーソルトコアショット」と言う成型方法。すなわちものすごく高密度な塩のコアを、塩があんまり入っていない普通の樹脂の外皮でラッピングするように成型する特殊な方法だ。コアショット、ラミネートカラーと言われる違う色の内臓が入ったようなワームがその方法だ。これを高比重と低比重で応用したのがヘアリーホグの毛を生かす成型法だ。当然、その方法をダイナゴンでも採用したのだが、さほど高比重ではないヘアリーホグはなんら問題がなく成型できたのに、超高比重のダイナゴンには問題が発生した。

1月にロッド&リールにモザイクでスクープされた時の
中納言。この時はまだ、上下は逆ではなく、オフセットも甘く、塩の入り方で回転してしまったためNG。
その問題とは成型条件や、樹脂の流動の「運」によってボディーの何処かに塩のコアが偏ってしまうのである。すると丸くて太いボディーのダイナゴンは、重心が下にならず、横になったり上になったりするバラつきが酷かったのだ。その塩の偏りによって、ひどい場合はフォール時にくるくる大回転したり、綺麗な姿勢で奥に入っていかず、特にロングキャスト後に素早く回収すると、グルグル回ってラインが糸ヨレまみれになってしまうトラブルが起きてしまった。
このトラブルを解決し、量産品でも安定した品質をキープできるように、ここから試行錯誤が始まってしまった。
特に塩は比重が重いので、成型時、金型の中の溶けた樹脂の中でも沈殿したがるため、下になる片面が非常に濃いソルト、片面が薄いソルトになってしまう傾向が強い。これを解決するために大幅に変更した点が金型の上下反転なのである。

やっと完成したDYNAGONE4インチ、通称、中納言。
中納言は順刺しライトテキサス使用も考えたスリムボディーです。
DYNAGONEの秘密初公開!実はこっちがA面(上面)。
全てのパーツをセンターからオフセットし、重心を安定化。
しかもラミネート式ソルトコアショット製法。
足や手を完全にセンターからオフセットし、成型時に塩が手や脚にたまらないようにコアショットを工夫し、背中のハンプした部分に塩が溜まって重心が常に下に来るように工夫した。これによって当初予定していた金型のザリガニデザインが上下完全に真逆、すなわち腹が背中、背中が腹の模様に変更になってしまったのである。

フックを刺す位置もオフセット。
安定したバックスライドと回転防止の秘密です。
手の生え方も45度角でオフセット。
水を上手くつまみながら滑る様にグライドフォールします。
グッパーアクションも完璧。
しかも同時に大納言、中納言、少納言と3タイプをサイズダウンではなく独自設計していたので、大幅に計画が狂った。しかし、何とかギリギリで中納言ことDYNAGONE4インチ(通称:中納言)最終サンプルがロッド&リールの巻頭カラー取材直前に間に合ってくれた。
結局、ギリギリまでサンプルを待っていたおかげで、大寒波の中、真っ白に雪景色となった某超メジャーレイクへ取材に向かった。むなしく大潮も終わり、気温は日中で最高4度・・・。

デッキに雪が・・・まるで2月並の寒さでした。
こないだまでの20度もあった春はいずこへ・・・。しかもテーマは「春にスーパーメジャーレイクでビッグバスを釣る方法」と言うたいそうなお題。ビッグバスと言う限りは、最低ノルマは悪くて48cm以上。しかも締め切りギリギリまで待っていたので、2日間の撮影でダメならボウズでも掲載という恐るべき取材になってしまった。まあ、自業自得なんですが・・・。結局、ド級の大風に吹雪という最悪の条件に、ワタナベは私を置き去りにしてマスター旭川戦プラに行ってしまうわ、史上最悪級のロケになった。

ナベは1日だけで仕事をほったらかして旭川へ、
結局ボウズで何しにいったの??
果たして、その結果やいかに?でもこんな崖っぷちに追い詰められた時ほど、いつも何故か奇跡的な結果が出るのが私のツイてるところなのでしょうか?これはまさに奇跡としか言いようのない最高の結果で取材を終了、中納言には無事量産オッケーを出すことが出来た。
詳しくはまた来月号のロッド&リール巻頭カラーで。必殺技は(芸)は身を助けるといいますが、まさにそんな極寒取材でした。

何とかシーズンに間に合いそう!DYNAGONE大活躍!
これでも今回取材の最小サイズ!!

 

 

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