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K.imae Today's Tips 359 『知っておきたいメタルベイトの基礎知識(LURE NEWS CLUBディレクターズカット)』
今回は間もなくこれからのバスフィッシングシーンの必要不可欠な主役になるであろうメタル系ルアーについて、本格シーズンインになる前に知っておきたい基礎知識をしっかりと予習しておこう。




元々、メタルといえば「ホプキンス」に代表されるメタルジグだったが、最近はオカッパリでメタル系を使うことが多くなったせいか、メタルバイブの使用頻度が非常に高くなった。ボートからバーチカルに使うことがほとんどのホプキンスに比べ、メタルバイブはバイブレーションの延長にあるような感覚で、遠投してリフト&フォールで使うことが主流だ。それゆえ皿池のような狙いどころがはっきりしない大きめの池でも、その池の最深部を「カウントダウン」でスピーディーに探り当てることができ、同時にメリハリのある静と動の緩急差でリアクションバイトを誘うことができるルアーである。




まず知っておきたいことは、メタルバイブには大別して2種類のタイプがあること。一つはバス用メタルバイブとして昔から定番の「体高のあるタイプ」即ち今で言う「コギルシェイプ(フラットサイド)型」のものと、シーバス用に多く見かけるスリムな「ミノーシェイプ型」がある。この2種類の最大の違いはシルエットと波動(アピール力)の強さで、体高のあるタイプはクランクでいうまさにフラットサイドクランクであり、小型でもパンチの効いた強い波動を発生する。一方でミノーシェイプ型はプラグで言えばまさにシャッドやダイビングミノーの動きであり、細やかで回転の速い高速波動を発生する。




体高のあるタイプ(コギルシェイプ型)は小粒でも存在感のあるパンチの効いたバスルアーらしい強い波動を発生し、アピール力に長ける為、バージンエリアのファーストアタックでは抜群のリアクション効果を発揮する。しかし、シャクリ感がやや重く立ち上がりが遅いというデメリットもある。そこで今秋は軽量の基盤素材やチタン素材を真鍮の代わりにメタルバイブに採用するメーカーが複数現れ、「体高型」ならではのハイアピールを維持しながらも軽いシャクリ感と驚異的なハイレスポンス、ハイピッチを実現させたものもある。
この体高のあるタイプは、集魚力に優れ、濁った湖や冬でもバスが比較的浅い3~4mレンジのブレイクに差している時に効果が高いと経験的に感じる。大潮前や温かい雨の日、ローライト時に自分は好んで使うことが多い。またコギルが冬に深場に溜まる野池などでは、やはりマッチザベイトの関係でシルエットが捕食対象に似ている効果は高いと感じる。




一方、スリムなミノーシェイプは水抵抗が低いため、立ち上がりの早さと振動の速さが秀逸で、軽いシャクリ感、巻き感、ハイピッチという点では同素材(真鍮製)比較ならばミノーシェイプ(体高が低いタイプ)に軍配が上がる。
このタイプはクリアウォーターや6~10m以上のディープ、また、大潮抜けのバスのテンションが低いときや、猛烈な寒波後により効果的なことが多い。また、回りで体高の高いタイプを使うアングラーが非常に多いハイプレッシャー時にも反応することがある。
バスの居場所がピンで絞れている場合には、体高の高いギルシェイプよりミノーシェイプの方がスレにくく、連発も多いと感じる。フラットサイドクランクとシャッドやダイビングミノーの使い所の違いによく似た感じだと思えば解りやすいだろう。




またシェイプもアクションも上記両者の中間的な要素を持つハイブリッド型もある。発売から既に10年近くたつが、今も根強い人気が何故かある「フラッピンソニック」型がこのタイプにあたる。フラッピンソニックはシャッドシェイプに近い体型だが、腹部ウェイト位置をグッと下げることで低重心化しパワーをアップ、同時にテーフィンで尻の大振りな振動を抑え、フォール時にもチラチラとしたブレードアクションを持たせた秀作である。
全タイプとも野池では7~10g、自然湖、リザーバーでは12~14g、琵琶湖ボートでは14~22gが使いやすいだろう。




次にメタルバイブ以外のメタルベイトの代表がスピンテールジグである。こちらは昔からヨーヨーイングといってバーチカルに使うリトルジョージが代表格。ただ最近は遠投してボトムスレスレを巻いて使うことの方が多くなった。この系統のルアーは抵抗のあるブレードがついているため緩急を生かしたメタルバイブに比べるとバスがまだルアーを追う気がある、もしくはサスペンド気味の秋口に効果が高い。キャスティングの巻きでは1ozクラスでもせいぜい水深4mが限界だと考えておこう。




このテールスピンジグ系の変り種とも言えるのがメタルクロースピンだが、これは水抵抗の極めて小さい極薄極小のリン青銅製ブレードを使っているため、リフト&フォール時の緩急差を発揮することができる。したがって巻くだけでなくリフト&フォール、フットボールジグの階段落しなども非常に効果的だ。
メタクロは異質な極小シルエットでフィネスな微波動を持つため、バスの居場所が絞れている時や、何をやっても反応がないような極寒時、またメタルバイブでひとしきり攻められた後等に効果がある。自分の実績では何かしら魚の反応がある確率、超デカイバスが釣れる確率はメタクロがNo.1で、何も起こらないド平和なときほど大事件を起こす確率が一番高い唯一無二の不思議メタルだと感じている。




これら代表3パターンをベースに12月からベストシーズンに突入するメタルベイトを試してみよう。特に12月、冬本番を思わせる本格的な強烈寒波が来た時が狙い目である。

 

 

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